『黄帝内経』筆記 蔵象学説(十二)

霊枢・天年第五十四③

【原文】黄帝曰:其気之盛衰、以至其死、可得聞乎?岐伯曰:人生十歳、五藏始定、血気已通、其気在下、故好走①。二十歳、血気始盛、肌肉方長、故好趨②。三十歳、五藏大定、肌肉堅固、血脉盛滿、故好歩③。四十歳、五藏六府、十二経脈、皆大盛以平定、腠理始疏、栄華頽落、髮頗斑白、平盛不搖、故好坐④。五十歳、肝気始衰、肝葉始薄、膽汁始滅、目始不明⑤。六十歳、心気始衰、苦憂悲、血気懈惰、故好臥⑥。七十歳、脾気虚、皮膚枯。八十歳、肺気衰、魄離、故言善誤⑦。九十歳、腎気焦、四藏経脈空虚。百歳、五藏皆虚、神気皆去、形骸獨居而終矣⑧。

【注釈】①人生十歳、五藏始定、血気已通、其気在下、故好走:ここの「気」について、幾つの解説がありますが、『霊枢集注・巻六』の「生長の気」であるという説は相応しいと思います。人の生長は陰から生まれるので、下から上へ上がって行くから、「其気在下」という。「走」は疾趨(走る)ことです。下文の「趨」と「歩」は疾行と徐行という意味です。

十歳の少年は、五臓がある程度まで生長し、血気の運行が暢通し始めたところ、生気が下にあるから、走るのが好きです。

②二十歳、血気始盛、肌肉方長、故好趨:二十歳になると、血気が旺盛になり、筋肉も発達されるから、行動が敏捷になり、歩くのも早い。

③三十歳、五藏大定、肌肉堅固、血脉盛滿、故好歩:人生が三十歳になると、五藏の発育が完全し、全身の筋肉が堅固で、血脉が充滿させるから、余裕があり、穏やかで行きすぎや過ちがなくゆっくり歩くのが好きです。

④四十歳、五藏六府、十二経脈、皆大盛以平定、腠理始疏、栄華頽落、髮頗斑白、平盛不搖、故好坐:四十歳になると、五藏六府や十二経脈が皆盛んになって、これ以上生長できなくなる。故に腠理(肌)がぼくぼくして柔らかくなり始め、顔に艶もだんだん無くなり、白髮混じり、経気が平盛で精力が十分でなくなるから、坐るのが好きです。

⑤五十歳、肝気始衰、肝葉始薄、膽汁始滅、目始不明:五十歳になると、肝気が衰退し始め、肝葉も薄くなる、膽汁の生成も減少し、老眼が発生する。

⑥六十歳、心気始衰、苦憂悲、血気懈惰、故好臥:六十歳になると、心気が衰退し始め、よく心の中から憂愁や悲しみが湧いてくる、血気が衰弱しているから、横になることが好きです。

⑦七十歳、脾気虚、皮膚枯。八十歳、肺気衰、魄離、故言善誤:七十歳では、脾気が虚衰し、皮膚が枯れる。八十歳では、肺気が衰弱し、魄を離れる(肺蔵魄の機能が弱まる)、故に、よく誤った言葉を言います。

⑧九十歳、腎気焦、四藏経脈空虚。百歳、五藏皆虚、神気皆去、形骸獨居而終矣:九十歳では、腎気が尽き果て、他の四臓の経脈も空虚である。百歳になると、五臓が皆空虚で、神気もなくなりから、形骸だけ残し、そのうち亡くなります。

(次回へ続く)

(李)
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by jbucm | 2013-02-07 10:27 | 中医学 | Comments(0)

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