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『黄帝内経』筆記 蔵象学説(五十一) 

霊枢・大惑論第八十③

【原文】目者五藏六府之精也、営衛魂魄之所常営也、神気之所生也⑬。故神労則魂魄散、志意乱⑭。是故瞳子黒眼法於陰、白眼赤脈法於陽也、故陰陽合伝、而精明也⑮。目者、心使也。心者、神之舍也⑯。故神精乱而不転、卒然見非常処、精神魂魄、散不相得、故曰惑也⑰。

【注釈】⑬目者五藏六府之精也、営衛魂魄之所常営也、神気之所生也:目は五臓六腑の精気が注ぐ場所であり、営・衛・魂・魄も常に運行する場所です。故に、目は神気(生命活動と正気)の反映するところです。

⑭故神労則魂魄散、志意乱:故に精神的な疲労があると、魂魄が散乱し、意志が失常になります。

⑮是故瞳子黒眼法於陰、白眼赤脈法於陽也、故陰陽合伝、而精明也:瞳孔と黒目(肝腎の精気が注ぐ処)は陰に属し、白眼と脈管(心肺の精気が注ぐ処)は陽に属す、陰陽の精が結合し、目が見えるようになる。「合伝」とは「抎」と通じ、結合の意味で、「精明」とは正常な視覚を指します。

⑯目者、心使也。心者、神之舍也:目の視覚は心の指図であり、心は神の居所である。「目は五臓六腑の精気が注ぐ場所」と言われるが、「心は臓腑の大主である」とも言う、故に心神の変化は目に反映する。また、目が見た物も心に反映します。『類経・疾病類・八十一』に、「精神は心に統合するが、外では目にある、故に目は心の使であると言う」と説明した。

⑰故神精乱而不転、卒然見非常処、精神魂魄、散不相得、故曰惑也:神が乱れると精気が平常通りで目に注ぐことができず、突然平常でないものを見え、さらに精神魂魄が散乱し不安になる、故に惑(眩暈)が発生する。「転」について、「伝」、「抎」の誤字だという説もあるが、「回転」の意味と解釈するのも合理です。

【説明】本節(大惑論第八十①~③)の内容は、目の構造及び、臓腑との関連性を説明した。なお、邪気を感受し脳に入り「脳転」が発生すると「視岐」や「惑」が発生するメカニズムも説明した。

本節の中、目の視覚が臓腑の精気に頼ることを明確に指摘した。しかし、黒目が肝の所主で肝が蔵血し目を濡養するのに大いに役立っている。これについて、『内経』の中に肝臓の作用を強調するのは数ヶ所あります。例えば『素問・五臓生成論』に「肝が血を受けるから(目が)見える」、『霊枢・脈度』に「肝気は目に通じ、肝気が調和であれば、目が五色を弁別できる」などが書かれてあります。

なお、『素問・五臓生成論』、『素問・骨空論』、『霊枢・脈度』などの篇に、目と正経や奇経は密接な生理関係を持っていることが記載しています。故に、臨床では目の望診に通じて臓腑の虚実や邪正の盛衰などを判断するのに重要な意義があります。目の望診に関する記載も数ヶ所あります。後世の『銀海精微』に「五輪」の説の元は本節からです。

また、本節にありました「入於脳則脳転、脳転則引目系急、目系急則目眩以転矣」などは、外邪の侵入によるもので、治療の際は祛邪を先にするべきです(例えば、寒邪侵入による頭痛や眩暈に川芎茶調散を、風熱頭痛などには桑菊飲を使う)。『海論』にありました「髄海不足による脳転」と違い、後者は虚証の眩暈を指し、治療は補肝腎塡精髄を考えます。


(李)
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by jbucm | 2014-02-20 10:20 | 中医学 | Comments(0)
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