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『黄帝内経』筆記 陰陽五行(二十五)

素問・金匱真言論篇第四⑥

【原文】帝曰:五藏應四時、各有收受①乎?岐伯曰:有。

東方青色、入通於肝、開竅於目、藏精於肝②、其病発驚駭③、其味酸、其類草木④、其畜鷄、其穀麥⑤、其應四時、上爲歳星⑥、是以春気在頭也、其音角⑦、其數八⑧、是以知病之在筋也、其臭臊。

南方赤色、入通於心、開竅於耳⑨、藏精於心②、故病在五藏、其味苦、其類火④、其畜羊、其穀黍⑤、其應四時、上爲熒惑星⑥、是以知病之在脉也、其音徴⑦、其數七⑧、其臭焦。

中央黄色、入通於脾、開竅於口、藏精於脾②、故病在舌本、其味甘、其類土④、其畜牛、其穀稷⑤、其應四時、上爲鎭星⑥、是以知病之在肉也、其音宮⑦、其數五⑧、其臭香。

西方白色、入通於肺、開竅於鼻、藏精於肺②、故病在背、其味辛、其類金④、其畜馬、其穀稻⑤、其應四時、上爲太白星⑥、是以知病之在皮毛也、其音商⑦、其數九⑧、其臭腥。

北方黒色、入通於腎、開竅於二陰⑨、藏精於腎②、故病在谿、其味鹹、其類水④、其畜彘、其穀豆⑤、其應四時、上爲辰星⑥、是以知病之在骨也、其音羽⑦、其數六⑧、其臭腐。

故善爲脉者⑩、謹察五藏六府、一逆一從、陰陽表裏、雌雄之紀、藏之心意、合心於精⑪、非其人勿教、非其眞勿授、是謂得道。

【注釈】①各有收受:収受とは、帰属の意味です。下文のように、五臓と四時などは、それぞれ帰属しています。

②藏精於肝、心、脾、肺、腎:精とは、精気のことです。五臓(肝、心、脾、肺、腎)はそれぞれ(木、火、土、金、水)の精気を藏していることです。

③其病発驚駭:『新校正』では、下文の内容によって、これが「故病在頭」の誤りだとの質疑がありました。

④其類草木、其類火、其類土、其類金、其類水:「類」は類似の意味です。肝、心、脾、肺、腎の五行所属です。

⑤其畜鷄、其穀麥;其畜羊、其穀黍;其畜牛、其穀稷;其畜馬、其穀稻;其畜彘(テイ、いのこ)、其穀豆:『内経』では、五畜(鷄、羊、牛、馬、豚)と五穀(麦、黍、稷、稻、豆)を五行の分類を通じて五臓に配属した。これらの配属では、二つのことを説明した。

其の一は、『内経』学術思想の一つでもあり、全ての事物は生長の過程中に生態上の関連性があると説明した。五行学説でいうと、相生と相克関係があることです。五畜や五穀はその生長化収蔵の過程中、孤立しているのではなく、他の事物(五時、五気も含む)と密接な関係しています。これは現代の生態学の理論と一致しています。

 其の二は、五畜や五穀が化生した五味は、人体生命活動を維持する必須の物質であることを説明した。なお、五畜や五穀などは、それぞれの臓腑に違う作用があることも説明した。これは、五臓病変へ治療の際、飲食や薬物を選ぶ根拠となります。

⑥上爲歳星、熒惑星、鎭星、太白星、辰星:五大行星を五臓に配属する。『内経』の中に、数ヶ所もこの話を及んだ。『気交変大論』に論述が比較的に詳しいです。五星運行の「徐疾逆順」と四時気候変化の関係についての論述は、現代天文学の計算と一致しているという。

 四時気候の変化は人体疾病の発生などに直接関係しているし、それは天体運行の規律に関連があります。

⑦其音角、其音徴、其音宮、其音商、其音羽:「角、徴、宮、商、羽」は古代五種類の楽器の名前です。

⑧其數八、其數七、其數五、其數九、其數六:真ん中の「五」を除き、「八、七、九、六」は成数といい、生数の「三、二、四、一」に足す「五」の数字です。『河図』によると、三と八は東、二と七は南、五と十は真ん中、四と九は西、一と六は北に配置される。

⑨心開竅於耳、腎開竅於二陰:五臓の「開竅」について、『素問・陰陽応象大論』には「心在竅爲舌、腎在竅爲耳」との記載があった。現在の『中医基礎理論』のテキストはそれを使っています。ここでは、「心開竅於耳、腎開竅於二陰」と記載しています。理由は、「舌は心の官であるが、竅となってない」;なお、手少陰心経と足少陰腎経の絡脈は皆耳に集まるから、耳は心と腎の開竅であるのも言えます。

⑩善爲脉者:「爲脉」とは、診察の意味で、善爲脉者、診察が上手い者を指します。

⑪藏之心意、合心於精:「精」とは、精微で深奥であることです。その深奥な道理は心で悟ることしかできない。

【説明】本節は、五臓を中心にして、自然事物の五行帰属で、人体の五臓系統が五方、五時、五味などと応じる関係を論じた。五行学説が医学での具体的な応用例です。本節は「四時五藏陰陽」の重要な部分です。

今回で、『素問・金匱真言論篇第四』の勉強を終わりにします。次回からは、『素問・陰陽離合論篇第六』を紹介したいと思います。

(李)
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by jbucm | 2012-10-04 10:00 | 中医学 | Comments(0)