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『黄帝内経』筆記 蔵象学説(四十三)

素問・経脈別論篇第二十一②

【原文】黄帝問曰:人之居処、動靜、勇怯①、脉亦爲之変乎?岐伯対曰:凡人之驚恐恚労、動靜、皆爲変也②。是以夜行則喘出於腎③、淫気病肺④;有所墮恐、喘出於肝、淫気害脾⑤;有所驚恐、喘出於肺、淫気傷心⑥;度水跌仆、喘出於腎與骨⑦。当是之時、勇者気行則已、怯者則著而爲病也。故曰:診病之道、觀人勇怯、骨肉、皮膚⑧;能知其情、以爲診法也⑨。

【注釈】①勇怯(ゆうきょう):二つの注釈があります。其の一は性情を指し、「勇」は勇敢、大胆であり、「怯」は弱気、胆が小さいことです。其の二は体質の強弱をさします。『素問呉注・巻七』にこういいました:「壮者を勇と謂う、弱者を怯と謂う」。

②凡人之驚恐恚労、動靜、皆爲変也:人の経脈気血は驚く・恐れる・恨む・怒る・心労・憂慮、そして動く・安静するなどそれぞれの情況に影響を受け、変化している。驚恐恚(けい)労:人の精神情志活動を指します。「恚」は恨む、怒る。「労」は心労を指し、憂慮も含まれます。

③是以夜行則喘出於腎:故に、もし夜間に長く歩き疲労して喘ぐなら、腎から出たと考える。その具体的な病機についての解釈は三つあります。其の一は『素問集注・巻四』の「腎気外泄説」です:「腎は亥子に属し腎気は閉蔵を主る、夜行すると腎気外泄するから、喘ぐが腎から出ると考える」;其の二は『素問呉注・巻七』の「腎陰損傷説」です:「腎は亥子の気を受ける、夜行すると、労骨損陰するから、腎による喘ぐがでる」;其の三は『素問釈義』の「衛気不蔵説」です:

④淫気病肺:ここの「淫気」とは、妄行で逆乱の気を指します。『素問直解・巻三』に「腎は本、肺は末、故に(腎の偏勝の)淫気が肺にあり、(肺の機能を)失常させる」と注釈しています。

⑤有所墮恐、喘出於肝、淫気害脾:落下などによる驚かれたら、肝気が擾動され、肝から喘ぎが出て、その偏勝の気は脾を侵害する。肝主筋、落下すると筋を損傷します。

⑥有所驚恐、喘出於肺、淫気傷心:驚きと恐怖による喘ぐは肺から出て、その偏勝の気は心を損傷する。『類経・疾病類・五十三』にこう解釈しています:「驚恐すると、神気が散乱する。肺蔵気、故に、喘ぎが肺から出る」。

⑦度水跌仆、喘出於腎與骨:水を渡ったり、転んだりによる喘ぐは腎と骨から出る。水湿の気は腎に通じる、なお腎主骨で、転ぶと傷骨し腎気と骨気が擾動されるからです。

⑧診病之道、觀人勇怯、骨肉、皮膚:診察の際、患者の体質の強弱や骨格・筋肉・皮膚などの変化を観察するべきです。

⑨能知其情、以爲診法也:病情を知り、それを診病の方法とします。

【説明】本節は体質の強弱、性情の勇怯、形体と精神の動静、労逸などの素因がみんな人体の経脈気血と五臓の機能活動を影響することを論述した。この理論は疾病の診断や、因人制宜・因時制宜という治療に指導的意義があります。

なお、「喘ぐ」の発生を例にして、異なる原因で発生する「喘ぐ」は異なる臓腑からでることを説明した。五臓を中心にして疾病を認識することを強調して、これも主な弁証方法の一つです。


(李)
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by jbucm | 2013-12-05 10:18 | 中医学 | Comments(0)
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