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カテゴリ:中医学( 461 )

八綱弁証(虚実弁証)

こんにちは、李です。八綱弁証の虚実弁証を紹介します。

虚実弁証とは、病気の体に、気・血・津液など、人体を構成するものである正気(せいき)が虚弱しているかどうかと、人体の生理機能を邪魔する邪気(じゃき、外部から侵入したものを六淫と、体の中から生じる内生五邪や、瘀血、痰飲などを指す)が存在するかどうかの弁証です。正気が不足した状態を虚証(きょしょう)、正気は不足していないものの邪気が体に停滞した状態にあるものを実証(じっしょう)といいます。

f0138875_0154849.jpg虚実を弁別することで、病気の原因が正気の不足なのか、邪気の停滞によるものなのかを推測でき、治療方法の選択に大きく影響を与えます。 たとえば、陽気が不足した陽虚証に対して、補陽或は温陽することを中心に治療を行います。なお、外界から風寒などの邪気を受けたために、感冒(かぜ)を引いたのは実証で、治療は、風寒の邪気を発散する、辛温解表を中心に行います。

虚証と実証の症状はタイプによって様々ですが、比べられる特徴的な虚証の症状は、虚弱体質(先天不足、営養不良や持病などによる)で、病気の過程は比較的長く、慢性病に多い。症状は比較的穏やかで、熱のある場合は微熱、痛みの場合はシクシクして、綿々とした感じで、手を当てると軽減するなどです。
実証の特徴的な症状は、体力充実で、病気の過程は比較的短く、急性病に多い。症状は比較的激しく、煩躁して、呼吸が粗い。熱の場合は高熱が多く、痛みの場合は激痛が多く、手を当てると不快感が有るなどです。

虚証と実証は互いに変化したり、同時に現れたりすることがあります。 それは、正気と邪気の強さの変化及び正邪対抗の反映です。
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by jbucm | 2007-09-28 00:18 | 中医学 | Comments(0)

八綱弁証 (寒熱弁証)

今回は、寒熱弁証(かんねつべんしょう)の話です。

寒熱弁証とは、病気の性質を弁別することです。寒邪を感受するか、或いは臓腑の陽気が不足することによって生じ、体の機能低下を表わす証候を寒証(かんしょう)といいます。陽熱の邪気(温・暑・火)を感受するか、或いは臓腑の陽気亢盛によって生じ、体の機能亢進を表わす証候を熱証(ねっしょう)といいます。また、久病・房室過度・過労による腎精或は陰液消耗の虚熱証もあります。
f0138875_1858953.jpg

寒証と熱証の症状特徴は分り易いです。寒証の場合は、悪寒喜暖(寒さを嫌う、暖かい飲食物を取りたがる)・口淡・口渇せず(水を飲みたがらない)・顔色蒼白・四肢厥冷(手足が冷たい)・尿の色は透明で多尿・泥状便・舌淡・苔白(潤滑)・脉遅或いは緊などです。

熱証の場合は、熱を嫌がり凉を好む・顔色が紅色で四肢に熱がある・口渇があり冷たい物を飲みたがる・いらいらしてよく話す・尿は赤っぽい・便秘・舌質は紅色で舌苔は黄色、脉は数などです。
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by jbucm | 2007-09-21 09:30 | 中医学 | Comments(0)

八綱弁証 (表裏弁証)

こんにちは、李です。
今回は、八綱弁証の表裏弁証(ひょうりべんしょう)の話です。

表裏弁証とは、病気が皮毛・肌膚・経絡など体表に近い部位、即ち表(ひょう)にあるのか、臓腑・血脈・筋骨など体の深い部位、即ち裏(り)にあるのか、推測することです。
簡単に言えば、六淫(風・寒・暑・湿・燥・火)の邪気が体に侵入してから初期の証候を表証(ひょうしょう)といいます。
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六淫の邪気による中期以降の証候、或は、邪気が直接体の中に入る(直中・じきちゅう)、或は、臓腑・気血津液の失調による証候を裏証(りしょう)といいます。
症状から弁別すると、表証の主な症状は、発熱悪寒(悪風)・頭身痛・舌苔薄白・脈浮などで、場合によって、鼻づまり・鼻水・のどの痒みと痛み・咳などの症状も兼ねます。
裏証の症状は、発病の部位によってさまざまです。これを把握するには、臓腑弁証の勉強が必要となりますので、今回は省略します。
 
表証と裏証は互いに変化したり、同時に現れたりすることがあります。 一般的に、表証はそのまま治りますが、体が弱い・邪気が強すぎる、或は、誤った治療をすると、邪気が裏に入って、裏証となるケースもあります。
裏証の場合は、邪気が表に出されて、病気が快復傾向になるケースもあれば、他の方法で治療されるケース(臓腑・気血津液の失調の場合)も多いです。
 
なお、半表半裏証(はんひょうはんりしょう)というのもあります。これは、病邪が表と裏の間で抗争していることで、つまり、外邪が表から裏へ伝入する最中、或は裏から邪気が表に透達する最中のことです。特徴的な証候は寒熱往来(かんねつおうらい)で、胸脇苦満・心煩・吐き気・食欲がない・口苦咽乾・眩暈・脈弦なども兼ねます。
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by jbucm | 2007-09-14 09:05 | 中医学 | Comments(0)

茶療法 その2ー① 感冒の処方①

こんにちは、周です。ようやく朝晩涼しくなりましたね。これから風邪を引きやすい季節になりますので、シリーズでの感冒処方を紹介します。

感冒とは、風邪(六淫のひとつ)による疾病のことを指します。

感冒の症状:発熱、惡寒、頭痛、鼻塞、流涕(鼻水)、くしゃみ、脈浮など。
処方① 緑菊茶
緑豆50g、菊花15g、茶葉10g
f0138875_22452275.jpg

[主治] 風熱感冒の軽証(症状:頭痛、口乾口渇、咽痛)
[功効] 疏風、清熱解毒
[用法用量] 1日1剤、緑豆は水に浸け、30分後、細かく擦って、蜜棗または氷砂糖適量、400ccの水から200ccまで煎じ、朝晩1回ずつ飲みます。
[禁忌] 風寒感冒、脾胃虚寒、便溏の者
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by jbucm | 2007-09-10 09:42 | 中医学 | Comments(0)

八綱弁証についての話

こんにちは、李です。最近、ちょっぴり忙しくて、ブログを書くのがつい遅くなってしまいます。
今回から、中医の弁証論治について分りやすく、話したいと思っています。

中医学では、病証に対するいろいろな診断方法があります。例えば、八綱弁証(はっこうべんしょう)・気血津液弁証(きけつえしんえきべんしょう)・臓腑弁証(ぞうふべんしょう)・経絡弁証(けいらくべんしょう)・六経弁証(ろっけいべんしょう)・衛気営血弁証(えいきえいけつべんしょう)・三焦弁証(さんしょうべんしょう)・病因弁証(びょういんべんしょう)などがあります。これらの弁証方法を総合して、弁証論治するのが一番大切ですが、先ずは、それぞれの弁証方法を把握しなければなりません。

弁証を行うには、中医基礎で習った陰陽・五行学説や、気血津液学説・臓腑学説などの生理学と、病因病機などの病理学などの知識が必要です。
また、たくさんある弁証方法の中で、基本となるのが八綱弁証(はっこうべんしょう)です。
八綱(はっこう)とは、表裏(ひょうり)・寒熱(かんねつ)・虚実(きょじつ)・陰陽(いんよう)の四組からなる、八つの状態のことです。
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弁証する際、現れている症状を、これら四組に分類することで、病気のある部位・性質・正邪の状態などを推測し、診断することができます。次回から、表裏・寒熱・虚実・陰陽弁証の特徴を紹介します。
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by jbucm | 2007-09-07 09:10 | 中医学 | Comments(0)

中医の「火」の話⑤

前回、「虚火」とは、「陰虚」から発生したものだとお話ししました。「陰虚証」を詳しく分けると、「心陰虚」、「肺陰虚」、「肝陰虚」、「腎陰虚」などがありますが、臨床では、酷い「虚火」を「陰虚火旺」と言います。場合によって、いろんな症状があります。

まずは、不眠を主症状とする証候があります。この場合は、「心腎陰虚」。「心腎不交」と言う言い方もありますが、病証の程度の違いがあるだけです。主な症状は、心煩不眠、動悸不安、眩暈、耳鳴り、物忘れ、腰と膝がだるい、顔や手足のほてり、咽や口が乾く、良く水を飲むなどです。中医での治療は、「滋陰降火」(じいんこうか、陰液を補充し、火熱を抑える)をしますが、「養心安神」(ようしんあんじん)も必要です。代表処方には「黄連阿膠湯」などがあります。
また、盗汗や出血(咳血、尿血など)を主症状とする証候もありますが、潮熱、体が痩せる、顔や手足のほてり、咽喉の乾き、舌が赤い、苔が少ない、f0138875_9335584.jpg脈が細数などの症状も伴います。これらは、現代医学で言う「結核病」に当てはまります。中医の治療は、「滋陰降火」や「涼血止血」(りょうけつしけつ)をします。代表処方には、「当帰六黄湯」や「百合固金丸」「知柏地黄丸」などがあります。
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by jbucm | 2007-08-29 09:30 | 中医学 | Comments(0)

中医の「火」の話④

こんにちは、李宏です。前回までは、良く見られる4種類の「上火」を紹介しました。一般的に、「上火」は「実火」を指す場合が多いです。

今回と次回は、「虚火」を紹介したいと思いますが、その前に「実火」と「虚火」の違いを説明しておきましょう。

まず、「実火」とは、体が丈夫であって、陽熱の邪気が体へ侵入し、体内で盛んな証候です。急性の場合が多いです。
「実火」に対して、「虚火」は邪気の侵入ではなく、体内の陰液がある程度虧損(「陰虚」と言います)された為、相対的に内熱が発生する証候です。いわゆる、「陰虚生内熱(火)」と言うことです。これは、「虚熱」とも言い、たいてい、慢性的な経過を示します。良く見られる症状は、両頬が赤い、体が痩せる、潮熱(午後の微熱)盗汗(寝汗)、顔や手足のほてり、咽喉の乾き、舌が赤くて、苔(舌面にあるこけ)が少ない、脈が細数です。
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中医では、「虚火」の治療には、清虚熱薬(せいきょねつやく)を良く使います。例えば、青蒿(せいこう)、地骨皮(じこっぴ)などがあります。ちなみに、地骨皮は、皆様が良くご存知の枸杞の樹の根皮です。
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by jbucm | 2007-08-22 08:40 | 中医学 | Comments(0)

針灸の話

こんにちは!
北京厚済薬局の馮です。

前回のグログに書きましたように、このブログを通して皆様に少しでも授業のことを紹介できたらと思いますので、早速今回は針灸学を通訳する時のエピソードを紹介させていただきます。

針灸学の歴史を紹介するとき、先生から甲骨文についての話しがありました。
「針」と「灸」という字は甲骨文の中で写真のように書きます。左側は「針」という字で、右側は「灸」という字です。
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面白いのは字を左に90度回転してみたところです(↓の写真見てください)。詳しく説明すると、90度回転すると、どちらの文字も、一番下にベッドがあって、その上に人が横になっています。皆様はこういうふうに見えませんか。そして、横になっている人間のお腹のところ、つまり回転後の右上の所の矢印は針を、三つの矢印が重なっているのは艾条(灸治療の時使うもの)を意味し、 フォークの様な物は治療側の手を意味します。全体を見ると、治療側の手に針(艾条)を持って、患者のお腹に針治療(灸治療)をしているイメージです。
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どうでしょうか、私は甲骨文っておもしろいと思いました。
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by jbucm | 2007-08-10 10:00 | 中医学 | Comments(0)

中医の「火」の話③

こんにちは。李宏です。先週の続きで実火の残り2種類を紹介しましょう。

 胃火(いか):胃火は、多くの場合は、飲食の不摂生によるものです。例えば、酒の飲み過ぎ、油っぽい物や辛い物などの食べすぎで、「食積(しょくせき)」となり、熱を生じ、「火」になる。中医では、こういうことを「胃火灼盛(いかしゃくせい)」といい、主な症状は、胃部の灼痛、口乾・口臭・腹痛便秘・歯茎の腫痛などです。f0138875_1337332.jpg

山楂(さんざ)や生石膏(しょうせっこう)、鉄樹葉(てじゅよう、センネンソウ)などの生薬を使い、瀉胃清火(しゃいせいか)します。                                                       山楂の実→                                                                                                                                       肺火(はいか):気候の突然の変化で体がそれに応じられない、或は、労倦で体内の陰液(有用な水分)を消耗し過ぎるなどの原因で、肺火を引き起こしやすい。年配者に多く見られます。主な症状は、呼吸が粗い、或は高熱・煩渇・黄色い粘々する痰を吐く、酷い場合は痰の中に血を帯びる。
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                     ↑ 生薬・甘草
中医では、黄芩(おうごん)や桑白皮(そうはくひ)、甘草(かんぞう)などを用い、肺火を清する。
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by jbucm | 2007-08-08 00:02 | 中医学 | Comments(0)

中医の「火」の話② 


今週は良く見られる4種類の実火の中の二種類を紹介します。

心火(しんか):中医では、心を君主の官と例えます。これは、体の主宰という意味です。心火f0138875_1957115.jpgは全身を温める主な熱量の源です。然し、これが旺盛すぎると、心煩不眠、口内炎などになり易く、小便の色は黄色くなります。ちなみに、この場合は、中医では、良く黄連(おうれん)や蓮子芯(れんししん)などの生薬を使い、清心瀉火(せいしんしゃか)します。写真は黄連。

 肝火(かんか):中国の古来の言葉に、「暴怒傷肝、五志化火」という言い方があります。この意味は、激怒すると肝を傷つけ、五志(怒・喜・思・悲・驚)は皆火に変るということです。もしうつf0138875_2021134.jpgうつとして、楽しまなく、何事があってもすぐ怒鳴ると、肝鬱気滞(かんうつきたい)を引き起こし、肝火となります。肝火は頭面部に上がりやすいので、頭痛・眩暈・口苦咽乾・胸悶脇痛などの症状が見えてきます、中医では、これを「肝火上炎(かんかじょうえん)」といい、良く竜胆草(りゅうたんそう)や夏枯草(かこそう)等の生薬で治療します。写真は夏枯草。
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by jbucm | 2007-08-01 07:26 | 中医学 | Comments(0)