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『黄帝内経』筆記 蔵象学説(七十八)

霊枢・邪客第七十一②

【原文】黄帝問于伯高曰:夫邪気之客人也、或令人目不瞑、不臥出者、何気使然①?伯高曰:五穀入于胃也、其糟粕、津液、宗気分爲三隧②。故宗気積于胸中、出於喉嚨、以貫心脉、而行呼吸焉③。営気者、泌其津液、注之於脉、化以爲血、以栄四末、内注五藏六府、以應刻數焉④。衛気者、出其悍気之慓疾、而先行於四末分肉皮膚之間、而不休者也⑤。昼日行於陽、夜行於陰、常從足少陰之分間、行於五藏六府⑥、今厥気客於五藏六府、則衛気独衛其外、行於陽不得入於陰⑦、行於陽則陽気盛、陽気盛則陽蹻陷、不得入於陰、陰虚故目不瞑⑧。

【注釈】①夫邪気之客人也、或令人目不瞑、不臥出者、何気使然:邪気が人体に侵入したら、人が目を覚めて、眠れなくなる時がある。これは、どんな気によることですか?

②五穀入于胃也、其糟粕、津液、宗気分爲三隧:「隧」とは、通路を指します。食物が胃に入り、消化されたら、その糟粕、津液と宗気が三つの通路に分れる。『類経・疾病類・八十三』は次のように注釈しています:「隧は、道である。糟粕の道は下焦、津液の道は中焦、宗気の道は上焦である。故に分爲三隧と言う。」

③故宗気積于胸中、出於喉嚨、以貫心脉、而行呼吸焉:宗気が胸中に集まり、咽喉から出る。その作用は心脈を貫通し、肺の呼吸を推動する。

④営気者、泌其津液、注之於脉、化以爲血、以栄四末、内注五藏六府、以應刻數焉:営気は、津液を分泌して脈中に注ぎ、血に化生する。四肢まで営養を届け、中では五臓六腑に流し込み、昼夜の時刻に相応し脈に沿って流れる。

⑤衛気者、出其悍気之慓疾、而先行於四末分肉皮膚之間、而不休者也:衛気とは、水穀の気から作りだした、滑利で慓悍な気であり、休まず四肢の末端や分肉、皮膚の間に運行する。

⑥昼日行於陽、夜行於陰、常從足少陰之分間、行於五藏六府:昼は陽分に、夜間は陰分に運行し、常に足少陰腎経を起点として、五藏六府の間に運行する。衛気が夜間に蹻脈に通じて陰経に入る時も足少陰腎経からスタートするので、故に「常從足少陰之分間」と言う。

⑦今厥気客於五藏六府、則衛気独衛其外、行於陽不得入於陰:もし、厥逆の気が五藏六府に停留したら、衛気が体表だけを守れ、陽分に運行するが、陰分に入ることができなくなる。

⑧行於陽則陽気盛、陽気盛則陽蹻陷、不得入於陰、陰虚故目不瞑:『甲乙経・巻十二・第三』には「陷」は「満」の誤りであると説明しています。(衛気が)陽分だけに運行すると、陽気が盛んになり、陽蹻脈の気が充満し、衛気が通過できず、陰分に入れなくなり、陰気が虚弱する、故に人は眠れなくなる。

【説明】本節は「不得眠」の病機と、営気・衛気・宗気の化生及び功能も説明した。宗気に関しては『海論』篇を、営気の化生、運行、機能に関しては『営気』篇を、衛気の化生、運行、機能に関しては『営衛生会』篇を参照して下さい。


(李)
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by jbucm | 2014-09-18 10:35 | 中医学 | Comments(0)