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『黄帝内経』筆記 陰陽五行(七)

素問・陰陽応象大論篇 第五⑦

【原文】気味辛甘発散為陽、酸苦涌泄為陰①。陰勝則陽病、陽勝則陰病②。陽勝則熱、陰勝則寒③。重寒則熱、重熱則寒④。寒傷形、熱傷気⑤。気傷痛、形傷腫⑥。故先痛而後腫者、気傷形也⑦。先腫而後痛者、形傷気也⑧。

【注釈】①気味辛甘発散為陽、酸苦涌泄為陰:涌とは嘔吐で、泄とは、泄瀉である。張志聡は次のよう注釈した:「気は陽、味は陰というように分けるが、味の中にも陰陽がある。辛は発散で、甘は中央の味で前後左右を灌漑することができる。故に辛甘発散で陽に分ける。苦は泄下と炎上(夏に属す)、酸は収斂と生発(春に属す)できる。故に酸苦涌泄で陰に分ける。」

②陰勝則陽病、陽勝則陰病:ここは、もともとの意味は、酸苦涌泄の陰のものを使い過ぎることを「陰勝」と言い、我々の身体の陽分がその「陰」に匹敵できず、「陽病」になる。同じように、辛甘発散の陽のものを使い過ぎることを「陽勝」と言い、我々の身体の陰分がその「陽」に匹敵できず、「陰病」になる。現在は、「陰の邪気が偏盛すると、陽気虧損の証を見る;陽の邪気が偏盛すると、陰精耗傷の証を見る。」と認識し、人体陰陽寒熱盛衰の病理原理となっている。

③陽勝則熱、陰勝則寒:病理性の陽亢は発熱になり、病理性の陰の偏盛では寒の病証が発生する。

④重寒則熱、重熱則寒:「重」は二つの意味がある。一つは「二重、重複」で、もう一つは「極める」である。この言葉について幾つ解説がある。張介賓はこう言った:「これは、上分の寒極生熱、熱極生寒(3月22日のブログを参照)の意味である」。陰陽の偏盛は一定な条件の下で転化できる(陰陽転化理論)のである。『類経・陰陽類・一』には、「陽盛則隔陰、陰盛則隔陽。故に真寒仮熱、真熱仮寒の別がある」と説明している。後世はまた、格陰格陽証の仮熱仮寒の象はこれと本質の差があると認識しているが、私は、『類経』の解説の通りで理解している。

⑤寒傷形、熱傷気:『素問経注節解・巻二』の注釈を次のように理解している:所謂寒傷形とは、寒が肌膚湊理に入り、形(肌膚湊理)が損傷される。所謂熱傷気とは、中暑多汗、辛熱耗散なので気が消耗される。

⑥気傷痛、形傷腫:李中梓の注釈は、「気は宣通(流れる)のものだから、気が損傷されると、不通となる、故に痛む。形は機体(肢体など)だから、形が損傷されると、そのまま溜まって、腫れる。」ここの「腫」とは、肌などの浮腫を指す。

⑦故先痛而後腫者、気傷形也:先に痛みを感じ、後で腫れるものは、気→形を損傷するものである。

⑧先腫而後痛者、形傷気也:先に腫れがあって、後で痛みを感じるものは、形→気を損傷するものである。

【説明】本節は、気味が強すぎで人体が陰陽偏盛になり、それにより寒熱腫痛を引き起こすことを説明した。

「寒傷形、熱傷気。気傷痛、形傷腫」について、絶対的な規律ではない。『挙痛論』と『痺論』に、「寒が痛になる」との説明があった。『至真要大論』には「腫痛皆火熱に属す」との説明があった。また、本論(『陰陽応象大論』)の下文にも「喜怒が傷気、寒暑が傷形」との説があったから、病理変化が場合によって違うこともあり得る。


(李)
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by jbucm | 2012-04-26 10:22 | 中医学 | Comments(0)
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