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気血津液と臓腑の話(57)


腎陰虚証:腎の陰液が不足で現れる証候です。多くは長い病気、或は温燥品の飲みすぎにより腎陰を損傷するか、先天不足や、不節制な情欲により、腎陰が損傷されて生じるものです。

【臨床表現】:腰膝のだるい痛み、めまい、耳鳴り、不眠健忘、歯や髪が抜ける、男子が遺精、女子の場合は月経困難か夢交、崩漏。形体消痩、潮熱盗汗、五心煩熱、咽乾、午後の頬赤、小便短黄、舌紅少津、脈細数になります。

【証因分析】:本証の弁証要点は、腎病の症状に陰虚内熱証が伴うことです。腎陰は全身陰液の根本で、臓腑形体を滋潤し、脳髄骨格を充養し、腎陽を抑制して妄動させない等の機能があります。腎陰が虧損されるので、臓腑形体はその滋養を失い、精血髄液が不足して脳髄骨格がその充養を失い、腎陽がコントロールされないので相火妄動して内熱を生じます。

 陰虧髄少で脳髄空虚、骨格欠充なので、めまい、耳鳴り、健忘、歯や髪の抜け、腰や膝のだるい痛みが見ます。形体、口舌は陰液の滋養を得られないので、咽乾口燥、形体消痩を見ます。陰虚して陽をコントロールできず、虚火が内擾するので、五心煩熱、潮熱、盗汗、頬紅などがあり、虚火上擾、神志不寧なので不眠多夢。相火妄動、擾乱精室なので夢精、女子は月経量は少ないか月経困難になります。一方、虚火が迫血妄行で崩漏を招くことも見られます(特に、更年期女性の不正出血によく見られます)。


腎精不足:腎精虧少による、生殖生長機能低下の証候です。多くは先天の不足(先天的元気の不十分)によるか、後天の失養、長期の病、過度なセックスにより腎精虧損を招きます。

【臨床表現】:小児の発育遅れ、矮れ、知力と動作遅鈍、泉門の閉鎖が遅れ、骨格の痿軟など。性機能が減退し、成人の男子が少精子か無精子、女子が無月経による不妊。また、老化が早い、髪や歯が抜ける、耳鳴り、健忘、足の萎え、痴呆などになります。

【証因分析】:本証の弁証要点は、子供の場合は、生長と発育の遅れ;成人の場合は、性機能の減退と不妊、或は、早老や痴呆などです。

 『素問・上古天真論』にいう:「腎は水を主どり、五臓六腑の精を受けてそれを蔵す。故に五蔵盛んなれば能く瀉す」。腎精の源は先天にあるが、後天の充養に頼ります。腎精は生殖と生長発育機能の盛衰として表現されます。

 腎精虧少で性機能が衰え、男は無精子不妊、女は無月経不妊となります。精は虧すと髄不足が生じ、髄汁虧虚なので、骨格、髄腔、脳海が充養されず、骨格失充、脳髄空虚なので、小児に五遅(立遅、行遅、髪遅、語遅、歯遅)、五軟(頭軟、項軟、手足軟、肌軟、口軟)が見られ、成人すると歯や髪が脱け、耳鳴り健忘、足が萎える等を見ます。
 
3月19日にも紹介しましたが、腎中の精気が虧損されていても、陰陽の失調がはっきりしていなくて、特に腎陽虚や腎陰虚の症状がみられないこともあり、上記の症状だけの場合は、それを腎精不足と呼び、治療は補精益髄(動物の骨や肉類のものを用いる)をします。

(李)
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by jbucm | 2009-04-23 09:17 | 中医学 | Comments(0)
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