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こんにちは、周です。

前回の王羲之が書かれた対聯の後半を考えましたでしょうか?では、当時、王羲之が完成したものはこちらです:
福無双至今朝至  (2つ福が今朝に来た)
禍不単行昨夜行  (禍が昨夜に去った)

なんと、素晴らしいですね!

対聯(dui lian)は中国文化宝庫の一つで、その歴史は古く、約一千年前から始まるとされています。

対聯の使用目的・場所の違いで、寿聯・挽聯・婚聯・装飾(飾り)聯・行業(仕事関係)聯等々に分けられ、民間では、最も見られるのは春聯―春節のときに貼る対聯です。春聯を貼ることにより、祭日的喜慶気分(お祝うムード)が盛り上がる。餃子(2007年12月22日の記事をご参照ください)を食べると同様、春聯を貼るのも、中国の春節によく見られる風景です。

対聯は簡単そうに思われますが、よい対聯を書けるには、難しいですよ。昔から広く伝わってきた多く良い作品は、作者達が千錘百煉した(鍛えに鍛える、つまり何回も、反復に考える)結晶です。

対聯は、ほかの文学形式と最大な違いが、「対仗」を重じることです。文字の数が同じだけではなく、句式(文章)相同・詞性(詩の性質)も相対を要求される同時に、「平仄」(詩文の韵律)にも重じしなければいけません。良い対聯のほとんどが、容易にできるものではありません。写真は中国の「春聯」の例です:
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文字がはっきり読めないですが、イメージですね(^0^)

それでは、皆さん、良いお年をお迎え下さいませ!
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by jbucm | 2008-12-28 16:55 | 中国の話 | Comments(0)

 昨日、本年度「国際中医師」試験の合格者に待望されている、証書及び成績表などが学校に届きました。お知らせを致します。

 12月27日(土)、28日(日)にご来校できる方には、すぐにお渡しすることができますが、少し残念ですが、年内に郵送するのに間に合いませんので、卒業生の方へ年明けてから、郵送させていただきます。

 在学生の方々は、ご来校の際、お渡し致しますので、事務室へお越し下さい。宜しく、お願い致します。

 さて、北京中医薬大学日本校の年末年始休業のお知らせをさせて頂きます:

 12月29日(月)〜1月4日(日)は冬期休暇とさせていただきます。

 1月5日(月)からは通常通りの業務を始めさせて頂きます。ブログも1月5日(月)から開始いたします。

 2007年3月にブログを始めて以来、多くの方にご訪問いただき、ありがとうございました。来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

(李)
 
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by jbucm | 2008-12-27 13:30 | 学校行事・お知らせ | Comments(0)

 こんにちは、李です。胃の病証はたくさんありますが、今日は、よく見られる寒証(実・虚)と熱証(実)を紹介しましょう。今回をもって、脾胃の話を終わりにします。

胃(実)寒証:寒邪犯胃により脘腹冷痛を主症とした証候、寒飲停胃でも言います。

【臨床表現】:胃脘冷痛、酷いほうは痛勢が急ですが、軽い場合は鈍痛を覚えます。寒に遇うと悪化、温めると減軽、口淡で不渇。場合によっては脘腹部にごろごろした音がして、水っぽいものを嘔吐、舌苔は白滑、脈は弦か遅です。

【証因分析】:多く過食生冷か脘腹に涼を受け、寒が胃に凝結するか脾胃の陽気が損なわれ、寒邪を復感して発生するものです。寒邪が胃にあるので、胃脘冷痛となります。寒が胃腸を損傷し、水飲不化で上逆するので、口淡で渇しないわけです。脘腹部にごろごろした音がして、水っぽいものを嘔吐すれば、明らかな寒飲停胃の証候です。舌苔と脈は体内に寒がある表現です。

胃気虚証:胃腸気虚により表れる胃の虚寒の証候で、胃腸気虚とも呼ばれます。

【臨床表現】:胃痛が止んだり起こったり、温や按を好む、食少脘痞、食べると痛は緩和される。口淡不渇、痩せてだるい、畏冷肢涼、舌質淡嫩、脈弱です。

【証因分析】:多くは飲食不節、空腹感異常により胃気が損傷されているが、嘔吐等によって胃気が損傷されるか、脾虚が胃に及び長期の病による栄養失調によって起こるものです。胃気が虧虚されるから、水穀を受納腐熟させる機能が減退し、従って食少脘痞となります。陽気不足、胃失温暖のため、胃脘が時に痛むと温や按を好む。痩せてだるい、舌淡嫩、脈弱等は営気虧虚の表れです。畏冷肢涼がはっきりしているのは胃腸がすでに虚しているからです。

胃気虚証、胃陽虚証などもありますが、前に紹介しました脾陽虚証と同じ病機で、病症の程度が違うということでしょう。

普通、胃寒証というのは、病情が実に属します。虚証の場合、「胃気虚証」、或は「脾胃虚寒証」などと称します。

胃熱(火)証:胃火熾盛の実熱の証候で、胃実熱証、胃火熾盛証とも言います。胃陰虚証とは違う証になります。

【臨床表現】:胃脘灼痛、押さえられることを拒み、冷たい飲み物を好む、或いは空腹感がひどく、或いは食べるとすぐ吐く、口臭、歯ぐきの腫れ、歯ぐきの出血などを伴います。便が硬い、尿が少なくて色が濃い、舌紅苔黄、脈は滑数です。

【証因分析】:多く邪熱犯胃、情志鬱火が犯胃、辛燥温熱品の食べすぎによって胃火過旺、陽気亢盛を招いたことです。鬱熱は胃の和降機能を失わせるので、胃脘灼痛で拒按、食べるとすぐ吐く。実火内盛、火は穀を消化し、熱は津を灼すので、冷たいものを好むか、空腹感に襲われます。火熱の邪が経に沿って上炎すると、口臭、歯ぐきの腫痛を見、灼傷血絡、迫血妄行なので歯ぐきの出血を見ます。便秘尿黄、舌紅苔黄、脈滑数等は火熱熾盛の表れです。

以上の証を纏めでみると、胃の寒証も熱証も虚証と実証があります。弁証の際、注意しましょう。
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by jbucm | 2008-12-25 12:00 | 中医学 | Comments(0)
こんにちは、周です。今日は王羲之の話をします。

王羲之は東晋時代の有名な書画家で、「書聖」と称されています。

彼の筆跡を、皆に好かれていました。ある年の春節(お正月)、王羲之が
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「対聯」を書き、自宅の正門に貼っておきました。しかし、2回も盗られました!今度こそ、盗まれないように、彼がある方法を考えました。その方法とは、除夕前夜に「対聯」の一部(上半)だけを書き、門前に貼ることです。(「対聯」についての話は、次回紹介いたしますので、お楽しみにして下さい)、
その「対聯」の上半は:
福無双至(福は2つ来ない)
禍不単行(禍は1つ来るではない)です。

翌朝の元日に覗いて見ますと、「対聯」はまだ残っていました(この対聯は不吉利ですので、いくら王羲之の手跡と言っても、皆は遠慮し、持って行きませんでした)。すると、先生が残りの一部を完成し、皆の前で開示しました、皆はそれを見て、喝采しました。

ところで、クイズです、その下の部分は、何を書かれたでしょうか?皆さん、ご一緒に考えてみましょう。さて、答えは、次回にしましょう。

ちなみに、2回も盗られました「対聯」はこちらです:
               「対聯」1 
             春風春雨春色
             新年新歳新景
               「対聯」2
               鴬啼北星
               燕語南郊

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by jbucm | 2008-12-22 09:30 | 中国の話 | Comments(0)
こんにちは、李です。脾胃の病証を続けて紹介致しましょう、今日からは胃の病証です:

胃陰虚証:胃の陰液不足で濡潤できず、胃失和降による証候です。

【臨床表現】:口燥咽乾、空腹感があるが食欲がない、胃脘嘈雑(胃脘部に似飢非飢、似痛非痛の不快感である)、痞脹不舒、脘部隠痛、呃逆、大便乾結、小便短少、舌紅少津、脈細数などが見られます。

【証因分析】:多くは温熱病後、胃陰損傷、或は嘔瀉による津液の損傷、平素から炒め物や揚げ物を好むか、温燥薬の飲みすぎにより、胃陰等を消耗することによって、陰液が虧損し、胃失濡潤となる。

 胃が食物を受納消化するのに胃気と胃液の共同作用が必要で、それによって食べたものを消化腐熱させます。胃の津液が不足すれば、胃失濡潤、食べても消化できないので、納少脘痞となる。津虧液少、胃失和降、従って胃脘嘈雑不快、呃逆となる。陰津が上を潤うことができないのでは燥咽幹となる。胃燥津液、その影響が腸に及ぶので、腸道失潤で大便乾結する。小便短少、舌紅少津、脈が細数等はすべて陰液虧少の表れです。

食滞胃脘証:飲食が胃脘に停滞して表れる食積の証候です。

【臨床表現】:脘腹痞脹疼痛、曖腐呑酸(ゲップで腐食な匂いがする、酸っぱい水を吐くことです)、嘔吐、吐くと脹痛が減る。腸鳴、ガスが出て、腐った卵のような臭いとなる、瀉下不快、瀉下物にすっぱい臭いがする。舌苔厚膩、脈が滑です。

【証因分析】:飲食不節、暴飲暴食により食積胃腸を招く。或いは脾胃虚弱で、飲食不慎により滞となる。

 食物が胃に停積し、気機が阻害されるので、胃脘脹悶痛となる。食積化腐、胃失和降、胃気上逆なので、曖気や嘔吐物にすっぱみがある。食濁が腸にたまるので、腹痛、腸鳴、ガスが腐った卵のような臭いとなり、大便不快か瀉下物中にはすっぱい臭いがする。舌苔厚膩、脈が滑では食濁内積の象です。

 一般的に、臓の病証が腑病より多いですが、胃の病証だけは少なくない。今日は、先ず二つの証を紹介しました。では、次回また続きましょう。
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by jbucm | 2008-12-18 10:19 | 中医学 | Comments(0)

漢字の薬と葯

こんにちは、周です。今回は中国と日本の漢字の話を致します。

漢字は同音(同じ発音)字が多いから難しいと言われています。

例えば、漢方薬の「薬」の字は、日本語で書くと「薬」、くさかんむりに楽の字で、草の下に快楽があります。確かに大麻、アヘン、ヘロインは、元はみんな草です。これは日本民族が人生の快楽を追求するため、薬を飲むこと、薬の積極性を体現しています。

しかし、中国語で書くと「葯」、くさかんむりに約の字を書きます。この約は約束の約です。快楽を追求することではなく、病気を治すためのものです。つまり、薬の消極性を体現しています。
約束とは、人と大自然の平衡関係です。人体の平衡関係が崩れると、陰陽が乱れます、人は病気になります。

つまり、薬と葯はどちらも「クスリ」の意味ですが、もとの意味が違うのです。
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by jbucm | 2008-12-15 09:31 | 中国の話 | Comments(4)

  昨日、世界中医薬学会連合会国際試験センターより、去る11月2・3日に行われました国際中医師能力認定試験の結果の連絡を頂きました。日本校の合格者の受験番号は下記の通りです:

900001 900002 900003 900004 900005 900006 900007 
900008 900009 900010 900011 900012 900013 900014 
900015 900016 900018 900019 900020 900021 900023
900024 900025 900026 900027 900028 900029 900030
900031 900032 900033 900034 900035 900036 900037
900038 900039 900040 900041 900042 900043 900044
900045 900046 900047 900048 900049 900050 900051
900053 900054 900055 900056 900057 900058 
 

  合格の皆さん、本当におめでとうございます!

  なお、国際中医師証書及び成績表などは、まだ発送されてないようです、年末までに間に合えば、最高な年賀状になられますね。届きましたら、HPにてお知らせを致します。

(李)
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by jbucm | 2008-12-10 10:21 | 学校行事・お知らせ | Comments(0)

こんにちは、李です。先週、「中気下陥証」と「脾不統血証」を紹介しました。この二証と「脾陽虚証」は皆「脾気虚証」のシリーズだと言っても良いでしょう。殆ど最初からの発症は「脾気虚証」で、人によって、直接脾陽虚証になるか、途中で「中気下陥証」か「脾不統血証」が現れる場合もあり、さまざまな結果になります。なので、「脾気虚証」の段階できちんと治せば、あとの証が出ないわけです。

さて、今日は、脾病に良く見られるもう二種類の証を紹介致しましょう。それは、「寒湿困脾証」と「湿熱蘊脾証」です。

寒湿困脾証:寒湿内盛、阻困中陽の証候であり、湿困脾陽、寒湿中阻とも呼ばれています。
【臨床表現】:脘腹部の脹悶、食欲がない、大便溏泄、吐き気、口淡不渇(口に味がしない、渇かない)、頭と全身が重たい。或は肢体の浮腫、小便短少、或は体や目が暗く黄色くなる。或は、女性に白帯の量が多く、舌体が淡胖、舌苔は白膩か白滑、脈は濡緩か沈細です。

【証因分析】:本証の多くは、冷たい飲物や冷たい食物を取りすぎたため、寒湿が中焦に停滞することです。或いは雨や、湿った所に長く居たため、寒湿が侵入したことです。或は甘い物や油っぽい物の食べ過ぎで、湿が内から生じ、内湿と外湿が互いに因果となることです。

 「脾気弱れば、湿が内より生じ、湿盛んなれば脾健運せず」と言われていますので、ここから湿盛と脾虚の間には互いに因果関係のあることが分かります。寒湿内盛なので、脾陽が阻害され、運化はコントロールを失うので、脘腹脹悶、吐き気、大便溏泄などが見られます。湿邪が気機を阻害し、清陽を阻むので、頭と全身が重たい、或は体や目が暗い黄色くなります。湿が肌膚に溢れるので、浮腫となります。口淡、舌苔は滑、脈象は濡緩等いずれも寒湿内困によるものです。

湿熱蘊脾証:湿熱が中に蓄積され、脾の運化機能が障害する証候で、湿熱困脾、中焦湿熱、脾経湿熱とも呼ばれます。

【臨床表現】:脘腹痞悶、吐き気、肢体の重だるさ、大便溏泄ですっきりしない、口が渇くが飲みたがらない、身熱不揚(手で肌を押え、最初は熱く感じないが、暫くすると、熱く感じることです。つまり、身体の中に熱が篭っていることでしょう)、汗が出ても熱がとれない、或は肌や目が黄ばむ、或は皮膚のかゆみ、舌紅で苔は黄膩、脈は濡数です。

【証因分析】:本証の多くは湿熱の邪を受けるか、飲食の不摂生で脂肪や甘物、酒の過食により湿熱が釀成され、内蘊脾胃で脾の運化に障害を招いたことです。

 湿熱の邪が脾胃に蘊結され、脾胃の受納運化が行われず、脾気と胃気の昇降異常となるので、脘腹痞悶、食欲不振となります。熱の勢いに迫るので、大便溏泄になる、湿邪は陰邪で気機を阻み、便がすっきりしない。脾は四肢筋肉を主る、湿邪が粘滞し、故に肢体の重だるさを感じる。湿熱互結なので、身熱不揚で汗が出ても熱がとれない。また、もし脾胃の湿熱が肝胆を熏蒸し、肝の疏泄機能が異常になり、胆液が外泄するので、肌や目が黄色く、皮膚が痒くなる。舌紅苔黄膩、脈濡数はともに湿熱内蘊の象です。

 脾の病証について以上の6つを紹介しました。他にも色んな証ありますが、どうせこれらの証からの変化されるものなので、まずは、この6つの証の特徴を把握しましょう。

なお、脾は「湿を嫌う」という特徴があるのを36回目に紹介しました。今日の二証とも、湿邪による脾の運化機能が障害になる証です。共通症状がある一方、前者が寒の症状や多少脾陽虚の症状が見られ、後者は熱の症状が伴います。こちらが二者の主な区別です。
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by jbucm | 2008-12-10 09:30 | 中医学 | Comments(12)

クロクワイの薬膳

こんにちは、周です。今回はクロクワイ(中国語は荸萕 bi qiと言います)の話を致します。
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クロクワイはカヤツリグサ科ハリイ属です。栗の形と成分・馬蹄の形と似ているから、地栗・馬蹄とも呼ばれます。 中国の南部各省に栽培されていますが、安徽省無為、広西省桂林、浙江省余杭、江蘇省高郵、福建省福州は著名な産地として知られています。中身が白いのですが表面は黒っぽいで、シャリシャリした歯ごたえで、甘くて、汁多いです、古くから「地下雪梨」(地下の梨)と称され、北方の人に「江南人参」と呼ばれています。収穫期は12月で、今は旬です。
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日本では生のものを見かけませんが、市販されているのは、専ら水煮の缶詰めです。また、一年に一度、おせち料理でお目にかかる不思議な食材で、クワイと呼ばれていた物とは全く別種のクワイですので、間違わないようにしてね(中国語は慈姑 ci guと言います)。写真ご参考ください。
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野菜の食材として用いられますが、清代の著名な温病学の医家であった葉天士氏が熱病傷津による口渇を治療する有名な処方―「五汁飲」(ごじゅういん)の中に、クロクワイは入ってあります(「五汁飲」の組成:クロクワイ、梨、藕(れんこん)、芦根、甘蔗です)。「五汁飲」清涼養陰の作用があり、発熱の初期、若しくは高熱が下がりはじめの時に最適です(但し、高熱の場合は不適宜です)。冬期に多発する呼吸系疾病(麻疹の合併症、百日咳、急性咽喉炎)の防止にも効果あります。最近の研究では、児童の発熱に有効だけではなく、歯と骨骼の発育にも良いとされます。

クロクワイの薬膳作用を紹介します。
「性味・帰経」甘、寒 帰肺胃経
「効能主治」清熱化痰、止渇、消黄疸 
消渇、黄疸、熱淋、目赤、咽喉腫痛、肺熱咳嗽を治療する
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by jbucm | 2008-12-08 16:15 | 中国の薬膳 | Comments(0)
こんにちは、李です。最近、よく日本校の在校生や卒業生の方々に「ブログを読んでいますよ」と言われて、嬉しいです(^0^)。私の書いたものが皆さんにお役に立てられれば、もっと嬉しく思います。

さて、今日も脾の病証を2つ紹介しましょう。

中気下陥証:中気下陥証とは、脾気虧虚で、昇挙無力によって臓腑が下陥された証候のことで、脾気下陥証、脾虚気陥証とも呼ばれています。この証の多くも脾気虚証が進んだものですが、素体虚弱、久々の下痢や過労によるものもあります。

【臨床表現】:脘腹が脹で重墜(重苦しい)感があり、食後にひどくなります。便意が多く、肛門にも重墜感があります。下痢が続く、場合によっては脱肛も見られます。或は子宮下垂も伴います。また、小便が米のとぎ汁のようになる場合も見られます。勿論、この他に、脾気虚証の症状が見られます。

【証因分析】:本証の弁証要点は、脾気虚証にプラス内臓下垂、或は肛門に重墜感を伴う慢性下痢です。

 脾胃は気血生化の源、脾気が不足すると、運化機能が弱まり、内臓に与える営養が少なくなり、臓器虚衰になります。一方、脾気虚で昇挙無力、内臓を支えないため、脘腹の重墜、便意多く、脱肛、子宮下垂などを見られます。また、清陽不昇、反って下陥で固摂できないため、水穀精微の輸布ができなくなり、膀胱へ下流するため、小便は米のとぎ汁のように見えます。その他は脾気虧虚証の症状です。

脾不統血証:脾不統血証とは、脾気が虧虚して血液を統率できないため、血が脈外に溢れる(出血)証候です。長期の病で脾虚を招致するか過労で脾を損傷するかがその原因です。

【臨床表現】:便血、血尿、皮膚の出血、鼻血、歯ぐきの出血、月経過多、崩漏等の出血で、常に次の症状が伴います:食少便溏、神疲乏力(疲れ、無気力)、顔につやがない、舌淡脈細弱等。

【証因分析】:本証の弁証要点は、脾気虚証にプラス各種の出血です。脾気には血液運行を統率する機能があるので、脾虚でこの統率機能が弱まり、血液が脈管外に溢れ、色んな出血を見ます。胃腸に溢れると便血となり、膀脱に注ぐと血尿となり、皮下に溢れると皮膚の出血……また、気虚で衛任脈も固まらず、月経過多、崩漏などの性器出血になります。その他は脾気虧虚証の症状です。
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by jbucm | 2008-12-04 09:30 | 中医学 | Comments(0)

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