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『黄帝内経』筆記 病因病機学説(二十)  

霊枢・百病始生第六十六④

【原文】是故虚邪之中人也、始於皮膚、皮膚緩則腠理開、開則邪從毛髮入、入則抵深、深則毛髮立、毛髮立則淅然、故皮膚痛①;留而不去、則伝舍於絡脈、在絡之時、痛於肌肉、其痛之時息、大経乃代②;留而不去、伝舍於経、在経之時、洒淅喜驚③;留而不去、伝舍於輸、在輸之時、六経不通四肢、則肢節痛、腰脊乃強④;留而不去、伝舍於伏衝之脈、在伏衝之時、體重身痛⑤;留而不去、伝舍於腸胃、在腸胃之時、賁響腹脹、多寒則腸鳴飧泄、食不化、多熱則溏出麋⑥;留而不去、伝舍於腸胃之外、募原之間、留著於脈、稽留而不去、息而成積⑦。或著孫脈、或著絡脈、或著経脈、或著輸脈、或著於伏衝之脈、或著於膂筋、或著於腸胃之募原、上連於緩筋、邪気淫泆、不可勝論⑧。

【注釈】①虚邪之中人也、始於皮膚、皮膚緩則腠理開、開則邪從毛髮入、入則抵深、深則毛髮立、毛髮立則淅然、故皮膚痛:虚邪賊風が人体に侵入する場合は、先ず皮膚を侵す、これは、皮膚が弛緩して腠理が開いているから、邪気が毛孔から深い所まで侵入してしまう。この時は毛髮が立ち、寒がって身体が震える、皮膚が痛む。

②留而不去、則伝舍於絡脈、在絡之時、痛於肌肉、其痛之時息、大経乃代:邪気が溜って除去されなければ、段々絡脈まで入り、この時は筋肉が痛む、もしこの痛みが止んだりすれば、邪気が経脈へ伝入する徴候である。

③留而不去、伝舍於経、在経之時、洒淅喜驚:邪気が(絡脈に)溜って除去されなければ、経脈に入り、この時は寒々として悪寒や、びくびくとする症状が出る。

④留而不去、伝舍於輸、在輸之時、六経不通四肢、則肢節痛、腰脊乃強:邪気が(経脈に)溜って除去されなければ、輸脈に入り、この時は、六経の気が邪気に阻まれ、四肢に到達できず、故に四肢関節が痛む、腰や背骨が凝る。「輸」について、『類経・疾病類・二』、『注証発微』では輸穴であると指摘し、『霊枢集注・巻八』では気血の輸送する経脈であると指摘しているが、皆明確ではない。楊上善氏では、輸脈であり、ここは足の太陽経を指すと認識し、「輸脈は足太陽脈で、五臓の府の輸を司る」と言っている。足太陽経は頭部から下り、脊を挟んで腰中に入る、六経の兪穴が皆太陽経にあるため、故に「六経不通四肢、則肢節痛、腰脊乃強」となる。

⑤留而不去、伝舍於伏衝之脈、在伏衝之時、體重身痛:邪気が(輸脈に)溜って除去されなければ、脊中の衝脈に入り、この時は身体が重たく痛むなどの症状が出る。「伏衝之脈」は衝脈の脊中の部分を指す、衝脈の他の部分より深い。

⑥留而不去、伝舍於腸胃、在腸胃之時、賁響腹脹、多寒則腸鳴飧(そん)泄、食不化、多熱則溏出麋:邪気が溜って除去されなければ、さらに腸胃に入って伏せる、この時は、腸鳴腹脹がする、寒邪が多い場合は、腸鳴し、不消化のものを瀉下すし、食べたものが消化しない、熱邪が多い場合は、瀉痢などが発生する。

⑦留而不去、伝舍於腸胃之外、募原之間、留著於脈、稽留而不去、息而成積:邪気が(腸胃に)溜って除去されなければ、腸胃の外にある膜原の間に入り、血脈に滞留し、除去できなければ、気血と相互凝結し、積となる。

⑧或著孫脈、或著絡脈、或著経脈、或著輸脈、或著於伏衝之脈、或著於膂筋、或著於腸胃之募原、上連於緩筋、邪気淫泆、不可勝論:纏めると、邪気が人体へ侵入した後、孫脈、絡脈、経脈、輸脈、伏衝の脈、筋肉、腸胃の募原、緩筋などに溜まったりする。邪気が浸淫氾濫し、言い尽くせない。「緩筋」は足陽明経の筋のことである。

(続く)

(李)
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by jbucm | 2016-01-28 10:54 | 中医学 | Comments(0)