『黄帝内経』筆記 蔵象学説(三十九)

素問・太陰陽明論篇第二十九②

【原文】黄帝問曰:太陰、陽明爲表裏、脾胃脈也。生病而異者何也?岐伯對曰:陰陽異位①、更虚更実②、更逆更從③、或從内、或從外④、所從不同、故病異名也。

帝曰:願聞其異状也。岐伯曰:陽者天気也、主外;陰者地気也、主内。故陽道実、陰道虚⑤。故犯賊風虚邪者、陽受之;食飮不節、起居不時者、陰受之。陽受之則入六府;陰受之則入五藏。入六府則身熱、不時臥⑥、上爲喘呼;入五藏則*(月へんに真)滿閉塞、下爲飧泄、久爲腸僻。故喉主天気、咽主地気。故陽受風気、陰受湿気。故陰気從足上行至頭、而下行循臂至指端;陽気從手上行至頭、而下行至足。故曰:陽病者、上行極而下;陰病者、下行極而上。故傷於風者、上先受之;傷於湿者、下先受之。

【注釈】①陰陽異位:陰は太陰脾、陽は陽明胃を指します。異位とは、二つ方面の意味があり、其の一は、経脈の循行に上行と下行の異なりを指す。其の二は、臓腑陰陽の所主の違いを指します。

②更虚更実:『太素・巻六・蔵府気液』に次のように説明しています:「春夏に陽明は実、太陰は虚であり、秋冬に太陰は実、陽明は虚である。」

③更逆更從:『素問注証発微・巻四』にこう記載しています:「春夏に太陰は逆、陽明は從である;秋冬に陽明逆、太陰は從である。これを更逆更從と言う」。春夏は陽であるので、陰盛なら「逆」となり、秋冬の場合は「從」となります;秋冬は陰であるので、陽盛なら「逆」となり、春夏の場合は「從」となります。なお、『類経・疾病類・十三』には、「逆」を病、「従」を不病と解釈しています。

④或從内、或從外:幾つの解釈があるが、『太素・巻六・蔵府気液』に、手足の三陰は内から外へ、手足の三陽は外から内へという解釈があって、こちらに従います。意味は、内から発病の場合もあれば、外から発病の場合もあり、発病の場所によって病名も異なります。

⑤陽道実、陰道虚:「陽」は胃府で陰は脾蔵のこと、「道」は規律、性質と特性を指します。『素問・五蔵別論』に書かれてある「六腑主伝導、実而不能満;五臓主蔵精、満而不能実」と同じ意味です。なお、『類経・疾病類・十三』には、「胃は三陽の属するから、天気を主る;脾は三陰に属するから、地気を主る。」また、「外邪が余るから故に胃病(陽道)は実、内傷が不足が多いから故に脾病(陰道)は虚という」と説明してあります。

⑥不時臥:「時」は「得」の誤字です。「不得臥」とは横になることができない。

【説明】本節は、太陽と陽明が生理上の区別を述べてから、発病の違いも詳しく説明しました。

(李)
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by jbucm | 2013-09-19 09:47 | 中医学 | Comments(0)

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