国立北京中医薬大学日本校が運営するブログです

by jbucm

『黄帝内経』筆記 蔵象学説(四)

素問・六節蔵象論篇第九④

【原文】帝曰:有不襲①乎?岐伯曰:蒼天之気、不得無常也。気之不襲、是謂非常、非常則変矣。帝曰:非常而変奈何?岐伯曰:変至則病、所勝則微、所不勝則甚②、因而重感於邪③、則死矣。故非其時則微、當其時則甚④也。

帝曰:善。余聞気合而有形、因変以正名⑤、天地之運、陰陽之化、其於萬物、孰少孰多、可得聞乎?岐伯曰:悉乎哉問也!天至広不可度、地至大不可量、大神靈問、請陳其方。草生五色、五色之変、不可勝視;草生五味、五味之美、不可勝極⑥。嗜欲不同、各有所通⑦。天食人以五気⑧、地食人以五味⑨。五気入鼻、藏於心肺、上使五色修明、音聲能彰⑧;五味入口、藏於腸胃、味有所藏、以養五気⑨。気和而生、津液相成、神乃自生⑩。

【注釈】①不襲:「襲」とは、踏襲・引き継ぐという意味です。五気が規律に沿って踏襲しないことは非常な現象で、人に病変を招致します。

②変至則病、所勝則微、所不勝則甚:非常な変化があったら、病気が発生する。主気所勝の変気が来れば、病気は軽い;主気所不勝の変気が来れば、病気は重い。例えば、木が主気の春に、その所勝の湿土(長夏)の気候が来れば、病気は軽い;春にその所不勝の燥金(秋)の気候が来れば、病気は重い。

③重感於邪:同時に他の邪気を感受する。

④非其時、當其時:「非其時」とは(主気の)所不勝以外の気候、「當其時」とは(主気の)所不勝の気候と理解しましょう。ただし、こちらでの話は主に相剋(所勝と所不勝)の関係です。

⑤気合而有形、因変以正名:ここの「気」は天地(陰陽)の気を指し、「形」は万物の形です。「正名」とは、名前を定めることです。天地の気が和合すると、万物が形成する。多様な変化によって万物の形態が違うから、それぞれ違う名前がある。

⑥草生五色、五色之変、不可勝視;草生五味、五味之美、不可勝極:草木が五色を現し、五色の変化は視れば視きれない。草木が五味を生じ、五味の芳醇は吟味しきれない。

⑦嗜欲不同、各有所通:(五臓が食と味に)嗜好が違う、声色臭味などはそれぞれ通じて五臓に入る。例えば、青色・酸味が肝に、赤色・苦味が心に、黄色・甘味が脾に、白色・辛味が肺に、黒色・咸味が腎に相通する。

⑧天食人以五気……五気入鼻、藏於心肺、上使五色修明、音聲能彰:天は人に五気(風・暑・湿・燥・寒)を供給する。五気が鼻から入り、心肺に蔵される。心肺の気が上昇し、五色が明潤(心主血)し、声が大きい(肺主気)。

⑨地食人以五味……五味入口、藏於腸胃、味有所藏、以養五気:大地は人に五味(酸・苦・甘・辛・咸)を供給する。五味がから入り、胃腸を経由し消化吸収される。五味の精微が五臓に注ぎ、五臓の気を養う。

⑩気和而生、津液相成、神乃自生:(五臓の)気が調和し、生化機能が正常になり、津液が生成し、自然に神(生命活動を指す)が産生する。

【説明】この節は、人体の生命活動は自然界に頼っていることを指摘しました。五色・五味が五臓に入る時に相対的な選択性(即ち、嗜欲不同、各有所通)があるという観点は、臨床で疾病に対する分析や治療に重要な意義があります。

(李)
[PR]
by jbucm | 2012-11-15 11:18 | 中医学 | Comments(0)