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『黄帝内経』筆記 蔵象学説(五)

素問・六節蔵象論篇第九⑤

【原文】帝曰:藏象何如?岐伯曰:心者、生之本、神之変①也;其華在面、其充在血脉、爲陽中之太陽、通於夏気②。肺者、気之本、魄之処也;其華在毛、其充在皮、爲陽中之太陰、通於秋気③。腎者、主蟄、封藏之本、精之処也④。其華在髮、其充在骨、爲陰中之少陰、通於冬気⑤。肝者、罷極之本⑥、魂之居也;其華在爪、其充在筋、以生血気、其味酸、其色蒼⑦、此爲陽中之少陽、通於春気⑧。脾・胃・大腸・小腸・三焦・膀胱者、倉廩之本、營之居⑨也、名曰器、能化糟粕、轉味而入出者⑩也;其華在脣四白、其充在肌、其味甘、其色黄、此至陰之類、通於土気。凡十一藏取決於胆⑫也。

【注釈】①生之本、神之変:心は君主で陽に属し、生体の存亡を主導するので、「生之本」と言い;心蔵神で全ての事の変化に応じるので、「神之変」と言います。また、一説(新校正)では、「変」は処、或は居の誤字とされました。

②陽中之太陽、通於夏気:前の「陽」は部位(胸部、下文の肺のところも同)で、後の陽(太陽)は機能特性を指します。心は火に属し、なお夏も主火するので、故に心は夏気と相通する。

③陽中之太陰、通於秋気:肺は、陽中の太陰であり、秋気と相通する。新校正では、肺は十二経の中に太陰経となっているが、秋は少陰に属すし、なお『甲乙経』や『太素』には「少陰」となっているので、「少陰」をしても良いと認識しています。

④腎者、主蟄、封藏之本、精之処也:「蟄」とは、昆虫などが蟄伏(冬眠)することを指します。ここは、蔵伏(封蔵)の意味です。腎は冬に旺盛し、精気を封蔵するところです。

⑤陰中之少陰、通於冬気:新校正では、腎は十二経の中に少陰経となっているが、陰分の中にあるので、『甲乙経』や『太素』には太陰に分属してあると指摘した。なお『霊枢・陰陽系日月篇』にも「腎は陰中之太陰」と書かれています。

⑥罷極之本:「罷極(ひきょく)」についての注釈は幾つがあり、其の一は「疲労」である(『素問呉注・巻三』)。その二は、「罷」を熊羆(ひぐま)の「羆」と同じで、「極」は雄大である(『素問呉注・巻二』に、罷は羆である。肝は将軍の官で、熊羆のように苦労をいとわず働き、故に「罷極之本」という。)いずれにしても、肝は沈黙しながら、よく働く剛臓だと理解すれば宜しいです。なお、現代の教科書に「罷極」は「罢极」となっていますが、その読み方はbajiではなく、pijiです。

⑦其味酸、其色蒼:新校正では、この六文字と下文の「其味甘、其色黄」六文字は削除しても良いと主張しています。心・肺・腎のところに書いてないし、五臓と五味・五色に関して『素問・陰陽応象大論篇』に詳しく討論してあるからです。

⑧陽中之少陽、通於春気:肝は、陽中の少陽であり、春気と相通する。新校正では、肝は膈下に居て、陰に属し、なお、春の気を主るから、少陽に属します。なお『甲乙経』や『太素』にも「陰中の少陽」と主張しています。

⑨倉廩之本、營之居:穀物(水穀精微)の倉庫、営気の居である。脾の話です。

⑩名曰器、能化糟粕、轉味而入出者:食物を盛る器のように、(水穀精微を吸収と)糟粕を化生し、飲食五味の転化(吸収と排泄)を管理する者、主に胃・大腸・小腸・三焦・膀胱の話です。

⑪凡十一藏取決於胆:「十一藏」とは、上文の心・肺・腎・肝・脾・胃・大腸・小腸・三焦・膀胱及び胆のことです。これらの臓腑が機能を発揮するには、胆気の昇発に頼る。

【説明】本節は、「人と天地は相応する」という観点から、五臓の気と四時の気が通じていること、なお五臓の機能活動と自然四時の陰陽関係を論じた。

「象」とは現象ということで、目で見える外見です。「蔵象」とは、臓腑の解剖形態だけではなく、外部で観察できる生理現象や病理現象も含まれるものです。

本篇は、各臓腑の間、及び臓腑と他の組織の間の機能活動の関連性、そして、自然環境の各種の素因と臓腑活動との関係をまとめ、臓腑を核心とする「四時五臓陰陽」の生理・病理理論システムを形成し、生命の神秘を解釈し、臨床実践に指導的な役割を果たしました。 
  

次回からは、『素問・霊蘭秘典論篇第八』を勉強しましょう。

(李)
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by jbucm | 2012-11-22 10:30 | 中医学 | Comments(0)
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