詩経

こんにちは、周です。今回は「詩経」の話です。

「詩経」は孔子が編集したと伝えられる中国最古の詩歌集であります。この詩歌集は、最初は単に「詩」「詩三百」と称されていましたが、のちになって儒家経典に一つに揚げたところから、「詩経」と呼ばれるようになりました。同書は風(国風、民謡、恋歌など)・雅(雅楽、大雅と小雅に分かれる)・頌(祭祀に用いる神楽歌の歌詞、周頌と魯頌と商頌に分かれる)の三部分に分かれ、風の数量は最多(160篇)であります、収録された詩歌は全部で305篇にも及んでいます、古人は整数をとって「詩三百」と呼びます。「詩経」の中には、古代(周代)歴史の研究に欠かせない貴重な内容を数多く含まれ、世界文化史上にも計り知れない価値が有しています。「詩経」は包羅万象(内容が充実しておりあらゆるものを網羅している)の百科全書でもあり、今日に至るまで変わることがなく高い評価を受けています。

「詩経」には、多くの植物・動物の性状・産地・採集方法・食用季節などが収録・記載されています。これらの植物・動物のうち、百種以上は後世の本草学(薬用植物学)に転載され、薬用と認められています。例えば芣苡(車前子―オオバコ)、葛(葛根―クズの根)、薇(白薇―フナバラソウ)、芩(黄芩―コガネバナ)、勺薬(芍薬)、棗(ナツメ)。
また、古代の疾病に関する病名や証候も記事もあります。例えば痡(疲れて歩行不能)、瘨(癲狂―精神病)、噎(むせぶ)、曚(視力がよくない、はっきり見えない)、瞽(目が見えない人、盲人)。
衛生保健・環境衛生・害虫駆除に関しても記載があります。例えば髪曲局(固く束ねた婦人の髪型)、薄言帰淋(帰宅して髪を洗う)、洒掃(水を撒いて箒で掃く)、洒掃庭内(庭内に洒掃)、穹窒熏鼠(部屋を片付けて煙で燻して鼠を駆除する)。
このように、「詩経」は医薬著作ではないものの、医薬・保健・衛生に関する記述が少なくありません。

名前は「詩経」由来の一人・2015年のノーベル医学生理学賞屠呦呦(トゥ・ヨウヨウ)を紹介します。
屠呦呦の父親が生まれた我が子の泣き声を聞き、「呦呦鹿鳴、食野之蒿」(ユーユーと鹿は鳴く、野の蒿を食べる)を詠唱して呦呦と名付けました。屠氏の名前は、2000年以上前の中国古典・詩経と繋がっています。詩の続き「我有嘉賓、徳音孔昭」は、予め屠呦呦がノーベル受賞することを示します。偶然かもしれませんが、なんとも興味深いとこではないでしょう。
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by jbucm | 2016-01-11 09:30 | 中国の話 | Comments(0)

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