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『黄帝内経』について②   

2012年 02月 02日

二 『黄帝内経』の作者

古くから、『黄帝内経』の作者は黄帝(こうてい)という人物だと思われる人がいたが、後人の研究によると、『奇恒』、『五中』、『陰陽』、『従容』、『揆度』、『脉要』、『上経』、『下経』など『内経』が成編される前の古医経著作から引用されたとみられる他に、秦漢医学文献の本来面目もかなり保たれていたという。なお、『内経』の一部は後人が増補されたとみられる。内容に学術観点の分岐や矛盾しているところがしばしばあることも、『内経』の成書は一人ではなく、しかも同じ時期、同じ地域でもないとも分かった。『内経』は相当長い時期のうち、多くの医家達の経験のまとまりだと言えるのである。

黄帝について、戦國秦漢時期の多くの史学家が、古代の帝王だと言っていたが、実際は、黄帝とは、一人の人間ではなく、原始社会末期の一つの氏族で、中国の西北方位に居住していた。『中国通史簡編』にはこう記載してある、「伝説では、黄帝は涿鹿(現在河北省宣化市の鶏鳴山)の山の奥に居住したことがあり、よく移動したりして、遊牧の生活をしていた。のちに九黎族と炎帝族を打ち負かし、次第に中部地区にて定居した。」春秋時期に到ると、この氏族はまた「華族」と称され、中華民族の先祖となった。河南省澠池県仰韶村にあった新石器時代後期の遺跡から出土された石器や骨器、陶器などの文化財を見ると、上記の説明はほぼ正確だと分かるのである。

黄帝氏族は華族の先祖であるため、その文化は華族の発展に勿論重要な影響を与えられた。そのため、歴代の人々も自分は黄帝の子孫であることに誇りを持っている。なお、根源を明らかにするため、よく文物などを黄帝の名前をかたっていた。こういう背景の下、当時の学者らは、自分の学説をより世間の人に受け入れて貰えるため、その著作を「黄帝」の名を借りたという。これは、当時の風習となった。『淮南子』にこういう記載があった、「世の中の人は、古代を尊い、現代を卑しめる。故に教義する者は、必ず神農や黄帝の名をかたる。それで説得力が増す」。『内経』を黄帝の名付けられたのは、こういう背景があったのである。

(李)

# by jbucm | 2012-02-02 12:06 | 中医学 | Comments(0)

名医楹聯(対聯)  

2012年 01月 30日

こんにちは、周です。今回は名医楹聯(対聯)を紹介します。

楹聯は中国伝統文化の特独な表現であります。母屋の正面にある2本の柱に掛ける対聯です。対聯については、2008年12月28日のブログ記事をご参照下さい。

「但願人皆健、何妨我独貧」
浙江の名医―范文甫(1870~1936年)が書いたものです。范文甫は一時大いに名を上げられた人物であり、気前が良く、物惜しみしなく、金を出して人助けをします。長年、貧困な人に無償で診察・薬を提供していて、行医(医者をやる)数十年、当地の名医なのに、自分の資産は余りなかったです。

「児女性情、英雄肝胆。神仙手眼、菩薩心腸」
江蘇の名医―章次公(1903~1959年)が弟子の朱良春に期した情の表しの同時に、自らを励ましてもあります。彼は若い時、上海中医専門学校で学ぶ、名医の丁甘仁・曹穎甫、国学太師の章太炎に師事しました。上海中医専門学校・中国医学院・新中国医学院・蘇州国医専科学校など教鞭を取り、新中国(1950年)成立後、上海市第五門診部に就任しました。

「十年読書、十年臨証。存心済人、存心済世」
遼寧の名医―馬二琴(1892~1969年)が書いたものです。上聯は為医之道(医道)であり、下聯は済生豪情(志、決心)であります。

「徐霊胎目尽五千巻、葉天士学経十七師」
名医―程門雪(1902~1972年)が書いたものです。この対聯は広く伝播されています。医家に成る要因は2つがあると概括してありますー本を沢山読むことと師事する先生が多いこと。徐霊胎・葉天士という両先生は千古模範であることが言えます。

「士先器識而後文章、医先品徳而後学問」
四川の名医―冉雪峰が書いたものです。生家は医家である、12歳から父親に連れられ、生薬を採りに行き、17歳で独立して、故郷で開業し、38歳で湖北武昌で診療所を開きました。1907年から湖北医学館館長を歴任し、1919年湖北省中西医会第一任会長に選出され、≪湖北省中医雑誌≫を創刊し、編集も兼任しました。

「人之有恒成良医、人之無恒便成庸」
江西の名医―許寿仁(1904~1970年)が書いたものです。1947年、江西中医学校を創立し、「勤読精研」という校訓を制定しました。常にこういうふうに学生を訓戒しめる:医乃活人術、莫作謀生計。

「一勤天下無難事、百忍胸中有太和」
無錫の名医―朱興宝(1873~1950年)が書いたものです。

「薬有君臣千変化、医無貧富一般心」
福建の名医―盛国栄が書いたものです。


# by jbucm | 2012-01-30 09:30 | 中医学 | Comments(0)

『黄帝内経』について①  

2012年 01月 26日

一 『黄帝内経』の成書年代、伝わり及び主な注釈書
『黄帝内経』(こうていだいけい、こうていだいきょう)は、現存する中国最古の医学書とされている。『黄帝内経』という書名は、最初に図書目録である『漢書・芸文志』に医学書として記載されてあった。一般的な見解では、西(前)漢代の中後期に編纂されもので、『素問』(そもん)と『鍼経』(しんきょう)二部各9巻81篇、全162篇)があったとされている。

しかし、これらは散逸して現存せず、唐代の王冰(おうひょう)が家に収蔵していた欠本のある『張公秘本』を大量な時間を掛けて補欠、遷移、別目、文字の加減、そして注釈を加え、順番を並べ替えなどして、『素問』と『霊枢』(れいすう)を編纂した。それが元になって伝えられていた。ただしその後、『霊枢』の9巻本も散逸してしまい、現在は1155年に南宋の史崧が霊枢を新たに校訂し、24巻81篇として編纂したものが通用されている。

『素問』の書名は、最初に東(後)漢代の張仲景氏の『傷寒雑病論』に記載されていた。『霊枢』は最初では『九経』と称され、これも張仲景氏の『傷寒雑病論』の自序に記載されていた。晋代皇甫謐が『鍼灸甲乙経』の序には『鍼経』と称したが、本書のなかでは、しばしば『九経』と呼んだ。唐代の王冰氏が初めて『霊枢』と名付けて『素問』の序に書かれた。

『黄帝内経』の注釈書はたくさんある。その中、代表性のある幾つを挙げてみる。

①『黄帝内経太素』(略称は『太素』たいそ)、唐代の楊上善が『黄帝内経』を注釈したのである。楊氏は「以類相従」という方法で、『素問』と『霊枢』の原文を次のように十九種類に分類された:摂生、陰陽、人合、蔵府、経脈、腧穴、営衛気、身度、診候、証候、設方、九鍼、補瀉、傷寒、寒熱、邪論、風、気論、雑病。さらに各種類を若干の細目にし、その原文の下に注釈を書かれた。この本は後世の学者らが『内経』を研究するに、大変便利な参考書となっている。この『黄帝内経太素』は現在、日本の京都の仁和寺に所蔵されている。
②『黄帝内経素問』(唐代・王冰)
③『黄帝内経素問注証発微』及び『黄帝内経霊枢注証発微』(明代・馬蒔)
④『素問呉注証』(明代・呉崑)
⑤『類経』(明代・張介賓)
⑥『内経知要』(明代・李中梓)
⑦『黄帝内経霊枢集注』及び『黄帝内経霊枢集注』(清代・張志聡)
⑧『素問識』(そもんしき)及び『霊枢識』(れいすうしき)(日本・丹波元簡)

ちなみに、『漢書・芸文志』には、『内経』(18巻)の他に『外経』(37巻)があったとの記録があるが、残念ながら、『外経』は現存せず、詳しいことはわかっていない。

(編集:李)

# by jbucm | 2012-01-26 10:10 | 中医学 | Comments(0)

ストレス解消の効果があるスープーその⑤  

2012年 01月 23日

こんにちは、周です。ストレス解消の効果があるスープーその⑤を紹介します。

5、海帯痩肉湯(昆布と豚の赤身肉のスープ)
効能:清熱散結
材料:豚の赤身肉500g、昆布100g、蜜棗5個
調味料:塩適量
作り方:①豚の赤身肉は水で洗い流し、食べやすいサイズに切り、お湯を通します。
     ②昆布は1時間水に浸け後、塩と雑物を取り除きます。蜜棗を水で軽く洗います。
     ③上記のものを土鍋に入れ、2000cc水を加え、沸騰しましたら、弱火で2時間煮込みます。
     ④塩で味を整えます。
このスープはヨウ素不足による甲状腺機能亢進症の甲状腺の腫れ、咽喉腫痛、頸部・頜(顎)下のリンパ節の腫れの者は最適宜です。寒涼性なものですので、胃寒、脾虚、ヨウ素不足による甲状腺機能亢進症の甲状腺の腫れではない者は要注意です。

海帯(昆布)の薬膳作用を紹介します。
性味:咸、寒
帰経:肝・胃・腎経に帰経
効能:消痰軟堅、利水退腫
主治:癭瘤(甲状腺の腫れ)、瘰癧(リンパ節の腫れ)、噎膈、脚気水腫

昆布はアルカリ性食物で、ある疾病に有効です。例えば、高血圧、高脂血症、血吸虫病(住血吸虫病)、白血病。



# by jbucm | 2012-01-23 09:30 | 中国の薬膳 | Comments(0)

中医薬と人体免疫⑩  

2012年 01月 19日

中医薬と人体免疫⑩
                                    北京中医薬大学教授 高 春媛

(4)中医学の五臓調養論
③高齢者の養生
高齢者の養生は主に四つの方面から着手します。
その一は、精神的なことをリラックスさせ、十分な睡眠をとる。
その二は、身体を適切に動かせ、日々の入浴を心掛ける。
その三は、合理的な飲食管理をし、お腹を空かせない、偏食しない。
その四は、持病がある場合は、合理的に薬を使用する。

④病気の種類による養生
持病の種類によって、飲食の内容及び運動の方式を選びます。下記の注意事項を重視しましょう。
*心臓・脳血管の疾病:気血を流通させる;便通をよくさせる。
*三高症(糖尿病、高血圧、高脂血証)・肥満:あっさりした、脂っこくない食事を摂る。素食、少量、皮殻の堅い果実や豆類・野菜類・果物などを摂ること。
*肝胆の疾病:情志を調節することによって、利胆疏肝する。
*消化系疾病:少食で、食事の回数を多くする。柔らかいものやスープ類のものを摂ること。

⑤季節や地域による養生
人々の飲食は季節によって調節するべきです。つまり、旬のものを食べるのが宜しいです。
なお、地域によってよく食べるものや生活習慣が違うため、風土病などが見られます。それを防ぐため、食事の習慣を見直す必要があります。

(5)免疫調節作用がある生薬
補益類:人参、党参、黄耆、何首烏、白芍、淫羊藿、枸杞子、女貞子、巴戟天、山茱萸、甘草、補骨脂、刺五加など。作用としては、リンパ球の再生能力を高め、食細胞の作用を増強、抗体の形成能力を高め、多種の細胞因子の発生を誘発する。

清熱解毒類:大青葉、金銀花、蒲公英、黄連、黄芩、黄柏など。作用としては、食細胞の作用を増強、多種の細胞因子の形成を調節する、NK細胞の活性化を増強する。

活血祛瘀類:丹参、紅花、三七、益母草、我朮、川芎など。作用としては、リンパ球の再生能力を高め、多種の細胞因子の形成を調節する。

袪風湿類:桂枝、細辛、漢防已など。作用としては、Tリンパ球の亜群を調節する、過敏性伝達物質の釈放を抑制する、過敏性媒質反応を拮抗する。

(終わり)

(訳:李)

# by jbucm | 2012-01-19 10:05 | 中医学 | Comments(0)

ストレス解消の効果があるスープーその④  

2012年 01月 16日

こんにちは、周です。ストレス解消の効果があるスープーその④を紹介します。

4.南瓜海帯湯(南瓜と昆布のスープ)
効能:去脂肪・胆固醇、降血圧(脂肪・コレステロールを取り除く、血圧を下げる)
材料:南瓜500g  昆布100g, 豚の赤身肉300g
調味料: 生姜 塩適量
作り方:①豚の赤身肉は水で洗い流し、食べやすいサイズに切り、お湯を通します。
      ②昆布は1時間水に浸け後、塩と雑物を取り除きます。南瓜のワタを取って、食べやすいサイズに切る。生姜はスライスにする。
③上記のものを土鍋に入れ、2000cc水を加え、沸騰しましたら、弱火で2時間煮込みます。
④塩で味を整えます。
このスープは高血圧の者には最適宜です。
脾胃虚寒の者は要注意です。

南瓜の薬膳作用を紹介します。
性味:甘、平
帰経:肺・脾・胃経に帰経
効能:解毒消腫、温中平喘
主治:肺痈、哮証、痛腫、(燙傷)火傷


# by jbucm | 2012-01-16 09:30 | 中国の薬膳 | Comments(0)

中医薬と人体免疫⑨  

2012年 01月 11日

テレビ東京、今月8日の日曜日に「ソロモン流 料理家 青山有紀」という番組が放送されました。最近テレビなどのメディアで活躍している青山さんは、2年ほど前に当校中医薬膳専科を卒業、国際中医薬膳師の資格を取得し、今でも薬膳研究科に在籍されています。この番組にも、ちらりとその講義のシーンが出ました。

青山さんは食材にこだわり、身体に優しく美味しい料理を作る信念を持って、こころを込めて料理を作ることが人気を集め、食に魂を捧げる料理家と呼ばれています。番組では薬膳の知識を生かした、家庭で手軽に作れる簡単薬膳レシピも紹介されました。

1月8日に番組を見逃した方は、是非、ネットでご覧になって下さい。そのURLは下記です:

http://www.pandora.tv/my.gumino1104/44355294




中医薬と人体免疫⑨ 
                             北京中医薬大学教授 高 春媛

(4)中医学の五臓調養論

②因人制宜(体質によって調養する)

『内経・霊枢』には、人の体質を木・火・土・金・水という五つに分けてある。生れ付きで、それぞれ肝・心・脾・肺・腎の五臓機能系の偏りがあり、個体の差別が大きいとされる。
ここで、体質別の臨床表現と適宜な薬食材料などをそれぞれ紹介しましょう。

「陰虚火旺型」の体質
臨床表現:せっかちな性分で、行動が速い。潔癖症が多い。咽と口が乾く、毛髮や肌も乾燥気味、便秘傾向である。多食し、飢えやすい。熱毒瘡瘍や糖尿病に罹りやすい。
薬食材料:沙参、麦冬、天冬、玉竹、黄精、百合、枸杞、桑椹、黒胡麻、女貞子、旱蓮草、亀板、鼈甲。六味地黄丸、左帰丸、石斛夜光丸、亀鹿二仙膠、七宝美髯丹。
薬膳例:三黒粉(黒胡麻・桑椹・何首烏を等分にする)、枸杞百合黄精粥など。

「陽虚悪寒型」の体質
臨床表現:落ち着いている性格で、行動が比較的に遅い。手足が冷える、背中にやや悪寒する。下痢の傾向、月経が遅れ気味。心血管系や胃腸系の疾病に罹りやすい。
薬食材料:人参、黄耆、白朮、山薬、大棗、蜂蜜、冬虫夏草、胡桃、杜仲、続断、鹿茸、紫河車、狗腎、三鞭、蛤蚧、肉蓯蓉。金匱腎気丸、右帰丸、四君子湯、参苓白朮散、補中益気丸、生脈飲。
薬膳例:黄耆山薬大棗粥、虫草蜂蜜飲、三鞭酒など。

「気血両虚型」の体質
臨床表現:無気力、言葉が少ない、動きたくない。顔色が蒼白、動くと動悸、息切れする。月経の量が少ない。心血管病や血液の病気に罹りやすい。
薬食材料:党参、西洋参、山薬、膠飴、当帰、熟地黄、何首烏、白芍、阿膠、竜眼肉。八珍湯、炙甘草湯、八珍益母丸、十全大補湯。
薬膳例:黄酒燉(トン)阿膠(黄酒と阿膠を器に入れて湯で加熱する)、山薬竜眼粥、西洋参茶など。

「肝欝気滞型」の体質
臨床表現:内向的な性格、安静で言葉が少ない。思慮が多く、鬱憤してむかむかしやすい。胃痛、便秘が多発。月経不通、生理痛が多い。肝胆系、消化系、脳血管系の疾病に罹りやすい。
薬食材料:陳皮、枳殻、木香、香附子、烏薬、沈香、川楝子、焦三仙。加味逍遙丸、舒肝理気丸、越鞠丸、保和丸、山楂丸、半夏厚朴散。
薬膳例:大根陳皮粥、生姜木香の鶏スープなど。

「脾虚痰湿型」の体質
臨床表現:怠惰な性情で、太り気味、浮腫、四肢が重たい、胸悶、胃脘部痞満、眩暈、嗜睡、悪心。嚢腫や湿疹、下痢、泌尿器の感染、関節の病症、胆嚢と膵臓の病症に罹りやすい。
薬食材料:五加皮、木瓜、独活、防已、桑寄生、茯苓、車前子、金銭草、茵蔯蒿、薏苡仁、海金沙、蒼朮、砂仁、草豆蔲、藿香、佩蘭。五苓散、五皮飲、平胃散、三仁湯、八正散、二妙散、藿香生気散など。
薬膳例:薏苡仁木瓜粥、砂仁豆蔲リンゴと鶏のスープ、金銭草茶など。


(訳:李)

# by jbucm | 2012-01-11 10:31 | 中医学 | Comments(0)

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