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桑椹と劉邦

こんにちは、周です。今回は中薬―桑椹と劉邦の話です。

紀元前205年、劉邦は徐州の戦場で項羽に敗れ、「一敗涂地」という窮地に追い込まれました。劉邦は数10人部下を率いて、馬に乗って、やっとのことで項羽からの追撃を逃し、ある洞窟へ逃げ込みました。

一行は、大災難に逃しましたが、過度な恐怖で、劉邦は持病の頭痛・眩暈が発症し、苦痛で堪りません(腰酸腿軟、排便もできなくなり)。幸い当時の黄桑峪に桑樹が密布し(到る所にある)、果実が沢山実っています。彼達は清泉を飲み、桑の実を食べ、口渇と飢餓を凌ぎました。すると、不思議なことが起きました。何日間も経たないうちに、頭痛・眩暈がなくなり、大便も痛快な出かたであり、精神爽快で、身体が強くなりました。

のちに漢王朝を開き、皇帝になった劉邦は、あの救命恩人である桑の実(=桑椹)を忘れられなく、御医(皇帝に専属する医者)が調剤した「桑椹加蜜熬膏」(桑椹に蜂蜜を加え、煎熬した膏)を飲み続けました。在位期間中(紀元前206~195年)に政務をこなすことができたのは、「桑椹加蜜熬膏」の恩恵を受けたからです。

桑椹の薬用作用などを紹介します。
クワ科MoraceaeのカラグワMorusalbaL.の成熟した集合果です。性寒味甘、心・肝・腎経に帰経します。滋陰補血、生津、潤腸作用があり、陰血不足による眩暈・不眠・目がかすむ・耳鳴・早期白髪、口渇・消渇、(腸燥)便秘に用いられます。
用量用法:9~15g、煎服
使用上の注意:①脾胃虚寒による便溏には禁忌
          ②煎じる際、土鍋を使うとこ。鉄鍋は禁忌
          ③未熟なものは禁忌(≪本草新編)に記載されています:桑仁採紫者為第一、紅者次之、青者不可用)
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by jbucm | 2010-11-15 09:30 | 中国の話 | Comments(0)