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気血津液と臓腑の話(56)


 こんにちは、今日からは、腎と膀胱病証の弁証を紹介致します。

 まず、腎と膀胱の生理をまとめましょう:腎は精を蔵し、命火を主り、腎精は元陰で、生殖と生長発育の根本物資、命火は元陽で、生命活動の原動力です。故に腎は「先天の本」、「水火の臓」、「陰陽の根」と言われています。また、腎は水を主り、気を受納する機能もあります。腎の特徴は潜、蔵、即ち元陰元陽は固秘をよくし、耗泄妄動しないことです。腎と膀胱は相表裏し、膀胱は「州都の官」で、貯尿および排尿の機能があります。腎と脳、髄、骨、女子胞等奇恒の腑は密接に関係しています。腰は腎の腑であり、耳は腎の竅、腎気は二陰に通じ、腎の華は髪にあり、歯は骨の余りです。

 腎の病変は主に生長発育、生殖機能、水液の代謝異常として反映されます。脳、髄、骨および呼吸、聴覚、大小便の異常等もまた腎の病変の可能性があります。腎の病は陰、陽、精、気虧損を常見するので、多くは虚証です。腰膝酸痛、耳鳴り、歯や髪が脱ける、インポテンツ、月経困難、不妊、水腫、大小便異常等は腎病の常見症です。膀胱の病変は一般に排尿異常か尿液変化として反映されます。

 腎陽虚証:腎の陽気虚衰の証候で、多くは素体が陽虚、高齢による命門火の衰え、或は長期の病による傷腎や、他の臓腑に陽気の虧虚、過度のセックスによる傷腎によって招かれます。


 【臨床表現】:腰膝痠軟(ようしつさんなん、腰膝酸軟とも書きます。腰や膝がだるくて痛い)、形寒肢冷(寒がり、四肢の冷え)、腰膝以下が甚しい。眩暈、無気力、顔色が晄白(こうはく、光沢のある白)か黧黒(れいこく、暗くて黒い)、舌質か淡胖、苔が白、脈は沈弱、両側の尺が甚しい。次の症状も見られます:男子がインポテンツ、女子が官寒(子宮の寒冷)による不妊、性欲低下、小便が清澄で尿量が多い、夜間尿が多いなど;或は慢性下痢、五更泄瀉(ごこうせっしゃ、夜明けの下痢);或いは尿少で浮腫、腰以下の腫がひどい、押すと指が埋まる、酷い場合は、腹部脹満、全身に浮腫み、動悸気短、喘咳痰鳴。

 【証因分析】:この証の弁証要点は、全身の機能低下と寒象(形寒肢冷)があることです。胃陽、即ち命火は全身陽気の根本で、全身を温め、水液を気化し、生殖発育を促進します。腎陽不足すると、命門火衰なので、形体はその温暖を失い、寒気が内から生じて、気化できなく、水液代謝異常となります。命門は下焦の元陽で、腎陽不足のため、形寒肢冷、下半身(腰膝以下)がひどくなるわけです。命門火が衰えて、性機能が促進されないので、性欲が減退し、インポテンツ、不妊となります。陽気が水液を気化できず、水液は下へ向かうので、小便は清澄で、夜尿が多い。一方、陽が衰え気化されず、泌別尿液不能として表現される場合もあるので、小便不利にして尿少となります。水液の排泄が阻害され、体内に蓄積して肌膚に溢れるので、浮腫を見ます。水液は陽気の蒸騰を得ないと、勢い下降して腰以下の腫がひどくなる。陽虚水停、中焦の気機不調なので、腹脹満悶するが、これは「水反侮土」であることです。水邪が泛濫し、心陽を抑えるので、動悸気短を見るが、これは「水気凌心」であることです。水泛は痰となり、痰飲が肺にとどまるので喘咳、痰声となるが、これは「水寒射肺」であることです。舌は淡胖、苔は白、脈沈弱等いずれも腎陽失温、陽虚水停の徴候です。両尺脈は腎の脈なので、腎陽虚の故に、両尺脈がとくに弱るわけです。

 腎陽虚証は、臨床でよくみられる証です。他の証と伴って表れるケースが多いです。特に陽虚体質の人や、高齢者や、或は慢性病を持つ人に、上記の症状がありましたら、他の病証を治療の同時に、温補腎陽もしましょう。

 では、また次回。

 (李)
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by jbucm | 2009-04-16 11:00 | 中医学 | Comments(0)
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