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『黄帝内経』筆記 病因病機学説(二十一)

霊枢・百病始生第六十六⑤

【説明】本段(全回の分)は外感病の一般的な伝変規律及びその機理を論述し、そして、早期治療が内伝予防の重要手段であると提示している。外邪が人体へ侵入する際、一般的に皮膚→絡脈→経→輸→伏衝の脈→腸胃→腸胃の外、募原の間、血脈の中という順である。外邪が段々深く入る機理は、正気が邪気に勝たず、邪気が停留し、除去できない。

 『内経』に疾病の伝変に関しては、本篇の他に『素問・皮部論』、『素問・繆刺論』、『霊枢・刺節真邪』なども論述している。合わせて勉強すると良いでしょう。但し、注意しなければならないのは2つある。その一は、上記の論述は、皆外感病の一般的な伝変過程であり、このほかに六経伝変や内傷雑病の五行生克伝変、表裏の臓腑伝変、組織の病変が関連する臓腑へ影響するなどがある。その二は、外感病伝変の一般的規律のほかに、特殊な伝変もある。疾病の発生と変化は病因、病性、病位、時間、気候、体質、そして治療情況など多種の素因に係わり、固定不変のモードはない。これに関して『素問・玉機真蔵論』に論述があり、なお『傷寒論』や『温病学』などにも記述している。これらは、『内経』の病伝理論を発展させたものである。
 
なお、本段では虚邪が人体の異なる部位に侵入した場合の病証及びその機理についても例を挙げて説明した。次のように纏めておきます。

病邪が表から裏へ、浅い部分から深い部分へ伝変する。
部位     病証         機理
皮毛    悪寒戦慄       衛外不固
      皮膚疼痛       気血凝滞
絡脈    肌肉疼痛       絡脈阻滞
      時痛時息       邪が絡から経へ
経     洒淅悪寒       邪猶在表(表にあると同じ)、衛陽受損
      時時驚恐       経気が臓と繋がり、神気が擾乱される
輸     肢節疼痛       六経の気が阻まれ、四肢末端へ届かず
      腰脊強硬       足太陽経の経気不利
伏衝の脈  体が重く、身痛    邪居血海、身体を養えず
腸胃    腹脹腸鳴(気滞水停) 
       腸鳴飧泄、食不化   寒湿内停
        熱瀉痢疾        湿熱下注
腸胃の外  
(募原の間、   積       邪着脈中、気滞血瘀が互結
血脈の中)


(李)
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by jbucm | 2016-02-04 10:18 | 中医学 | Comments(0)