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気血津液と臓腑の話(23)

心血虚:心血が不足、血失濡養(じゅよう)により現れる証候です。

【臨床表現】:動悸、頭暈、健忘、多夢、顔色淡白か萎黄、唇舌の色が淡、脈は細弱

【証因分析】:失血、労神等による血液の耗傷或いは脾気虚弱、生化源不足による心血虧虚(ききょ)等が心血虚証を招きます。血虧により心が養を失うため、動悸となります。血不養神なので健忘、多夢があります。血が頭に上栄しないため、頭暈、面白無華(顔につやがないことです)、唇舌色淡を見ます。血少で脈管は充足されないから、脈は細く無力となります。

心陰虚:心陰虧損(きそん)、虚熱内擾(ないじょう)による証候です。

【臨床表現】:動悸、心煩、失眠、多夢、或いは五心(両手の平、両足の裏と心窩部)煩熱、盗汗、午後の潮熱、ほほの赤み、舌紅少津、脈細数。

【証因分析】:労神過多のため陰液が暗耗される、長く続く思慮によって陰陽が失調する、熱病によって陰津が損傷消耗される、肝腎等他の臓の陰液が虧損されるなど、さまざまな原因で心陰虚証を招きます。証候は、一に心神不寧の症状が強いことで、二に全身に陰虚陽亢があることです。心陰虧少、心失濡養で虚陽偏亢、擾乱心神なので、動悸、心煩失眠、多夢等の心神不寧、神不守舎の症状があります。陰虚なので、五心煩熱、潮熱盗汗、舌赤顴紅、脈細数等を見ます。

心火亢盛:心火熾盛による実熱の証候です。

【臨床表現】:動悸、失眠、面赤、口渇、尿黄、便結、舌先紅、苔黄、脈数。口舌が赤くただれて痛む。吐血衄血、場合によっては狂燥譫語。

【証因分析】:火熱の暑邪が侵入する、辛熱の物の過食、温補の薬物の過量服用等が、心火亢盛証を招きます。心煩、失眠、舌先紅、脈数等は心火内熾、心神擾乱の一般的証候です。心の華は顔にあり、舌は心の苗なので、心火が上炎すると面赤、口舌が赤くただれて痛むなどの症状が現れます。心火熾盛で心神を擾乱するので、軽い場合は煩燥、失眠、酷くなると狂乱し、譫語、神昏を見ます。心火迫血妄行すると、面赤、舌紅、脈数等の他に、場合によっては吐血、衄血、尿血等脈絡損傷による動血の一連の証候が出てきます。

心陰虚証と心火亢盛証は、両方とも熱証ですが、前者は虚熱の証で、後者は実熱の証です。区別しなければなりません。

心と小腸の病証を2回で話そうと思っていましたが、内容が多いので続きは次回にいたしましょう。


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by jbucm | 2008-04-18 09:08 | 中医学 | Comments(0)