『黄帝内経』筆記 病因病機学説(二十二) 

霊枢・百病始生第六十六⑥

【原文】黄帝曰:願尽聞其所由然。岐伯曰:其著孫絡之脈而成積者、其積往來上下、臂手孫絡之居也、浮而緩、不能句積而止之、故往來移行①;腸胃之間、水湊滲注灌、濯濯有音、有寒則* *(月へんに真)滿雷引、故時切痛②。其著於陽明之経、則挾臍而居、飽食則益大、飢則益小③。其著於緩筋也、似陽明之積、飽食則痛、飢則安④。其著於腸胃之募原也、痛而外連於緩筋、飽食則安、飢則痛⑤。其著於伏衝之脈者、揣之應手而動、発手則熱気下於両股、如湯沃之状⑥。其著於膂筋、在腸後者、飢則積見、飽則積不見、按之不得⑦。其著於輸之脈者、閉塞不通、津液不下、孔竅乾壅、此邪気之從外入内、從上下也⑧。

【注釈】①其著孫絡之脈而成積者、其積往來上下、臂手孫絡之居也、浮而緩、不能句積而止之、故往來移行:邪気が孫絡に停留してから形成した積は、上下に往来できる。これは、孫絡が浅い部位にあり、しかも緩んでいて、積を固定できないから、積が往来移行できるわけである。『甲乙経・巻八・第二』によると、「臂手」は「擘乎」の誤り、「辟」と通じる。「句」とは「拘」であり、制限するという意味である。

②腸胃之間、水湊滲注灌、濯濯有音、有寒則 * *(月へんに真)滿雷引、故時切痛:腸胃の間に、水が滲出されたら、「濯(たく)濯」という音を発し、寒があれば、腹脹腸鳴がして、腸が牽引されるから、時々激痛する。「* *(月へんに真)滿」について、『甲乙経・巻八・第二』は「腹*(月へんに真)滿」の誤りで、腹部の脹満という意味と注釈している。「雷」は腸鳴、「引」は収引で、「切痛」は激痛である。

③其著於陽明之経、則挾臍而居、飽食則益大、飢則益小:邪気が陽明経に停留してから形成した積は、臍の両側に定着し、満腹の時に大きくなり、空腹の時に小さくなる。

④其著於緩筋也、似陽明之積、飽食則痛、飢則安:緩筋に形成した積は、その形態と表現は陽明経の積に似ていて、満腹の時に痛くなり、空腹の時は痛くない。「緩筋」は筋肉の間にあるため、満腹の時圧迫されるから、痛くなる。

⑤其著於腸胃之募原也、痛而外連於緩筋、飽食則安、飢則痛:腸胃の募原に形成した積は、疼痛の時に外側の緩筋に繋ぐため、満腹の時は痛くないが、空腹の時に痛くなる。

⑥其著於伏衝之脈者、揣之應手而動、発手則熱気下於両股、如湯沃之状:伏衝の脈に停留形成した積は、手で当てると搏動を感じる、手を離すと熱い気流が両太股の間まで下行し、熱湯に浴びられたように感じる。

⑦其著於膂筋、在腸後者、飢則積見、飽則積不見、按之不得:膂筋に形成した積は、胃腸の後方にあり、空腹時に積の形が見える、満腹の時は見えないし、手で触っても積を感じない。

⑧其著於輸之脈者、閉塞不通、津液不下、孔竅乾壅:輸脈に形成した積は、脈道の中を塞ぎ、津液が上下流動できず、毛孔が乾渋で壅塞される。

⑨此邪気之從外入内、從上下也:これらは、邪気が外部より侵入してから内部まで入り、身体の上部から下部まで伝変する臨床表現である。

【説明】本節は、多種の積証の病機と病証を紹介し、中医の弁証論治に根拠を提供している。

邪気がいろんな部位に停留することによって、各種の積証が形成すし、その臨床表現は異なる。これらを弁別できれば、適切な治療方法を採用できる。例えば、活血化瘀、理気化痰、温中散寒などである。

なお、『内経』の中に「積」を論述した篇が多くあり、例えば、『素問・五蔵生成篇』、『平人気象論』、『腹中論』、『四時刺逆従論』、『奇病論』、『霊枢・水脹』、『刺節真邪』などがある。合わせて勉強することを薦めます。

(李)
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by jbucm | 2016-02-18 11:08 | 中医学 | Comments(0)

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