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『黄帝内経』筆記 蔵象学説(四十六) 

素問・経脈別論篇第二十一⑤

【原文】太陽藏独至、厥喘虚気逆①、是陰不足陽有余也、表裏当倶瀉、取之下兪②。陽明藏独至、是陽気重并也、当瀉陽補陰、取之下兪③。少陽藏独至、是厥気也、蹺前卒大、取之下兪④。少陽独至者、一陽之過也⑤。太陰藏搏者、用心省真⑥、五脉気少、胃気不平、三陰也⑦、宜治其下兪、補陽瀉陰⑧。

【注釈】①太陽藏独至、厥喘虚気逆:足の太陽膀胱経の経気が旺盛の場合、喘促し、虚気が上逆する。本節の「藏」は臓腑が所属する経脈を指す。従って、「太陽藏」は足の太陽膀胱経のことです。「独至」とは一経の気だけ旺盛であることで、「厥」とは上逆の意味です。

②是陰不足陽有余也、表裏当倶瀉、取之下兪:(前文の続き)これは、足の少陰腎経の経気が不足し、足の太陽膀胱経の経気が余ることだが、表裏両方を瀉するべき、それぞれの下兪穴(膀胱経の束骨穴と腎経の太谿穴)を選ぶ(『類経・脈色類・十五』の注釈、以下同)。この場合の「陰不足」は、陽邪が陰経に侵入したため、その陽邪を瀉するべきのです。

③陽明藏独至、是陽気重并也、当瀉陽補陰、取之下兪:足の陽明胃経の経気が旺盛の場合、陽明経に陽邪を感受する(『素問釈義』)ので、瀉陽補陰の治療法をするべき、それぞれの下兪穴を選ぶ(胃経の陥谷穴を瀉し、脾経の太白穴を補する)。「陽気重并」に対する解釈は『素問釈義』の注釈に従いました。他に二つの注釈がありますが、ここでは省略します。

④少陽藏独至、是厥気也、蹺前卒大、取之下兪:足の少陽胆経の経気が旺盛の場合は、厥気が上逆する。故に蹺(踝)の前(胆経が通過するところ)が卒大(突然大きく腫れる)。治療は胆経の下兪穴(臨泣穴)を選び、それを瀉する。

⑤少陽独至者、一陽之過也:少陽経脈が偏盛は、少陽の経気が余るということです。

⑥太陰藏搏者、用心省真:太陰経脈の搏動が有力の場合は、真藏脉であるかどうかを細心に観察するべき。「搏」は強い搏動を指す。「省」は観察する。王氷氏の注釈は次のようです:「もし、太陰の脈が伏鼔(搏と同じ意味)を見たら、細心に弁別して、真藏脉であれば、治療する必要がない」。なお、下文の「治其下兪」と合わせれば、ここの「太陰」は足の太陰だと考えます。

⑦五脉気少、胃気不平、三陰也:五臓の脈の経気が皆少なく、胃気も不平和であれば、足の太陰脾経の経気が余ると考える。「気少」とは、脈が無力のことを指す。なお、ここの「三陰」は足太陰脾経を指す。

⑧宜治其下兪、補陽瀉陰:その下兪穴を治療すべき、補陽瀉陰する(胃経の陥谷穴を補し、脾経の太白穴を瀉する)。

(次回へ続く)
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by jbucm | 2014-01-09 10:39 | 中医学 | Comments(0)