こんにちは、今日からは、肝と胆病の弁証を紹介したいです。先ず、肝胆の生理機能を復習しましょう:
肝は右脇に位置し、胆は肝に付いて、二者の経脈は相互に絡属し、肝と胆は表裏関係しています。肝は筋を主り、その華は爪にあり、目に開竅する。肝は血を蔵し、疏泄を主る。その気は昇発して、条達を好み、抑鬱を嫌う。胆は「中精の府」で胆汁を受盛、排泄して消化を助け、情志の活動にも関係します。
肝の病変範囲はかなり広く、脇肋少腹に張り、脹痛、情緒不安定、めまい、ひきつけ、震顫、目疾、月経不調、陰部疾患等が肝に関係があります。肝の病証には虚実があり、その病理はかなり複雑で、主に肝失疏泄、肝気鬱絡、肝火熾盛、肝不蔵血、陰血虧虚、風陽妄動、肝経(胆)湿熱、寒滞肝脈等。胆の病変は主に胆汁疏泄異常と胆鬱痰擾等として表れます。ここで、幾つ常見する証を紹介致します。
肝気鬱結証:多く情志不遂により肝失疏泄、気機鬱滞を招く証です。
【臨床表現】:情志抑鬱、胸悶で太息をよくする、脇か少腹の脹痛、痛みが移転する、舌苔簿白、脈は弦です。女性には胸の張り、月経困難、生理の周期が乱れ、場合によっては無月経が見られます。或いは咽喉に異物があって、呑み下せず、吐こうとしても出ない(梅核気と称す)。頸部癭瘤(えいりゅう、甲状腺腫)、脇下痞塊等も見られます。
【証因分析】:多くは情志不快、鬱怒傷肝或いは他原因に肝気の疏泄、条達異常を引起こされる。肝鬱気滞で気機不調、経脈不利なので胸脇や少腹の脹悶、或いは痛みがある。肝鬱して条達を失い、情志を調整できないので、情緒抑鬱して太息をする。女性は血を本とし、肝は女子の先天であるので、肝鬱気滞、疏泄できず、気血失和、衛任失調、月経困難、乳房の張りを常見する。
肝気が鬱結しているので、全身の気機が失調し、気が鬱してその他病理性の変化を生む。長く続くと痰が生じ、気鬱化火などを招く。痰と気が搏結で、咽喉に溜まることを「梅核気」と呼びます。痰気が頸部に積集すると、癭瘤が形成されます。気滞で血瘀が発生して、痞塊が形成され、脇下にたまることもあります。
時間の関係で、今日は一つだけ紹介します。
(李)