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気血津液と臓腑の話(50)


寒滞肝脈証:寒邪凝滞により肝経が通過する部位の痛みを主症とする証です。寒凝肝経証、肝経実寒証とも呼ばれます。多くは寒邪の感受により発病です。

【臨床表現】:少腹の牽引感、睾丸部の墜脹冷痛、或は陰嚢の収引痛、寒に遇うと痛みはひどく、温を得ると痛みが和らげます。形寒肢冷、舌苔は白滑、脈沈弦或は遅です。

【証因分析】:本証の弁証要点は、少腹の牽引感、睾丸部の墜脹冷痛が主症状となります。足厥陰肝経は陰器を回り、少腹を循環しているので、寒邪が肝経に侵襲し、その陽気を抑え、気血の運行を妨げるので、寒凝気滞を招きます。なお、素体の陽気不足により、外寒が引発する場合もあります。寒邪の性質は凝滞収引なので、気血が凝滞されて、経脈が攣急収引され、上下の牽引、突然の激痛が起こり、その部位は陰器小腹を主とするわけです。寒が陰邪で、陽気が散布されないので、形寒肢冷、寒に遇うと痛が増し、熱を得ると緩和されます。舌苔と脈は寒盛の象です。

肝胆湿熱証:湿熱が肝胆に蘊結することによって現れる証です。多く湿熱の邪を感受することによって発症する;或は、酒、甘物、油こい物を好み、湿熱が化生する;或は、脾胃の運化異常し、湿濁内生、湿鬱化熱によって起こります。

【臨床表現】:脇肋脹痛、灼熱、或は痞塊があり、食欲がない、腹脹、口苦、吐き気、大便不調、小便短赤、舌紅苔黄膩、脈弦数か滑数です。

或は全身および目が黄、寒熱往来、陰部の湿疹、灼熱掻痒、或は睾丸腫脹熱痛、婦女の帯下が黄で臭い、陰部掻痒等が見られます。

【証因分析】:本証の弁証要点は、脇肋脹痛、食欲なし、黄疸、小便短赤、舌紅苔黄膩等です。或は、肝経の湿熱が下注した証候として表現されます。

 湿熱内阻、肝胆疏泄異常、気機鬱滞、血行不調なので脇肋脹痛、灼熱があります。気滞血瘀になると、痞塊が見られます。肝気横逆し、脾胃の運化と昇降が異常となり、食欲なし、吐き気、腹脹、大便不調(湿が重い場合は便溏、熱が重い場合は便秘)を見ます。湿熱薰蒸、胆気上溢、口苦を見ます。
邪が少陽胆経に居るので身熱や寒熱往来する。湿熱鬱阻、胆汁が常道をめぐらず肌膚に外溢するので、全身や目が黄色くなります。肝経は陰器を回り、もし湿熱の邪が経を従って下注すれば、陰嚢の湿疹か睾丸腫脹熱痛を見、婦女の場合、外陰掻痒、帯下の黄臭を見ます。

胆鬱痰擾証:胆気の不調により、痰熱が内擾することによる証候です。多くは情志の不遂(ストレスが溜まること)によって引き起こします。

【臨床表現】:驚悸(怯え驚きによる動悸)不眠、煩躁不寧、或いは眩暈耳鳴、口苦、吐き気、胸悶脇脹、苔黄膩、脈弦滑となります。

【証因分析】:本証の弁証要点は、驚悸不眠、或いは眩暈耳鳴、苔黄膩です。胆は清浄の腑で、痰熱内擾すれば胆気不寧となるので、煩燥、謀虚不定、不眠を見られます。気鬱痰阻、胆気不調なので胸悶脇脹、口苦、苔黄膩、胆熱犯胃で吐き気を見ます。痰熱が経脈に従って頭目に入り、上擾するので、めまいや耳鳴りを併発します。苔黄膩、脈弦滑等は痰熱内蘊の現れです。

では、これで肝胆の話を終わりにしましょう。次回よりは、腎と膀胱の話をさせて頂きます。

(李)
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by jbucm | 2009-03-05 10:00 | 中医学 | Comments(0)
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