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『黄帝内経』筆記 陰陽五行(十七)

素問・陰陽応象大論篇 第五⑯

【原文】 故天之邪気,感則害人五藏⑦;水穀之寒熱,感則害於六府⑧;地之湿気,感則害皮肉筋脉⑨。

【注釈】 ⑦天之邪気,感則害人五藏:「天之邪気」とは、外感六淫の邪気である。それを感受すると、人の五臓に害を与える。元々六淫邪気は体表に侵入するというが、最終的に五臓に到る。なお、ここでは、⑧と⑨と語気をそろって、邪気が人体を損傷するルートは三つあり、即ち五臓、六腑と皮肉筋脉である。

⑧水穀之寒熱,感則害於六府:水穀は養生に必要なものだが、適切に摂ってなければ、人の六腑を損傷することが十分にできる。

⑨地之湿気,感則害皮肉筋脉:『素問注証発微・巻一』はこう注釈してある:「清湿の地気が足から人体に侵入し、先ずは皮肉筋脉に害を与える」。

【説明】本節(前回と今回の分)は、上文の「治療は、天地の理の法則に従うべき(臨床の弁証論治の際に天地陰陽四時に合わせて分析すべきこと)」の続き、天地の邪気が人体に侵入したあと、表から裏へ入る順次(皮毛→肌膚→筋脉→六腑→五臓)を論述し、なお、「治療は早くするべき」という原則を提唱した。これは、中医の予防医学に一つの重要な方面である。

また、異なる邪気が人の異なる部位を侵害することを論述した。一般的に、天の温熱の陽邪は、鼻や喉から肺に侵入し、伝変が比較的に速く、五臓を損傷し易い;地の寒湿等の陰邪は、皮毛から肌肉筋脉へ侵入し、伝変が比較的に遅く、形体を損傷し易い;一方、水穀の寒熱を不適切(清濁を分けず、食べる時間を守らず)に摂取したら、腸胃から入り、六腑を損傷し易い。

『内経』の他の章節にも同じような論述がある。例えば、『霊枢・百病始生』には「喜怒不節は蔵を、風雨は上を、清湿は下を損傷する。」;『太陰陽明論』には「傷風のものは上が先に受け、傷湿のものは下が先に受ける」などの記載があった。これらの論述は違う角度、或は違う理論原則から提唱してあるが、「異なる致病素因が人の異なる部位を侵害する」という一般的な規律を指摘した。なお、疾病の発生には邪気の他に、飲食の不摂生も原因の一つであると指摘した。


(李)
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by jbucm | 2012-07-26 09:43 | 中医学 | Comments(0)