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『黄帝内経』筆記 蔵象学説(十九)

霊枢・五味第五十六⑥

【説明】本節(前々回と前回の分)は、薬食の五味及び五臓病気の宜忌について色んな角度から詳しく論述しました。

これらの記載は、古代に「薬食同源」という理論の実践を反映しました。『太素・巻二・調食』にこう書かれています:「五穀・五畜・五果・五菜、これらを腹の足しにする場合、食と謂う。これらを使い、病を治療する場合、薬と謂う。例えば、脾病に粳米が宜しい、この時の粳米は薬であるが、飢えを満たせるなら、粳米は食である。故に、口から入って、身体を養うものは、みんな同じである。」

五穀・五畜・五果・五菜は人体に対して生命を維持する物質基礎でもあり、疾病を治療するにも重要な役割を果しています。故に『素問・蔵気法時論』にこう言いました:「毒藥は邪気を攻撃するが、五果は助け役、五畜は補益役、五菜は充ちる役である。気味が合えば(気味が調和であること)服用し補精益気できる。」

強調したいのですが、五味と五臓の関係について、五味は補益五臓の作用があるが、使い過ぎると五臓に害が生じることもあります。『素問・生気通天論』にはこう言いました:「陰之五宮、本在五味;陰之五宮、傷在五味。」その意味は、五臓の本は五味にあるが、五臓を傷つけるのも五味であります。故に、五味調和であることは肝心です。


五臓の五味宜忌は機体の状態及び病証の変化のよって変わります。ここで、3回に分けて、『内経』に五臓の五味宜忌に関する記載をまとめてみます。

一.肝臓の五味宜忌
一般病理:①「青色宜酸」;「肝病者、宜食麻、犬肉、李、韭」など酸味;②「肝病禁辛」(『霊枢・五味』)。肝は陰臓である、酸は肝に入り補益の作用を果せます。辛は金に属し、其の性質は散である。肝虚の場合は散が宜しくないため、故に「肝病禁辛」とされます。

特殊病理:①「肝色青、宜食甘。秔米飯、牛肉、棗、葵皆甘」(『霊枢・五味』);「肝苦急、急食甘以緩之」(『素問・蔵気法時論』)。ここは、肝陰虚証に肝臓の柔軟性が失い、筋脈が拘急し、情緒急躁して怒りっぽいなどの症状が見られます。甘味は緩和の性質があるので、甘味或は酸と甘二味を合用すると良いです。②「肝欲散、急食辛以散之;用辛補之、酸瀉之」(『素問・蔵気法時論』)。ここは肝気鬱滞証の場合の話です。気鬱なら、辛散の味を使い、行気するべきです。行気できれば、肝が「条達疏泄」できるので、故に「補」と謂う;なお、酸味は収斂の作用を利用し、辛味が辛散し過ぎないように抑制します。辛味が「補」に対して、酸味が「瀉」というのです。

禁多食酸味:①「病在筋、無食酸」(『霊枢・九鍼論』);「酸走筋、筋病無多食酸」(『素問・宣明五気篇』)。筋脈の病症は筋脈に瘀滞がるので、関節不利である。酸味を取り過ぎると、瘀滞が酷くなり、病症も酷くなります。②「酸走筋、多食之令人癃」(『霊枢・五味論』)。「癃」は「癃閉」で尿の出が悪い病証です。酸味を取り過ぎると、膀胱を束縛し小便不通になります。③「多食酸、則肉胝*(月へんに縐の右半)而唇掲」(『素問・五蔵生成篇』)。「肉胝*」は筋肉が少ないこと、「唇掲」は唇が剥がれる。酸は木味で、脾は筋肉を主し、其の華が唇にある。多食酸なら、脾土を尅するので、故に酸味を取り過ぎると筋肉が少なくなり、唇が剥がれるなどの症状を招きます。

(次回へ続く)

(李)
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by jbucm | 2013-03-28 10:11 | 中医学 | Comments(0)
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