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気血津液と臓腑の話(58)


こんにちは、今日は、腎気虚による良く見られる二つの証を紹介致します。3月26日に腎の生理機能を紹介しました。腎気の二つ大きな機能は、固摂と納気です。これらの機能が弱まると、下記の証が見られます。

腎気不固証:腎気虧虚により、下元の固摂失職を招く証候です。多くは加齢で腎気の衰弱(老人の場合)、或は幼少で腎気が不十分による(子供の場合)か、長期の病や房労過度により腎気が損傷されるにより下元不固に起こります。

【臨床表現】:顔色が白、神疲、耳鳴、腰膝のだるさ、小便の回数が多く清澄、尿が切れない、遺尿、小便失禁、或は夜尿が多い。滑精、早漏、月経淋漓、帯下が多くて薄い、胎動易滑(流産し易い)、大便失禁、滑泄不止、畏寒肢冷、特に腰膝が冷える、舌は淡で脈が沈弱です。

【証因分析】: 本証の診断要点は、膀胱と生殖器官の固摂失職の症状が現れることです。
耳鳴り、神疲、腰膝のだるさ、脈沈弱などは腎気虧虚の表現です。腎気虧虚すれば、封蔵固摂の機能が失われますので、まずは膀胱の失約することがあり、小便の回数が多く清澄、尿がなかなか切れず、夜尿、遺尿、尿失禁などを見ます。また、精関不固なので滑精、早漏で、女性の場合は、衝任虧損になり、早漏、月経淋漓、帯下が多くて薄い、胎動易滑を見ます。なお、腎虧で後陰(肛門)が固摂されず、大便失禁、滑泄不止を見ます。畏寒肢冷、腰膝の冷えを見れば、それは腎陽もすでに衰えた表れです。

腎不納気証:腎気虧虚により、納気されず短気喘息を表す証候で、肺腎気虚と呼ばれます。多くは長期の病による咳喘、肺気の損傷によるか、先天腎気の不足、加齢による腎気虚衰、労損傷腎等により、腎気虧虚、納気不能を招きます。

【臨床表現】:慢性的な咳、呼多吸少、動くと喘ぎがひどく、痰は稀薄、場合によっては咳の際尿が出る(腎気不固証が伴う場合)、自汗神疲、声が低く怯、耳鳴、腰膝のだるさ、舌が淡で厚く、苔は白、脈は沈弱です。なお、息切れのひどい場合には冷汗淋漓、肢冷面青、脈浮無根が見られます。或いは気短息促、頬紅心煩、燥擾不寧、咽乾口燥、舌紅少津、脈細数を見ます。

【証因分析】:本証の診断要点は、慢性的な咳、呼多吸少、肺の中に気が足りないような感じ、動くと酷くなり、肺腎気虚の症状が伴うことです。肺は呼吸を司り、腎は納気を主る。「肺は気の主であり、腎肺は気の根である」と言います。故に肺腎気虚の病変は常に呼吸気息の機能減退として表現されます。本証の本はすでに腎に及んでいるので、臨床上では「腎不納気証」と呼ばれます。

 肺が吸い込まれた気を腎が受け取る(受納する)、肺腎気虚だと、気不帰元(腎失摂納、受納できず)、故に呼多吸少、気短喘促。気虚なので、動くとひどくなります。また、肺腎気虚、気化不能、津液散布不能なので、集聚して痰飲を成し、痰飲が肺にとどまると、咳嗽で、稀薄な痰が出ます。なお、肺虚すれば宗気も衰微で、衛表が固密できないため、常に自汗する、全身の機能が低下するので、声が低く怯えます。腎気不固、膀胱失約のため、咳と一緒に尿が出るか、尿が切れないことも見られます。腰膝がだるい、耳鳴等は腎虚の徴候です。

腎不納気は気虚を主とし、通常は陽虚に偏るが、陰虚に偏る場合も見られます。腎気虚極、腎の陽が衰弱の場合は、息切れがひどいと、冷汗淋漓、顔面蒼白で肢厥、脈浮無根の虚陽外浮の象、又は陽気欲脱の勢が見られます。腎の陰が衰弱の場合は、頬紅、咽乾、燥擾不寧、舌紅少津、脈細数等の症を併発し、気虚と陰液虧少を兼ね、陰不斂陽、陰虚内熱を招きます。

では、よい連休をお過ごし下さい、また来週。

(李)
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by jbucm | 2009-04-30 09:48 | 中医学 | Comments(0)
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