『黄帝内経』筆記 蔵象学説(八十七)

霊枢・本神第八③

【原文】所以任物者謂之心⑨、心有所憶謂之意、意之所存謂之志、因志而存変謂之思、因思而遠慕謂之慮、因慮而処物謂之智⑩。

故智者之養生也、必順四時而適寒暑、和喜怒而安居処、節陰陽而調剛柔⑪、如是則僻邪不至、長生久視⑫。

【注釈】⑨所以任物者謂之心:(母体から離れたあと)生命活動を主宰するものを「心」と謂う。

⑩心有所憶謂之意、意之所存謂之志、因志而存変謂之思、因思而遠慕謂之慮、因慮而処物謂之智:心の中にまだ定まらない意念を「意」と謂う;定まった決意なお実行することを「志」と謂う;志を思考することを「思」と謂う;思考の範囲が遠くなることを「慮」と謂う;考慮してから物事を処理することを「智」と謂う。

「憶」は、追憶すると始めに出した意念という二つ意味をする。「存」は、定まり、なおそれを実行することを指す。「変」は改める、調整するという意味で、志向を達すために具体的な措置を考え、状況によって調整する過程は「思」である。「遠慕」は深思熟慮、将来を予測することを指す。「処物」とは物事を妥当に処理することを指す。               

⑪故智者之養生也、必順四時而適寒暑、和喜怒而安居処、節陰陽而調剛柔:賢い人の養生方法は、必ず四季の気候変化に従い、寒暑に適応する;喜怒過ぎなく、穏やかな日常生活をし、陰陽の偏りを控えめにして(活動の)剛柔を調節する。

ここの「陰陽」とは、男女両性、飲食の寒熱、薬物の性味、病治脈要、行動の動静などが含まれる。「剛柔」も陰陽である。「節陰陽而調剛柔」とは、養生の根本は調整陰陽であり、バランスをとることである。その意義は広くて深い。

⑫如是則僻邪不至、長生久視:これで邪気が避けられ、長寿不病での生活ができる。

【説明】本節は(前回と今回の分)神の発生、概念及び養生への意義を説明した。神・魂・魄・意・志など精神意識活動は五臓に蔵されていて、その物質的基礎は「精」であり、全ての精神意識と思惟活動は「心」と「神」に支配されることを指摘した。先人は、生命の本源は自然物質世界であることと、神識活動の物質的基礎は「精」であることを闡明し、唯物論の観点から解説された。これは中医学がいまだに存在できることの重要な前提である。

なお、神識には神・魂・魄・意・志が含まれるが、魂・魄・意・志が神から派生されたものであることも説明した。
各種の神識活動の概念(故生之來謂之精、兩精相搏謂之神、隨神往來者謂之魂、並精而出入者謂之魄。所以任物者謂之心、心有所憶謂之意、意之所存謂之志、因志而存変謂之思、因思而遠慕謂之慮、因慮而処物謂之智)、養生の理論原理(順四時而適寒暑、和喜怒而安居処、節陰陽而調剛柔)も明確にした。

(李)
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by jbucm | 2014-12-18 10:30 | 中医学 | Comments(0)

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