『黄帝内経』筆記 蔵象学説(四十一)

素問・太陰陽明論篇第二十九④

【原文】帝曰:脾與胃以膜相連耳、而能爲之行其津液、何也?岐伯曰:足太陰者、三陰也①、其脉貫胃、属脾、絡嗌。故太陰爲之行気於三陰②;陽明者、表也、五藏六府之海也③、亦爲之行気於三陽④。藏府各因其経而受気於陽明、故爲胃行其津液⑤。四支不得稟水穀気、日以益衰、脈道不利、筋骨肌肉無気以生、故不用焉⑥。

【注釈】①足太陰者、三陰也:ここの「三陰」は陰の等級を指し、厥陰が一陰、少陰が二陰、太陰が三陰とされます。

②太陰爲之行気於三陰:「之」は胃を指し、ここの「三陰」は太陰・少陰・厥陰の総称です。足太陰脾経と足陽明胃経は互いに表裏関係を持ち、功能も互いに助け合っている。脾は胃中の水穀精気を三陰に、つまり陽明の気を諸陰経に届ける。

③五藏六府之海也:胃は水穀を受納し、臓腑を灌漑するから、故に「五藏六府之海」と称される。

④亦爲之行気於三陽:「之」は脾を指し、「三陽」は諸陽経の総称です。陽明の気が脾気に頼り、諸陽経に届ける。

⑤藏府各因其経而受気於陽明、故爲胃行其津液:五藏六府は脾経に経由して胃中の水穀精気を受ける、故に「脾が胃の津液を運行できる」と言う。

⑥四支不得稟水穀気、日以益衰、脈道不利、筋骨肌肉無気以生、故不用焉:もし、四肢が水穀精気の滋養を受けられなければ、日に日に衰弱し、脈道も不通になり、骨や筋肉の再生ができず、故に正常な功能が失ってしまう。脾胃は後天之本であり、気血営衛を化生し、それを五臓六腑に灌漑し、四肢を滋養する。故に四肢の運動は脾胃の気に頼る。これは所謂『陰陽応象大論』ある「清陽実四肢」の意味です。これも「脾病而四肢不用」の機理です。

【説明】本篇は、足の太陽脾経と足の陽明胃経が共同協調し互いに助け合い、水穀津液を陰陽の諸経へ輸布し、「後天之本」とう作用を発揮することを説明しました。

所謂「脾が胃気を三陰経に運行し、胃が脾気を三陽経に運行する」は、脾と胃の表裏関係、及び脾胃の共同協調することを強調しただけです。脾は運化を主り、つまり、胃の津液を運行する。陰陽諸経が受ける全ての水穀精気が脾経に頼っています。

「脾は独立した季節に属さず、四季の末に寄旺する」に関して討論した。脾は季節を主らない。脾胃は後天之本であり、「四時に四臓を養う」。本篇は脾胃が人体の生理病理にとても重要な役割を果たしていることを強調した。これは後世医学の発展にも大きな影響を与えた。例えば、金元時代四大医家の一の李東垣氏はこの理論を基礎にして、自分の臨床実践で得た経験を加え「補土派」を形成した。彼の学説は中国医学の中脾胃に関する理論を大いに豊富にした。

先月はなかなか勉強する時間がなかったですが、いまはやっと落ち着いてきました。一ヶ月以上過ぎでしまったが、これで『太陰陽明論』の勉強を終わりにします。病気を治療の際、脾胃を重視しましょう。


では、次回からは、『素問・経脈別論篇第二十一』を勉強します。
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(李)
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by jbucm | 2013-11-20 10:00 | 中医学 | Comments(0)

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