『黄帝内経』筆記 陰陽五行(六)

素問・陰陽応象大論篇 第五⑥

【原文】陰味出下竅、陽気出上竅①。味厚者為陰、薄為陰之陽;気厚者為陽、薄為陽之陰②。味厚則泄、薄則通;気薄則発泄、厚則発熱③。壯火之気衰、少火之気壯④。壯火食気、気食少火;壯火散気、少火生気⑤。

【注釈】①陰味出下竅、陽気出上竅:気は陽、味は陰である。陽主昇、陰主降である。王氷の注釈では「味は質がある、故に下流し便になり、下竅からでる;気は形がない、故に上に行き、呼吸の門からでる」となっている。

②味厚者為陰、薄為陰之陽;気厚者為陽、薄為陽之陰:張介賓は次のよう注釈している:「この言葉は、気味の陰陽の話で、陰陽の中にまた陰陽があると説明した」。つまり、味は陰に属すが、味の濃いほうは陰が強く、薄いほうは、陰の中の陽にとらえる;気(性)は陽に属すが、性が強いほうは陽も強く、弱いほうは、陽の中の陰になる。

③味厚則泄、薄則通;気薄則発泄、厚則発熱:馬蒔は次のよう注釈している:「味の濃いほうは純陰(陰が強い)であり、故にこれを使うと泄瀉になる。その物は下に使う、例えば大黄は陰中之陰であり、主泄瀉……味の薄い者は陰中之陽であり、故に流通に用い、泄瀉するほどのことはない。例えば木通、沢瀉は陰中之陽であり、主流通……気の薄い者は陽中之陰であり、故に発汗し、上に使う。例えば麻黄は気の薄い者であり、陽の昇の性質を持ち、発汗の効能がある……気(性)の強いほうは純陽(陽が強い)であり、故にこれを使うと発汗だけではなく、発熱となる。例えば附子は大熱のものである。」

④壯火之気衰、少火之気壯:薬食の気味に純陽のものを壯火、温和のものを少火と言う。ここの「気」は正気のことである。ここの「之」は、…させるという意味である。馬蒔は次のよう注釈している:「気味が強すぎの者は壯火である。壯火の品を使うと、我々の気が適切に受けられなく、反って衰える。例えば烏頭や附子の類に、我々の気がそれに勝てない、故に発熱する。気味が温和の者は少火である。少火の品を使うと、我々の気がだんだん旺盛になり、血もしだいに盛んである。例えば人参や当帰の類は我々の気血を旺盛させるものである。」

⑤壯火食気、気食少火;壯火散気、少火生気:ここは④を更に説明したものである。前の「食」は、消耗の意味で、後の「食」は吸収の意味である。壯火は我々の気を消耗し、無くす。少火は我々の気を旺盛させる。

【説明】この節は、陰陽の分け方(陰も陽もさらに限りなく分けられること)及びその昇降の特性で、薬食の気味厚薄の性能、及び偏り過ぎると陰陽偏盛や偏衰の危害について解明した。

なお、薬食はそれぞれ異なる気味があるから、その作用も異なる。薬食の気味の厚薄は、温熱寒涼や酸苦甘辛咸淡などが含まれる。この節は、陰陽の理論で薬食の気味の作用について一般的な解釈を述べただけだが、後世に薬物学の研究や、分類などに基礎を定めた。


(李)
[PR]
Commented at 2012-04-21 08:57 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by jbucm at 2012-04-22 10:35
井上様
おはようございます。コメントを頂きまして、ありがとうございました。私のよい励みになっております。これからも頑張りますので、宜しくお願い致します。

~李~
by jbucm | 2012-04-19 10:17 | 中医学 | Comments(2)

国立北京中医薬大学日本校が運営するブログです


by jbucm