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『黄帝内経』筆記 病因病機学説(九) 

素問・生気通天論篇第三⑨

【原文】陰之所生、本在五味;陰之五宮、傷在五味①。是故味過於酸、肝気以津、脾気乃絶②。味過於咸、大骨気労、短肌、心気抑③。味過於甘、心気喘滿、色黒、腎気不衡④。味過於苦、脾気不濡、胃気乃厚⑤。味過於辛、筋脈沮弛、精神乃央⑥。是故、謹和五味、骨正筋柔、気血以流、腠理以密、如是則骨気以精⑦、謹道如法、長有天命⑧。

【注釈】①陰之所生、本在五味;陰之五宮、傷在五味:陰精の源は飲食五味である;貯蔵陰精の五臓は、五味(の不適切な摂取)による損傷がある。「五宮」とは、五臓のことである。

②味過於酸、肝気以津、脾気乃絶:酸味を摂取し過ぎると、肝気が溢れて亢盛する、脾気衰弱を引き起こす。『素問釈義』では「肝の性質は昇散であり、酸味が肝経に入り、収斂を主る、肝気が収斂し過ぎると鬱になる、脾土を相乗する」と言っている。

③味過於咸、大骨気労、短肌、心気抑:咸味を摂取し過ぎると、骨格を損傷し、筋肉が短縮して、心気が抑制される。『素問集注・巻一』では「咸味を過食すると傷腎し、水邪盛で侮土し、故に筋肉が短縮する。水気凌心だから心気が抑鬱となる」と言っている。

④味過於甘、心気喘滿、色黒、腎気不衡:苦味(『太素・巻三・調陰陽』によると、「甘」は「苦」である)を摂取し過ぎると、心気が満悶して動悸が発生する;顔色が黒くなり、腎気のバランスが崩れる。心火不足なので腎水が相乗する、故に腎気が消耗し過ぎでバランスが崩れる。

⑤味過於苦、脾気不濡、胃気乃厚:甘味(『太素・巻三・調陰陽』によると、「苦」は「甘」である)を摂取し過ぎると、脾気が濡潤し過ぎで湿盛となり、(『太素・巻三・調陰陽』によると、「不」は誤字である)、胃気壅滞になる。

⑥味過於辛、筋脈沮弛、精神乃央:辛味を摂取し過ぎると、筋脉が緩くなり、精神も傷つけられる。辛味は肺経に入るから、辛味と過食すると肺気乗肝して、肝が主る筋脉が緩くなる。「央」とは尽きる、終わるという意味である。辛は散気するので精神も傷つけられる。

⑦謹和五味、骨正筋柔、気血以流、腠理以密、如是則骨気以精:慎重に五味を調和すれば、骨格が丈夫になり筋脉が柔和になる、気血が通暢し腠理が緻密となる。こうすると、骨格や気血などが健康である。「骨気」とは上文にある骨・筋・気・血・腠理の総称である。

⑧謹道如法、長有天命:故に、養生の「道(どう)」を重視しかつ正確な方法で養生すれば、生命力が長期間保たれ、天命まで生きられる。ここの「道」と「法」とは、「謹和五味」など養生の法則を指す。「天命」とは自然の寿命である。

(続く)

(李)
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by jbucm | 2015-07-23 10:31 | 中医学 | Comments(0)
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