気血津液と臓腑の話(51)


こんにちは、今回から、腎と膀胱の話を致します。

中医から見ると、腎は人体臓腑陰陽の根本で、生命の源であることで、とても大事な臓です。なので、「先天の本」と呼ばれます。腎は、五行の水に属し、膀胱・骨髄・脳・髪・耳・二陰(外生殖器、尿道外口の総称)などと腎系統を構成しています。

腎の解剖形態:腎は腹腔の後壁、腹膜の外側、脊柱両側にあって、左右一つずつあります。 

腎の生理機能:
1.腎は精を貯蔵する:
 腎は精を貯蔵する作用があります。精とは生命の本であり、とても大事なものです。ここで精について詳しく話しましょう。

(1)精の概念:精は中医学の精気学説の基本概念で、気の精華と言われています。精はまた精気と呼ばれ、宇宙及び人体を構成する源です。精気は物質であり、無限の生命力を持っています。人間の生命はまさに人体を構成する精気の生命力の表現だと言えます。精は先天の腎精と後天の水穀の精が結合して生化したもので、人体を構成する基本物質であり、人体発育及び各種の生理活動の基礎でもあります。狭い意味の精は腎に納める生殖能力のある物質で、即ち生殖の精のことになります。私の理解ですが、精とは、現代医学でいう身体の生理活動に欠かせないホルモンや各種の微量元素、電解質などにあてはまります。

(2)中医における精の分類及び相互関係:腎に貯蔵された精には先天の精と後天の精があります。

 先天の精:腎の精とも呼ばれます。父母から受け取って、生れつき、生育繁殖の基本物質です。また「生殖の精」とも呼ばれます。

 後天の精:五臓六腑の精とも呼ばれます。水穀精微から生まれたものです。臓腑の精が十分の時、人体の生理活動の需要に供給する以外に余ったものを腎に貯蔵し、余分の需要な時に備えます。五臓六腑がこの精微物質を必要とする時、腎が五臓六腑に新たに送り出すわけです。

 先天の精と後天の精は源が違うが、同じく腎に帰していて、互いに依存し、助け合う。

(3)精の生理機能:腎の精気は人体の成長、発育と繁殖を促進するだけでなく、血液の生成にも関与し、人体の病気に対する抵抗力を向上させる機能もあります。

 ①生殖を促進する:腎の精は胚胎(はいたい)発育の基本物質であり、生殖機能の成熟を促進する。

 ②成長発育を促進する:人体の生まれ・成長・発育・老い・死に至るまで、腎の精の盛衰と密接に関係しています。人は幼い時から腎の精が盛んになり、歯が生え代わり、髪も生えて来ます。青・中年になると腎の精がもっと盛んになり、頂点に達し、人体の発育も頂点に上り永久歯も生え、体も丈夫になり、筋肉も強くなります。中年以後、老年になると、腎の精は衰え、体も縮み、筋肉の動きも鈍くなり、歯が揺るぎ、髪が脱落してしまう。ここから、腎の精は人体の成長発育に決定的な役割を果していて、まさに人体成長の根本であることを理解できると思います。

 ③血液の生成に関与する:腎の精は血を化することができ、血液の生成に関与しています。だから、「血液の源は腎にあり」という説があります、なお、「精血同源」、「肝腎同源」という説もあります。

 ④外邪を防御する:腎の精は外邪に抵抗し、病気から人体を守る作用があります。精が充分であれば生命力が強く、適応力も強く、邪気が侵入し難くなります。

腎精・腎気・腎陰・腎陽の関係について少し分かり易く説明させて頂きたくて、長くなりますので、次回にしましょう。
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by jbucm | 2009-03-12 09:30 | 中医学 | Comments(0)

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