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by jbucm

気血津液と臓腑の話⑲

こんにちは。今回は、臓腑弁証の意味と内容を紹介しましょう。

 臓腑弁証とは、臓腑の生理活動、病理特長を認識した上で、疾病によって反映される臨床症状、検査所見等を総合的に分析し、そこから疾病が存在する臓腑病位およびその具体的な病理体質を推断する一種の弁証方法です。
 
 臓腑弁証は臨床診断の基本で、臨床各科弁証の基礎であり、全弁証体系の重要な構成部分でもあります。臓腑弁証は八網弁証をさらに深めたもので、病変所在の臓腑位置とその病因と病性を具体的に弁別し、そこから治療に確実性をもたせます。
 
 臓腑病証は臓腑の病理変化が外に反映された客観徴象です。どの臓腑にも独自の生理活動があり、各臓器組織間には一定の法則があります。臓腑に病変が生じると、臨床に反映される症状は様々となりますが、その相互の影響、伝変には一定の法則がある為、臓象学説は臓腑弁証の理論的根拠となります。
各臓腑の生理機能と関係法則を熟知し、また各臓腑の病理特長を熟知してはじめて、弁証時、かなり正確に疾病の臓腑、病情把握の全局を区分することができます。これは臓腑弁証を学習し、把握する基本です。

 例えば咳嗽、気喘等の症は肺主宣発にもとづき、気を主り、呼吸を司る生理機能と肺性粛降の生理的特徴をもっています。従って、その病変部位は肺にあり、その基本病理は肺失宣降であると判断されます。
また、臓器組織間の関係法則に基づき、腰痛、耳鳴等は腎虚ではないかと推知でき、目の患は多く肝から論治します。脾気虧虚は心血虧虚、血不養神等を招く事があります。従って、臓腑病理を学び、臓腑生理を復習してそれらを結びつけ、相互に照合して、理解を深めることができます。

 臓腑弁証は疾病している臓腑病位を判断することで満足するのでなく、臓腑病位上のいろんな証候を分弁すべきで、実際には各種弁証を総合的に運用します。従って、風、火、痰、湿等の病因、寒、熱、虚、実等病性の特長、主な表現等を明確にすることが臓腑弁証の学習と運用にとって不可欠です。例えば主病が動悸であれば、病位は心にあることを示しているが、心の気、血、陰、陽の変化或いは火、痰、瘀、寒等の邪気が心に滞っているなど、みんな動悸を招くことができます。患者の全身症状に基づき、その病因病性を分析してはじめて、心の何という証候に属すのか、確実に診断が下されます。従って、臓腑弁証と病因弁証、気血津液弁証の間には互いに交わった「縦」と「横」の関係がありあす。臓腑病位の弁別を網として、その異なる病理性質を区分するだけでなく、病因病性を分析し、臓腑それぞれの病変の特長に立って臓腑病位を確定しなければなりません。
 
 臓腑病の病変は複雑で証候も多種多様なので、臓腑弁証の内容はきわめて豊富であり、ここで紹介するのは、臨床上常見される、典型的な証候です。また、各臓腑の生理特徴とその臓腑の病証を順次に紹介したいと思います。
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by jbucm | 2008-03-21 09:15 | 中医学 | Comments(0)