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『黄帝内経』筆記 蔵象学説(八十八)  

霊枢・本神第八④

【原文】是故怵惕思慮者、則傷神、神傷則恐懼、流淫而不止①。因悲哀動中者、竭絶而失生②。喜樂者、神憚散而不藏③。愁憂者、気閉塞而不行④。盛怒者、迷惑而不治⑤。恐懼者、神蕩憚而不收⑤。

【注釈】①是故怵惕思慮者、則傷神、神傷則恐懼、流淫而不止:「怵(じゅつ)」とは、恐れる、びくびくすることです。「惕(てき)」とは、驚くことです。「流淫不止」とは、腎気不固で遺精するなどを指す。驚恐は傷腎し、思慮は傷脾する、脾腎両傷すると、先天と後天の精が共に損傷される。臨床では、おじけるによって滑精するケースが見られる。訳文:驚恐と思慮し過ぎるものは、心神が損傷される、神傷で恐れるから、遺精などの現象がたびたび現れる。

②因悲哀動中者、竭絶而失生:「中」は五臓を指す。「動中」は、五臓の気が動揺する。下文の「肝悲哀動中則傷魂」と合わせて見ると、悲哀は傷肺し、金病が乗木して、肝病が発生し少陽生発の気が竭絶することが理解できる。

③喜樂者、神憚散而不藏:「憚散」とは散漫することです。喜は心から発生し、樂は外へ散漫する。暴喜では傷陽し、故に神気が閑散され収まらなくなる。

④愁憂者、気閉塞而不行:憂愁では気結が起こり、気機の昇降が不暢になるから、脾の意を損傷する。故に臨床では、憂愁による腹脹や消化不良などの証が見られる。

⑤盛怒者、迷惑而不治:「不治」とは、(理性が)乱れることで、物事を妥当に処置できない状態を指す。盛怒が止まらないと、腎の志が損傷される。つまり、激怒すると気逆が起こり、ひどい場合は乱れてしまい、昏迷に陥る可能性がある。

⑥恐懼者、神蕩憚而不收:「蕩憚」とは動揺散漫して不安な状態を指す。下文の「恐懼而不解則傷精」と合わせて見ると、恐懼では動揺不安が起こり、精気が守られなくなることが理解できる。つまり、未来のことへ対して恐怖で慌てる場合も神気(精気)が閑散され収まらなくなり、遺精の症状が見られる。

 
【説明】本段は情志が過激或は解除されないと、五臓の機能が失調を引き起こすことを説明した。本篇の最初にあった「魂魄飛揚、志意悗恍乱、智慮去身者、何因而然乎?」という質問を答えた。つまり、この原因は自然の災難ではなく、人為的な過ちであることを明確にした。七情が疾病に対して重要であることが強調した。これは、現代医学の「身体の病変に精神的素因も存在する」という認識と一致している。

『素問・陰陽応象大論』に「怒傷肝、悲傷肺、喜傷心、思傷脾、恐傷腎」という五志傷五臓の記載があったが、本文では、五行相乗相侮の理論を運用し、「悲哀動中が傷肝魂」、「盛怒不止が傷腎志」などを説明し、情志による病証も複雑であることを説明した。

(李)
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by jbucm | 2015-01-08 10:31 | 中医学 | Comments(0)
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