『黄帝内経』筆記 蔵象学説(十六)

霊枢・五味第五十六③

【原文】黄帝曰:穀之五味、可得聞乎①?伯高曰:請盡言之。五穀:秔米甘、麻酸、大豆咸、麥苦、黄黍辛②。五菓:棗甘、李酸、栗咸、杏苦、桃辛③。五畜:牛甘、犬酸、猪咸、羊苦、鷄辛④。五菜:葵甘、韭酸、藿咸、薤苦、葱辛⑤。五色:黄色宜甘、青色宜酸、黒色宜咸、赤色宜苦、白色宜辛。凡此五者、各有所宜⑥。

【注釈】①穀之五味、可得聞乎:五穀の性味について聞いても宜しいか?

②五穀:秔米甘、麻酸、大豆咸、麥苦、黄黍辛:「秔米(こうべい)」は、「粳米」ともいう、うるちです。「麻」は胡麻で、「麥」は小麦で、「黄黍」はもち黍です。五穀の中に、粳米は味甘、胡麻は味酸、大豆は味咸、小麦は味苦、もち黍は味辛です。

③五菓:棗甘、李酸、栗咸、杏苦、桃辛:五果の中に、棗は味甘、李は味酸、栗は味咸、杏は味苦、桃は味辛です。

④五畜:牛甘、犬酸、猪咸、羊苦、鷄辛:五畜の中に、牛は味甘、犬は味酸、豚は味咸、羊は味苦、鶏は味辛です。

⑤五菜:葵甘、韭酸、藿咸、薤苦、葱辛:「葵」は「冬莧菜」とも言い、フユアオイです。「藿」はマメ類作物の葉です。「薤」はラッキョウの鱗茎や若葉の部分を指します。五菜の中に、葵は味甘、韭は味酸、藿は味咸、薤は味苦、葱は味辛です。

⑥五色:黄色宜甘、青色宜酸、黒色宜咸、赤色宜苦、白色宜辛。凡此五者、各有所宜:五色と五味の合わせることです。五色は五臓の外栄なので、五色・五臓・五味は一定的な関係を持っています。黄色は脾土の色なので、甘味はそれを補うことができる。「青色宜酸、黒色宜咸、赤色宜苦、白色宜辛」はみんな同じ道理です。五色にそれぞれ所宜(適宜)する食物があります。『太素・巻二・調食』にこう書かれています:食養生或は疾病を治療の際、五味の相応する色を伺い、其の味を使って(其の臓を)補益するべきである。

【説明】本節は、概括的に五穀・五果・五菜・五畜の五味帰属を論述し、なお、五行の分類法で五味と五臓との関係も概括しました。酸苦甘辛咸の五味はそれぞれの臓に帰属され(五味入五臓)、五味が人体に入ると、先に帰属される臓を補益するということを指摘しました。なお、五色もそれぞれ所宜(適宜)する食物があると論述しました。

『内経』の中に五穀・五果・五菜・五畜の五味分類についての記載が数篇あり、内容が多少の違いも見られます。なお、生活の中で食べられる食物の種類が多くあり、『内経』の五味帰属はあくまでもその規則を示したものです。我々は、この理論を深く理解し、あらゆる食物や薬物の性味及びその応用を把握した上で実践するべきです。


(李)
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by jbucm | 2013-03-07 10:49 | 中医学 | Comments(0)

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