国立北京中医薬大学日本校が運営するブログです

by jbucm

<   2007年 08月 ( 12 )   > この月の画像一覧

李栄興教授による夏期講習が行われました。植松理事長も足を運ばれ和やかな雰囲気で授業が始まりました。
f0138875_23263142.jpg

「悪性腫瘍の中医薬予防と治療・消化系癌の弁証治療及び症例分析」というテーマで授業が進められました。
癌の病因病機・治療原則及び三期、三段治則・中医治法及び中薬の選び方・予防の授業の後、消化系癌の授業が行われました。
消化系癌は主に、食道癌、胃癌、肝癌、大腸癌を指し中国では、これらの癌が全体の70%を占めるそうです。
個々の癌の主な症状、症例、治法など、教授の臨床経験に基づいた、普段の授業では聞くことが出来ない貴重なお話しをしていただきました。
[PR]
by jbucm | 2007-08-31 09:22 | 講師紹介・授業風景 | Comments(0)

中医の「火」の話⑤

前回、「虚火」とは、「陰虚」から発生したものだとお話ししました。「陰虚証」を詳しく分けると、「心陰虚」、「肺陰虚」、「肝陰虚」、「腎陰虚」などがありますが、臨床では、酷い「虚火」を「陰虚火旺」と言います。場合によって、いろんな症状があります。

まずは、不眠を主症状とする証候があります。この場合は、「心腎陰虚」。「心腎不交」と言う言い方もありますが、病証の程度の違いがあるだけです。主な症状は、心煩不眠、動悸不安、眩暈、耳鳴り、物忘れ、腰と膝がだるい、顔や手足のほてり、咽や口が乾く、良く水を飲むなどです。中医での治療は、「滋陰降火」(じいんこうか、陰液を補充し、火熱を抑える)をしますが、「養心安神」(ようしんあんじん)も必要です。代表処方には「黄連阿膠湯」などがあります。
また、盗汗や出血(咳血、尿血など)を主症状とする証候もありますが、潮熱、体が痩せる、顔や手足のほてり、咽喉の乾き、舌が赤い、苔が少ない、f0138875_9335584.jpg脈が細数などの症状も伴います。これらは、現代医学で言う「結核病」に当てはまります。中医の治療は、「滋陰降火」や「涼血止血」(りょうけつしけつ)をします。代表処方には、「当帰六黄湯」や「百合固金丸」「知柏地黄丸」などがあります。
[PR]
by jbucm | 2007-08-29 09:30 | 中医学 | Comments(0)
こんにちは。周です。今回は2回に分けて名医を指す成語をいくつかご紹介します。
中国で生まれた故事成語(熟語)は、ふだん何気なく使っていたり、または読んだことがあると思います。しかし、その故事は案外、知られていないことが多いかもしれません。中医学は悠久の歴史を持ち、中華民族の宝庫であります。その発展の中で、中医学に関するエピソードが残され、今も美談として、人々に語られているものが沢山あります。

「岐黄之術」
岐とは、岐伯(人の名前)の事で、黄は黄帝の黄です。中国に現存する最初の医書《黄帝内経》に登場する人物で(問答の形式で中医学を討論しています)、後世の人々は、この名著が中医学に巨大な影響があるとして、中医学を「岐黄之道」、または「岐黄之術」と呼ぶようになりました。

「蒼生大医」
唐の時代の医学家、孫思邈(薬王と尊ばされています)をモデルとし、医徳高尚(モラルが高い)な医者を、「蒼生大医」と呼んでいます。

「懸壺済生」f0138875_22342128.jpg
その由来は《後漢書・費長房伝》によれば:店頭に壺をぶらさげ、薬を売る老翁(老人)がいました。その壺は乾燥したヒョウタン”葫芦”で作ったもので、中に薬が入れてありました。彼は医術に優れ、患者から良い評判を得ていたので、人々はこの不思議な老翁の行動を観察することにしました。すると、老翁が閉店後、葫芦の中に入って行くのを発見しました。以後、「懸壺済生」は、医に従事する人の代名詞となっています。ちなみに、葫芦は中薬の一種です、通淋利水の作用があり、水腫、小便不利、黄疸、腹満などの症状に用いられます。
[PR]
by jbucm | 2007-08-27 10:26 | Comments(2)

夏期講習(気功)

こんにちは。亀山です。夏期講習で、気功の授業を受けてみました。
座学かな?と思っていたらしっかり実習。
実習と云っても、私の様なまったくの素人も参加していたので、気功を始める前の準備体操の様なものと、気功の事を何も知らなくても毎日ちゃんとやれば体が変わる、というものを幾つか教えていただきました。
最初に教えて頂いたのが還童功。腰を回す、胸・お腹をマッサージする、頭・内蔵・足を叩くと云う6種類。簡単そうで難しい。思うように腰が回りません。
f0138875_22335591.jpg

腰と一緒に肩まで回ってしまいました。
マッサージをすると手に力が入ってしまい腕が悲鳴をあげました。何とかクリアー出来たのは、足の裏を叩く事だけ。
f0138875_22345793.jpg

振動功、膝気功も教えていただきましたが、どれもぎこちなく、宋先生の動きとは、ほど遠い動きになってしまいました。

6種類の動作からなる還童功は内蔵を強化し、ダイエット、若返り、美容などに良いそうです。その他、高血圧の予防や糖尿病、不眠症などにも効果があるそうです。

二日間、見よう見まねで動いただけなのに、翌日は体がスッキリとして、肌の調子もよかったので、びっくり!
夏期講習以来、宋先生の動きを思い出しながら、「毎日どれか一つだけでも」と思い実行してます(全部はちょっと無理なので・・・)
夏の暑さももう少し。気功のおかげで何とか夏を乗り切れそうです。
[PR]
by jbucm | 2007-08-24 10:24 | 講師紹介・授業風景 | Comments(0)

中医の「火」の話④

こんにちは、李宏です。前回までは、良く見られる4種類の「上火」を紹介しました。一般的に、「上火」は「実火」を指す場合が多いです。

今回と次回は、「虚火」を紹介したいと思いますが、その前に「実火」と「虚火」の違いを説明しておきましょう。

まず、「実火」とは、体が丈夫であって、陽熱の邪気が体へ侵入し、体内で盛んな証候です。急性の場合が多いです。
「実火」に対して、「虚火」は邪気の侵入ではなく、体内の陰液がある程度虧損(「陰虚」と言います)された為、相対的に内熱が発生する証候です。いわゆる、「陰虚生内熱(火)」と言うことです。これは、「虚熱」とも言い、たいてい、慢性的な経過を示します。良く見られる症状は、両頬が赤い、体が痩せる、潮熱(午後の微熱)盗汗(寝汗)、顔や手足のほてり、咽喉の乾き、舌が赤くて、苔(舌面にあるこけ)が少ない、脈が細数です。
f0138875_10484159.jpg
中医では、「虚火」の治療には、清虚熱薬(せいきょねつやく)を良く使います。例えば、青蒿(せいこう)、地骨皮(じこっぴ)などがあります。ちなみに、地骨皮は、皆様が良くご存知の枸杞の樹の根皮です。
[PR]
by jbucm | 2007-08-22 08:40 | 中医学 | Comments(0)
こんにちは、周です。夏も終盤。今回は暑熱証の処方の最終回⑥を紹介します。

処方⑥ 藿香解暑茶
藿香3g、緑茶3g
f0138875_23481990.jpg
[主治]  暑熱証 (症状:頭痛、咳嗽)

[功効]  発汗解暑、行水散湿

[用法用量] 上記の2味生薬を、熱いお湯で沖泡し毎日500ccを飲む。
中暑による頭痛、咳嗽に用います。
[PR]
by jbucm | 2007-08-20 10:00 | Comments(0)

梁ペイ先生

こんにちは、亀山です。
今日は薬膳科の梁ぺい先生をご紹介させて頂きます。
略歴:84年北京中医薬大学卒業、同大学中医栄養教育研究室講師。
89年来日。日本中医食養学会講師、国立北京中医薬大学日本校講師。
f0138875_23311221.jpg

梁先生は薬膳科の栄養学、薬膳学の講義を担当していらっしゃいます。何時もにこにこしていらして、とても優しく頼りになる先生です。幾つかの質問に答えていただきました。

Q1:先生にとって、中医学の魅力ってなんですか?

中医学は数千年の間、試行錯誤と経験を積み重ねてきました。
「理・法・方・薬」は現代医学では解決できない病を、中医学の
理論で分析できます。弁証の方法で病名(証)を決め、生薬の性・味・帰経
などを生かし、方剤を組み立て、個々の患者さんにピッタリな処方を組み立てられるのです。
つまり、中医学は現代医学の症状治療と違って、病の病因(証)治療を
行う事によって、ストレスといった現代生活が生み出す病や、体質の改善などに効果が期待できるのは、中医学の魅力だと思います。

Q2:中国の薬膳と日本の薬膳の違う所があったら、教えて下さい

中国薬膳も日本の薬膳も同じ中医学の理論に基づく点では、基本的な
考え方は同じです。
しかし、日本は島国なので、大陸の中国と違い、湿気が多い氣候である事、
魚介類・水産物が豊富で主な食材となっている事、生鮮食品を好む食文化を持っている事などによって、「陰盛陽衰」的な食生活になっていると思います。
よって、日本で薬膳を作る際、常に、「陽・気」を補うことを心掛けていただきたいですね。

Q3:これから中医学(薬膳)を勉強する人にアドバイスをお願いします。

まずは、中医学の基礎理論をきちんと勉強することが何より大切です。
それと、自分がしっかり理解できて、尚かつちゃんと人に説明できる物から作ることです。

Q4:先生の好きな言葉はありますか?あったら、教えて下さい。

「山重水複疑無路,柳暗花明又一村」
山重水複疑無路:山は重なり、川の流れは幾重にもなって、道が無くなったかとも疑える状況。
柳暗花明又一村:ヤナギがこんもりと茂り真っ暗ですが暗闇の先には、花がぱっと明るく咲いている村落が現れた。
どんなに行き詰まっても、路の向こうからまたもう一つの村落が現れる。
つまり、あきらめないこと。

お忙しい中、丁寧にお答え頂きありがとうございました。
改めて、基本が大事。解らない事の多くは「基礎理論」の中に答えが潜んでいるのだと思いました。

[PR]
by jbucm | 2007-08-17 09:19 | 講師紹介・授業風景 | Comments(0)

針灸の話

こんにちは!
北京厚済薬局の馮です。

前回のグログに書きましたように、このブログを通して皆様に少しでも授業のことを紹介できたらと思いますので、早速今回は針灸学を通訳する時のエピソードを紹介させていただきます。

針灸学の歴史を紹介するとき、先生から甲骨文についての話しがありました。
「針」と「灸」という字は甲骨文の中で写真のように書きます。左側は「針」という字で、右側は「灸」という字です。
f0138875_1615722.jpgf0138875_16162912.jpg



 










面白いのは字を左に90度回転してみたところです(↓の写真見てください)。詳しく説明すると、90度回転すると、どちらの文字も、一番下にベッドがあって、その上に人が横になっています。皆様はこういうふうに見えませんか。そして、横になっている人間のお腹のところ、つまり回転後の右上の所の矢印は針を、三つの矢印が重なっているのは艾条(灸治療の時使うもの)を意味し、 フォークの様な物は治療側の手を意味します。全体を見ると、治療側の手に針(艾条)を持って、患者のお腹に針治療(灸治療)をしているイメージです。
f0138875_16284044.jpgf0138875_1629156.jpg








どうでしょうか、私は甲骨文っておもしろいと思いました。
[PR]
by jbucm | 2007-08-10 10:00 | 中医学 | Comments(0)

中医の「火」の話③

こんにちは。李宏です。先週の続きで実火の残り2種類を紹介しましょう。

 胃火(いか):胃火は、多くの場合は、飲食の不摂生によるものです。例えば、酒の飲み過ぎ、油っぽい物や辛い物などの食べすぎで、「食積(しょくせき)」となり、熱を生じ、「火」になる。中医では、こういうことを「胃火灼盛(いかしゃくせい)」といい、主な症状は、胃部の灼痛、口乾・口臭・腹痛便秘・歯茎の腫痛などです。f0138875_1337332.jpg

山楂(さんざ)や生石膏(しょうせっこう)、鉄樹葉(てじゅよう、センネンソウ)などの生薬を使い、瀉胃清火(しゃいせいか)します。                                                       山楂の実→                                                                                                                                       肺火(はいか):気候の突然の変化で体がそれに応じられない、或は、労倦で体内の陰液(有用な水分)を消耗し過ぎるなどの原因で、肺火を引き起こしやすい。年配者に多く見られます。主な症状は、呼吸が粗い、或は高熱・煩渇・黄色い粘々する痰を吐く、酷い場合は痰の中に血を帯びる。
f0138875_13481256.jpg
                     ↑ 生薬・甘草
中医では、黄芩(おうごん)や桑白皮(そうはくひ)、甘草(かんぞう)などを用い、肺火を清する。
[PR]
by jbucm | 2007-08-08 00:02 | 中医学 | Comments(0)

こんにちは、周です。
今回は暑熱証の処方⑤を紹介します。

処方⑤ 藿石止瀉茶
藿香3g、滑石(かっせき)2g、丁香(ちょうこう)0.5g
f0138875_13194178.jpg

[主治]  暑熱証 
  (症状:心窩部の痞え・悪心嘔吐・下痢)
[功効]  袪暑清熱
[用法用量] 上記の3味生薬を、熱いお湯で沖泡する。
中暑による泄瀉に用います。

写真は丁香。丁字とも呼ばれます。
[PR]
by jbucm | 2007-08-06 10:24 | Comments(0)