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カテゴリ:中医学( 461 )

『黄帝内経』筆記 病因病機学説(二十八)  

霊枢・賊風第五十八④

【原文】黄帝曰:今夫子之所言者、皆病人之所自知也。其毋所遇邪気、又毋怵惕之所志、卒然而病者、其故何也?唯有因鬼神之事①?岐伯曰:此亦有故邪留而未発、因而志有所悪、及有所慕、血気内乱、両気相搏②、其所從來者微、視之不見、聽而不聞、故似鬼神③。黄帝曰:其祝而已者、其故何也?岐伯曰:先巫者、因知百病之勝、先知其病之所從生者。可祝而已也④。

【注釈】①今夫子之所言者、皆病人之所自知也。其毋(む)所遇邪気、又毋怵惕(じゅつてき)之所志、卒然而病者、其故何也?唯有因鬼神之事乎:先生が言っているのは皆病人が知ることができるものである。外来邪気の侵入もなければ、驚くや恐怖など情志による刺激もなく、突然発病する人もいる、それは何故?ただ鬼神によるものなのか?

②此亦有故邪留而未発、因而志有所悪、及有所慕、血気内乱、両気相搏:これも故邪が体内に停留し発病しなかったものである。情志の変化によって悪化、或は慕情を抱いているが遂げない、体内の気血が逆乱を引き起こし、体内に潜伏してある故邪と結び合い、病変が起こる。

『霊枢注証発微・巻七』の注釈:「両気相搏」の「両気」とは、体内に稽留し発病してない故邪と情志波動による血気逆乱のことである。

③其所從來者微、視之不見、聽而不聞、故似鬼神:これらの内在変化はとても微細で察知しにくく、見ることも聞くこともできないから、鬼神によるものに似ている。

④其祝而已者、其故何也?先巫者、因知百病之勝、先知其病之所從生者。可祝而已也:鬼神によるものでなければ、なぜ「祝由」の方法で治療できるの?古代の巫術者は、病気の治療方法と、その病気が発生した原因が事前に知っているから、「祝由」の方法でその病気を治せる。

「百病之勝」とは、主に各種疾病の治療方法を指す。

「祝由」について、呉鞠通が曰く:「祝由」二字は『素問』に出たものである。「祝」は告げる、「由」は病気の由来である。「巫家」を「祝由科」とし、十三科の一つとなる。『内経』では、「巫」が医科でないと否認しているが、われは凡そ内傷病を治療する際、必ず患者に病気の由来を先に詳しく告げる、患者がそれを知ることで病気の再発することが防げる……現代では、「祝由」の方法は主に精神情志による疾病の治療に用いられる。

(続く)

(李)
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by jbucm | 2016-05-30 10:25 | 中医学 | Comments(0)

羅漢果

こんにちは、周です。今回は生薬―羅漢果の話です。

羅漢果は、ウリ科の多年草つる性植物で中国の特定地域のみ栽培されています(のちに説明します)。生の羅漢果を日本で目にすることはできませんが、店頭で目にするのは全て乾燥羅漢果で茶褐色をした直径5㎝前後のボール状のものです。仮苦瓜とも呼ばれます。性味は甘涼で、肺・脾経に帰経します。清肺利咽・潤腸通便作用があります。百日咳・痰火咳嗽・咽喉腫痛・血燥胃熱・大便乾結不通に用いられます。
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現代栄養学では、羅漢果には砂糖の300倍の甘みをもち、甘味の成分はテンペングルコシド配糖体というものであることを証明しました。このテンペングルコシド配糖体は水溶性の食物繊維で体内では吸収されにくいためカロリーはゼロで、しかも満腹感が得られます。血糖値も上がらないので、糖尿病患者の理想食品とされています。羅漢果はカリウムやりん、カルシウム、鉄分等のミネラルが豊富です。最も注目すべき点は、強い抗酸化作用です。この抗酸化作用とは体内の活性酸素を除去する働きのことで、体内で過剰になった活性酸素を除去し病気を防いでくれます(活性酸素が過剰になると老化促進、癌、高脂血症、動脈硬化、心疾患、アレルギー、喘息、炎症、パーキンソン病、膠原病、認知症等の原因とされています)。

羅漢果の由来を紹介します。
大昔、ある瑤族の樵夫(木こり人)の母親は咳喘(病)を患い、治療されても効果がありません。親孝行の樵夫は母親の病状を心配していました。ある日、彼は仕事のため入山しました、木を切る際、腕が蜂に刺されて・赤く腫れて来て痛くなりました。その時、丁度傍に青藤(青いつる、のちに羅漢果と呼ばれるもの)に実っている果実をとって味見し(その果実は香がよく、甘くて美味しかった)、噛んで刺し傷につけました。暫くすると、腕の赤腫は緩和できました。下山する時、母親に食べてもらうので、その果実を持ち帰りました。そうすると、その果実を食べた母親の咳喘は良くなりました。ある郎中(中医師)は、この事を聞いた後、その果実を研究・実践して消炎止痛・清熱解毒・止咳利咽作用があることを発見しました。郎中の名前は「羅漢」と言いますので、その果実を「羅漢果」と呼ばれるようになりました。

附:
羅漢果は中国南方の広西壮族自治区・桂林周辺でしか育ちません。つまり、羅漢果の生育環境条件としては降雨量が多く、日照時間が短く、昼夜の温度差が大きく、水はけの良い土地という要素を全て満たした土地が必要です。これらの要素を全て満たしている唯一の土地が桂林周辺の土地です。しかも桂林一帯は太古の時代に海が隆起してできた土地のため海水のミネラル成分を多く含み、これが羅漢果の薬効を高めている原因の一つでもあります。
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by jbucm | 2016-05-23 09:30 | 中医学 | Comments(0)

『黄帝内経』筆記 病因病機学説(二十七) 

霊枢・賊風第五十八③

【説明】(3月24日の分)本段は、故邪が体内に稽留すると新邪を感受し発病し易いという発病学観点を提出し、正気不足が発病の根本であることを強調している。

原文では、体内に存在し発病してない邪気を「故邪」称している。こう言う「故邪」が体内稽留して一時的に発病しない、その主な原因は身体に正気がまだ充分である。しかし、時間が経つと正気が段々損傷され、他の邪気を感受し易くなる。だから、突然過度な喜怒、不適切な飲食を摂る、突然の気温変化などがあったら、新邪を感受して、病気を誘発してしまう。これらの論述は、臨床で問診の際、病歴を詳しく聞くことの重要性を示した。多方面から発病の原因とその内在関連性を探り出し、明確に弁証することで、正確な治療ができるわけである。

なお、本段は寒痺の原因(宿邪の湿気、瘀血と新邪の風寒)と病機(血気凝結、経絡閉阻)を説明している。これらの内容に関しては、『金匱要略・血痺虚労』にも詳しく論述している。


(李)
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by jbucm | 2016-05-16 10:10 | 中医学 | Comments(0)

中医名言―「不治已病治未病、不治已乱治未乱」

こんにちは、周です。今回は中医名言―「不治已病治未病、不治已乱治未乱」を紹介します。

出典:《素問・四気調神大論》
医者は(治病する際)病気になってから治療ではなく、発症する前の段階で予防しなければなりません。これは治国と同じ道理でありますー動乱の防止が大切です。動乱を平定するという策は下策であります。

これは中国の最初の予防医学思想で、2000年前の中医学は「防重於治」(治療より予防のほうが重要である)の重要性を認識しています。
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by jbucm | 2016-05-09 09:09 | 中医学 | Comments(0)

2016年度国際中医師試験を受けられる方へ

当校では、世界中医薬連合会が主催する国際中医師試験に参加するのは、年に一度のみです。2016年(平成28年)度は、10月9日(日)・10日(月・祭)に開催する予定です。今回受験される方は、これから試験準備を始めましょう。

この数年間、国際中医師試験の内容は変わっておりませんが、合格基準は年々厳しくなっています。
2012年度より、試験の内容及び合格基準は下記の通りになっております:

1.中医基礎理論
2.中医診断学
3.中薬学
4.中医方剤学
5.中医臨床総合
上記各科目の問題形式は共に、A型・B型選択問題を100問で、総点数100点で合格ラインは60点です。
   *「中医臨床総合」に、中医内科学70%、中医婦人科・中医小児科・中医外科学各10%を占めます。
6.弁証論治: 問題形式は症例分析です。全4問を総点数が100点で合格ラインは60点です。
   *「弁証論治」に、カルテの書き方を含む。4問の症例の中、3問が内科の症例です。

 上記1~6の回答時間はそれぞれ90分です。

試験の準備は、大きく二つに分けられます:
その①は選択問題の練習です(『国際中医師標準試験復習大綱』を使用する);
その②は弁証論治の練習です(内科学で詳しく勉強する各病証をしっかり覚えておくこと、臨床研究科を積極的に聴講する)。

  つきまして、「弁証論治」を除く5科目は、2011年に発行された『国際中医師標準試験復習大綱』(以下は『問題集』という)をしっかりと復習すれば、合格できると考えます。但し、『問題集』の問題数が多いので、たくさんの時間を掛けなければなりません。

昨年の3~4月、過去に受けましたこの『問題集』に関する質問を整理して、ブログに連載致しました。下記はそのURLです。良かったら、是非ご参考下さい。現在復習中の皆様に少しでもお役に立つことができれば、嬉しいです。
  1.中医基礎理論
  2.中医診断学  
  3.中薬学 
  4.中医方剤学 
  5.中医臨床総合
  6.弁証論治解答例
 
  まず、中医基礎理論の問題から解いていきましょう。担任の教授は勿論応援致しますが、教務担当の李(り)と周(しゅう)も皆様を応援致しておりますので、勉強について分からないことなどがありましたら、どうぞ、遠慮なく、いつでも質問をして下さい。

(李)
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by jbucm | 2016-04-14 12:58 | 中医学 | Comments(0)

『黄帝内経』筆記 病因病機学説(二十六)

霊枢・賊風第五十八②

【原文】黄帝曰:夫子言賊風邪気之傷人也、令人病焉、今有其不離屏蔽、不出空穴之中、卒然病者、非不離賊風邪気、其故何也①?岐伯曰:此皆賞有所傷于湿気、藏于血脈之中、分肉之間、久留而不去②。若有所墮墜、悪血在内而不去、卒然喜怒不節、飮食不適、寒温不時、腠理閉而不通③、其開而遇風寒、則血気凝結、與故邪相襲、則爲寒痺④。其有熱則汗出、汗出則受風、雖不遇賊風邪気、必有因加而発焉⑤。

【注釈】①夫子言賊風邪気之傷人也、令人病焉、今有其不離屏蔽、不出空穴之中、卒然病者、非不離賊風邪気、其故何也:先生は賊風邪気が人体を損傷したから、人が病気になると言っている。しかし、屏蔽から離れなく、部屋を出ない人も突然病気に罹る、決して賊風邪気を避けてないことではない。これはなぜ?

「空穴」について、『甲乙経・巻六・第五』などは「室穴(部屋)」であると説明している。「離」は避けるという意味である。

②此皆賞有所傷于湿気、藏于血脈之中、分肉之間、久留而不去:これは、普段邪気による損傷があったことである。例えば、湿気による損傷が血脈の中や分肉の間に埋蔵され、久しく滞留して除去されてないものである。

③若有所墮墜、悪血在内而不去;卒然喜怒不節、飮食不適:或は転んだなどの外傷の後、体内に瘀血が起こり除去されてない;或は突然過度な喜怒、不適切な飲食を摂る。

④寒温不時、腠理閉而不通、其開而遇風寒、則血気凝結、與故邪相襲、則爲寒痺:或は気候の寒温に不注意して腠理が閉塞不通になる。或は腠理が開泄の時に風寒を感受され気血が凝結し、(新しい風寒の邪気が)故邪(体内にあった湿邪)と結び合い、寒痺となる。

「寒痺」について、『霊枢註証発微・巻七』では、「腠理が開いている時に風寒の邪気に遭遇したら、気血が凝結して、湿気や悪血などの故邪と相互影響し痺を形成する。即ち『痺論』に謂う寒気勝者は痛痺である」。

⑤其有熱則汗出、汗出則受風、雖不遇賊風邪気、必有因加而発焉:または、熱い時に汗をかき、汗が出ると風邪を感受したら、賊風邪気に遭遇しなくても、故邪があるから必ず「因加而発」で発病する。

(続く)

(李)
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by jbucm | 2016-03-24 10:09 | 中医学 | Comments(0)

中医名言―「腎者主水、受五臓六腑之精而蔵之」

こんにちは、周です。今回は中医名言―「腎者主水、受五臓六腑之精而蔵之」を紹介します。

出典:《素問・上古天真論》
ここの腎主水(腎は水を主る)の「水」は、精気を指します。女子の月経と男子の精液は液体状(水液)ですから、「水」と見なされます。腎は五臓(心・肝・脾・肺・腎)六腑(胆・胃・大腸・小腸・膀胱・三焦)の精を受けて、これを蔵します(腎蔵精)。五臓六腑の精気は腎に貯えられ、先天の精気を充実させます。

腎蔵精の精は2つの意味があります。一つ目は五臓六腑の精で、水穀の精(水穀精微とも言う、飲食物の中に栄養分になるもの)から生化(転化)され五臓六腑の精気となります、二つ目は先天の精・父母からの稟賦(生まれつき)です。ここの「精」は主に一つ目の精を指します。五臓六腑の精気と腎気は互いに影響し合います、つまり五臓六腑の精気の盛衰と腎気の盛衰は互いに影響を与えます。また腎は人体の生殖・生長発育を主りますので、腎気の盛衰も生殖・生長発育に関係があります。
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by jbucm | 2016-03-14 09:30 | 中医学 | Comments(0)

『黄帝内経』筆記 病因病機学説(二十五)

霊枢・賊風第五十八①  

篇名について

「賊」とは傷害の意味である。『類経・疾病類・三十三』に「賊者、傷害之名」と言い、「賊風は四時不正の気を指し、賊風邪気とも謂う」と注釈している。自然界の異常な気候が人体正気を損傷するとされる。本篇は賊風が人体を損傷する時の病理と病証を討論している。

主な内容と学習のポイント:

① 寒痺を例として、邪気が「因加而発」の機理を論述した→寒痺の病因病機と「因加而発」の意味及びその機理を把握すること。

②故邪を持つ上に情志素因が加えられた時の病理及び病変の特徴を紹介した→故邪の概念を明確すること。

③「祝由(しゅくゆう)」が一部の疾病を治療できるとその道理を述べた。→祝由の治病道理を了解すること。

* 因加而発:故邪(旧邪)が身体に潜伏しているまま、また新たな邪気を感受して発病することを指す。

* 故邪:体内にもともと潜伏した邪気を指す。風寒湿燥火の邪気や痰飲、瘀血などが含まれる。

* 祝由:中国古代で祝をもって病者を治すもの、または祝説によって医事を行うものの職名である。現代の心理療法に相当する。

(李)
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by jbucm | 2016-03-10 10:15 | 中医学 | Comments(0)

貝母の由来

こんにちは、周です。今回は中薬―貝母の話です。

ユリ科Liliaceaeのアミガサユリ属植物各種の地下鱗茎、きわめて多種基原の中薬であります。川貝(青母)と浙貝(大貝・象貝)の2種があります。川貝は苦・甘、微寒で、浙貝は苦・寒で、ともに肺・心経に帰経します。化痰止咳・清熱散結作用があります、熱痰・燥痰の咳嗽、瘡癰瘰癧、乳癰に有効であります。川貝は潤肺化痰に長じて肺虚久咳・痰少咽燥に適するのに対して浙貝は苦寒で開泄や清火散結の力が強く、外感風熱や痰火鬱結による咳嗽に適します。両者とも清熱散結作用がありますが、浙貝のほうが優れますので、用途は広く、瘡癰瘰癧・乳癰に用いられます。烏頭に反しますので、要注意です。
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貝母の由来を紹介します。
大昔、ある賢恵美麗的女子(善良で聡明な女性)は結婚した後、夫婦二人は愛し合っていますが、なかなか子に恵まれなかったですので、姑に主人との離婚を迫られました。某日、こっそりと泣いている彼女を通りかかった郎中(医者)は事情を尋ね・診察した後、ご主人にこう言いました:あなたの夫人が懐妊できない理由は、体内に痰結があるからです。今、私が妊娠させる簡単な方法を教えますー毎日ある草薬(生薬、のちに貝母と称するもの)を煎じて飲むこと。私は保証します、三ゕ月を飲み続ければ絶対懐妊できますよ。早速、翌日から教えられた草薬(地下の鱗茎)を採りに行き、毎日続けて三ゕ月間煎じて妻に飲ませました。そして懐妊して、1年後に元気な子供(男の子)を産みました。

子息が産まれましたので、一家(特に姑)はお喜び!
皆にこの草薬の名前を聞かれました。この草薬は親(=嫁)の懐妊を補助してからこそ宝児子(息子は宝とされる)を産みましたので、貝母と呼びましょう、と姑が言いました。
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by jbucm | 2016-03-07 09:30 | 中医学 | Comments(0)

『黄帝内経』筆記 病因病機学説(二十四)  

霊枢・百病始生第六十六⑧

【原文】黄帝曰:其生於陰者、奈何①?岐伯曰:憂思傷心、重寒傷肺、忿怒傷肝②;醉以入房、汗出當風傷脾③;用力過度、若入房汗出浴、則傷腎④;此内外三部之所生病者也。黄帝曰:善。治之奈何?岐伯答曰:察其所痛、以知其應、有餘不足、當補則補、當瀉則瀉、毋逆天時、是謂至治⑤。

【注釈】①其生於陰者、奈何?:病気がどうして内臓に発生するのか?

②憂思傷心、重寒傷肺、忿怒傷肝:憂愁思慮過度では心臓が損傷される、外感重い寒邪を感受すると肺臓が損傷される、怒ると肝臓が損傷される。

③醉以入房、汗出當風傷脾:酒酔っているまま房事する時に汗が出て、風に当たると脾臓が損傷される。

④用力過度、若入房汗出浴、則傷腎:力使い過ぎ、或は房事で汗が出たらすぐに入浴すると、腎臓が損傷される。

⑤此内外三部之所生病者也:これらは内外三部に発生する疾病の一般的な情況である。

⑥察其所痛、以知其應、有餘不足、當補則補、當瀉則瀉、毋逆天時、是謂至治:その疼痛の部位を審査し、病変の部位を知る。証候の虚実を根拠にして補虚瀉実の方法で治療する。同時に、四時気候の規律を反してはいけない、これは最善な治療原則である。

【説明】本段は五臓病の常見病因及び診療法則を論述している。原文の例によると、五臓の発病に、多くは内外両方の原因が兼ねる。『霊枢・邪気蔵府病形』に「憂愁恐惧則傷心、形寒寒飲則傷肺、以其両寒相感、中外皆傷、故気逆而上行……」、『素問・本病論』に「憂愁思慮即傷心」、「飲食勞倦即傷脾」、「久坐湿地、強力入水即傷腎」、「或恚怒、気逆上而不下、即傷肝」など同じような記載があり、合わせて勉強すると良いでしょう。五臓病の常見病因に、精神情志の失調は心肝を、寒邪の侵入は肺を、飲食の不節制は脾を、房労過度と勞倦は腎を損傷するという観点を提示し、後世の臓腑弁証に根拠を提供している。

本段は疾病の治療原則を提示している。定性、定位の弁証施治、及び自然に従うという整体治療の理論的根拠となっている。

まとめ:本篇は、外感と内傷病の発病原因と機理、部位病邪伝変について論述し、疾病発生の過程に人体の正気の重要性を強調した。養生や疾病の予防と早期治療に理論的根拠を提供している。なお、『内経』の素朴的弁証法思想を体現している。

本篇中「積証」についての論述は、臨床実践に一定な指導的意義があり、特に現代の腫瘍の発病機理及び治療方法の研究に啓発している。例えば、子宮筋腫、肝硬変、脾臓の腫れ、腹腔の腫瘍などを「積病」で弁証論治している。

次回からは『霊枢・賊風』を勉強しましょう。

(李)
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by jbucm | 2016-03-03 09:46 | 中医学 | Comments(0)