『黄帝内経』筆記 蔵象学説(十八)

【原文】肝色青、宜食甘⑤。秔米飯、牛肉、棗、葵皆甘。心色赤、宜食酸⑥。犬肉、麻、李、韭皆酸。脾色黄、宜食咸⑦。大豆、豕肉、栗、藿皆咸。肺色白、宜食苦⑧。麥、羊肉、杏、薤皆苦。腎色黒、宜食辛⑨。黄黍、鷄肉、桃、葱皆辛。

【注釈】前の文(黄色宜甘、青色宜酸、黒色宜咸、赤色宜苦、白色宜辛)と違い、ここは五臓が特殊な病理状態になった場合、その所勝(五行理論でそれが尅す方)の味が相宜(宜しい)であることを説明しました。つまり、病気の変化によって摂取するべき食物(薬物)が変わります。

⑤肝色青、宜食甘:肝臓が精血虧虚、筋脈拘急(「肝急」とも言う)の場合は、酸味だけではそれを治すことができない。甘味の緩急作用を利用するべきですが、酸甘合用することで、陰津を化生し、肝急を緩和します。『素問・蔵気法時論』に、「肝苦急、急食甘以緩之」(肝の筋脈は拘急に苦手、この場合は早く甘味のものを食べて拘急を緩和する)はこの意味です。

⑥心色赤、宜食酸:心陰不足、心気渙散(かんさん。緩むこと)の場合は、酸味で収斂すべきです。『素問・蔵気法時論』に、「心苦緩、急食酸以収之」(心はだらけることに苦手、この場合は早く酸味のものを食べて緩むことを収斂する)はこの意味です。

⑦脾色黄、宜食咸:臨床では、脾陰不足で「脾約」による便秘に、咸味滋潤のものを選びます。なお、『素問・蔵気法時論』に、「関利而胃気乃行、胃行而脾気方化」はこの意味です。腎は胃の関で、脾と胃表裏関係を持っています。故に、咸の柔軟の性質を利用し、胃の関である腎を通利する。結果的に、関利すれば胃気の通行が良い、胃気がうまく動ければ脾気が化生されます。

⑧肺色白、宜食苦:肺臓熱盛で、肺気上逆し、喘促の証に、黄芩など苦味のものを選びます。『素問・蔵気法時論』に、「肺苦気上逆、急食苦以瀉之」(肺は肺気の上逆に苦手、この場合は早く通瀉できる苦味のものを用い肺気の上逆を涌泄する)はこの意味です。

⑨腎色黒、宜食辛:腎陽虚、気化無力で、津液の化生ができず、燥証が現れる場合、辛熱のもの(例:附子・肉桂)を用い補腎陽するべきです。陽気が通じれば、津液の復帰ができ、燥証が治ります。『素問・蔵気法時論』に、「腎苦燥、急食辛以潤之」(腎は燥証に苦手、この場合は早く辛味のものを食べて干燥を潤す)はこの意味です。

(次回へ続く)

(李)
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by jbucm | 2013-03-21 10:54 | 中医学 | Comments(0)

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