こんにちは、周です。今回はマコル・ポーロ(Marco Polo)と中医学の話です。
千百年来、中国の蘇州・杭州は名医が集まるところであります。冒険家のマコル・ポーロ(1254~1324年)は、中国を旅した時、当時の蘇州・杭州の中医中薬盛況を、強い印象を受けました。≪馬可・波羅遊記≫(マコル・ポーロ旅行記)(福建科学技術出版社1981年中文訳本、以下簡称≪遊記≫)には、こう書かれています:「(蘇州)有許多医術高明的医生、善於探出病根、対症下薬。在(杭州)另一些街道上、住着医師和星占学家、他※(=イに門)向人伝授文化和許多其他的技術。」(蘇州には、医術高明な医師が大勢居ます、彼らは病因を探り出しできて、症状に合う薬を投与します。杭州のある街には、医師や星占い学家が住んでいて、彼らは人々に文化や其の他の技術を伝授します)
中国は果てしなく広い土地があります、その広大な土から、名目繁多(種類が多い)、卓越な効能を持ち中薬(生薬)が産出しています。≪遊記≫に記述してあります:粛州の境内には山が多く、その山々に、品質は非常によい大黄が産出していて、他処の商人達は、その大黄を購入して、世界各地に転売します。雲南は丁香のほかに、生姜・肉桂も盛産(豊富に産出する)します。
麝香は名貴(貴重な)中薬の一種です。マコル・ポーロは、その捕獲過程を詳細な記載します:西涼州には、最高級(品質が最優良と、価格が最も高い)麝香が産出します。麝香を造り出す動物は、香獐という動物です。香獐の皮毛は、体格が比較的に大きい鹿のものと似ます。香獐の臍部に、凝固な血塊があります。麝香を採集する人が、星月の清輝の照らしを利用し、腺囊を切取って、晒します。雲南には、大量な麝が生殖していますので、他の地方に比べて、麝香も多く産出します。西蔵には、数多くの麝が生殖していますので、その地方の当たるところには、麝香の気味が充満しています。
麝香については、
2009年9月14日のブログ記事をご参考下さい。
但し、マコル・ポーロは中医中薬に対する認識が少ないですので、大まかな記述しかありません。例えば:世界中で、最も貴重なもの・希少なものは、全てこの都市(北京)で見つけます、宝石・珍珠・薬材・香料等等。この河(黄河)を渡ると、3日間の道のりを歩けば、開昌府という市に着きます。この周辺には、糸・生姜・薬材を盛産します。また、≪遊記≫には、中国にある地方特産の薬酒も記載してあります。
以上から、マコル・ポーロは中国に在住期間中、中医中薬に関する見聞の多くさ、多方面さがわかりました。薬材が何処で入手、目的地への行き方等についても、具体的に(場所・所需時間・経由ルート等)記述しています。特に麝と麝香の産地、麝香を採集法についての記述は精確であります。それはマコル・ポーロ自身が実際に中医薬を触れ、中医薬に対する認識があるこそ、書けたものと言えるでしょう。