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by jbucm

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 生薬では、同じ植物の違う部位を使うと、薬効が違います。今回は蓮の大家族を紹介したいです。荷葉(かよう)、蓮子(れんし)、藕節(ぐうせつ)、蓮房(れんぼう)、蓮心(れんしん)、蓮須(れんす)など、観賞される葉と花から、食材の実と根まで全部薬材として使われています。

荷葉(かよう)は、乾燥した葉っぱです。味苦性平、清熱解暑ができます。
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蓮子(れんし)は、その果実で、味甘渋性平、健脾止瀉の効用があります。
蓮心(れんしん)は、蓮子の中の胚芽で、味苦性寒、効用は清心火です。
藕節(ぐうせつ)は、蓮根の節です。味甘渋性平、止血薬として使われます。


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蓮房(れんぼう)は、蜂の巣状の蓮の花托、味苦渋性温、消瘀止血の効用があります。

蓮須(れんす)は、蓮の花のしべ.またその雄しべです。味苦渋性平、止渋固精の効用を持ちます。



 最後に、何首烏(かしゅう)と夜交藤(やこうとう)を紹介しましょう。蓼科植物何首烏の乾燥した根部と藤です。何首烏(かしゅう)は味苦・甘、性温で、生で使うと通便・解瘡瘍の毒ができ、熟制すると補肝腎・益気血ができます。夜交藤(やこうとう)は味甘性平で、養血安神の作用があります。

(李)
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by jbucm | 2011-01-27 10:33 | 中医学 | Comments(3)

華侘

こんにちは、周です。今回は医家―華侘の話です。

華侘は字を元化と称します。沛国譙(現在の安徽省毫県)人で、漢の永嘉元年(紀元145年)に生まれ、建安13年(紀元208年)に没しました。
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彼は長年民間の医者として、安徽・山東・江蘇・河南などの地区を廻り、病人を救い、行き先で民衆の深い信頼と敬愛を受けました。名声が上がった晩年に、彼は後になった魏王―曹操から招致され、曹操の頭痛(頭風病)を治癒させました、曹操は華侘の医術の腕に惚れ込んで、自分の侍医として宮中にいるように言いましたが、彼は宮仕えのを嫌い、休暇を取り、故郷に帰ってしましました。曹操は数回にわたって、侍従を派遣し、戻るように説得しましたが、華侘は最後まで硬く断って、ついに捕えられ、死罪に処せられ、曹操に殺されてしまいました。
獄中の華侘は著わした医学書を獄吏に手渡しましたが、その著書を収蔵・保管を頼んだ獄吏は、法を恐れて、応じませんでした。やむ得なく華侘は、それらの著書を焼くこととなってしまいました。このような痛恨の経緯がありましたので、彼の著作は後世に流伝することがありませんでした。

華侘は内科・外科・婦人科・小児科・針灸科の各科に精通し、中でも外科分野では、その卓抜した手技で名を成していました。「麻沸散」という麻酔薬を発明し、その「麻沸散」を用いて、開腹手術を手掛け、いわゆる全身麻酔手術を創始したのであります。≪三国志≫華侘伝や≪後漢書≫には、華侘の疾病治療に際してのカルテが紹介されています。これらの症例により、同時の彼の診断・治療法のレベルが、高度なものであることを察せられました。例えば、治療中に、鍼灸・湯薬で治せない腹部疾病の患者には、先用酒沖服麻沸散(先ず酒を以って麻沸散を服用します)、酔って感覚を失うまでを待ち、腹部の手術(腹背を刳破=裂き破る、積聚=腹内の腫塊・腫瘤)を実施します。もし胃腸に異常あれば、則ち断裁・湔洗し(=すすぎ洗う)病を取り除きます。最後は縫合し、神膏(=不思議な効能を持ち薬膏)を以って貼ります。4~5日間を経ちますと、傷口癒え、1ヵ月の間に治癒しました。

華侘の外科手術は、歴代から高く評価されています。明代の陳嘉謨の≪本草蒙筌≫は、≪歴代名医図賛≫の中の1つ詩を引用して概括してあります:「魏有華侘、設立瘡科、剔骨療疾、神効良多」。後世の人々は、彼のこのような外科での貢献に讃え、「外科鼻祖」と称します。

殺害されてから1700年間を経って今も、民衆が彼の遺徳を記念するために、江蘇省の徐州に墓、沛国に華祖廟(寺)を建てられました。その寺中に「対聯」があります:
「医者刳腹、実別開岐聖門庭、誰知獄吏庸才、致使遺書帰一炬。
士貴潔身、○(山の下に己)屑侍奸雄左右、独憾史臣曲筆、反将厭事謗千秋。」
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by jbucm | 2011-01-24 09:30 | 中医学 | Comments(0)

木須肉(肉入り卵焼き)

手軽な中国家常菜⑧―木須肉(肉入り卵焼き)

木須肉という料理は、中国北方の料理です。名前の由来は二つあり、その一はかき混ぜた鶏卵が黄色くばらばらになって、木犀(モクセイ)のように見えるから、木犀肉と名付けられた(中国語では、卵を“蛋dan”と言います。北京人は、口語に“蛋”を嫌います。日常生活に人を罵る言葉によくでるからです。なので、代わりに違う言葉を使うようになりました。例えば、卵を“鷄子”、卵スープを木犀湯mu xi tangと言います)。木犀の中国語の発音はmu xiで、木須のmu xuと似ていて、古代から通用されています。その二は、材料の中の木くらげ(一説は金針菜)が木須というからです。

木須肉の主材料は卵と豚肉で、副材料は地方によって多少違います。私は北京の作り方が好きなので、これを紹介致します。特徴は原料も作り方も簡単が、美味しくて、ご飯にぴったりです。なお、営養のバランスも良く、どんな人にも合う料理なので、是非、試してみて下さい。気をつけて欲しいのは、金針菜やキュウリなどは炒め過ぎないことです。色も味も落ちるからです。
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材料:
豚のひれ肉100g、卵2個、乾燥黒木くらげ10g、金針菜30g、キュウリ2本。調味料:生姜、ネギ、ニンニク、サラダ油、片栗粉、料理酒、醤油、塩、味の素適量。

作り方:
1.黒木くらげと金針菜を水で戻し、綺麗に洗います。ひれ肉を0.2cm位の厚さに切って容器に移し、片栗粉・料理酒・醤油を少々加え混ぜて置きます。卵を別の容器に入れ、少々塩を加えかき混ぜます(ほんの少し水を入れるとより綺麗に焼けます)。キュウリを薄切り、生姜、ネギ、ニンニクを細かく切ります。

2.中華鍋(フライパンでもOK)にサラダ油大さじ2杯入れて、卵を焼き、バラバラにして容器に移します。

3.中華鍋(フライパン)にサラダ油大さじ2杯位入れて、生姜・ネギ・ニンニク、肉、黒木くらげ、金針菜、キュウリ、適量の塩を順番にいれ、炒めます。最後、卵を加え、味の素と醤油少々使い、味を調えます。

(李)
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by jbucm | 2011-01-20 10:48 | 中国の家庭料理 | Comments(2)

二至丸の由来

こんにちは、周です。今回は方剤―二至丸の話です。

二至丸は臨床上で常用されている方剤です、女貞子・旱蓮草から組成されます。補腎養肝の効能があり、肝腎陰虚による口苦咽乾、頭暈眼花(頭のふらつき、目がかすむ)、失眠多夢、腰膝痠軟(腰・膝がだるくて無力)、下肢痿軟(痿証―筋肉萎縮)、遺精、早期の白髪に用いられます。

ここで二至丸の由来を紹介します。
明代末の安徽地区に、名前が汪汝佳という名医が居ます。彼は小さい頃から身体が弱く、身長も低くて、痩せてよわよわしいですが、聡明な男の子です。幼い頃、父親を亡くされました。父親の臨終の言葉:「不為良相、願為良医」(良い官僚になれなければ、良い医師をめざせ)が残りました。

汪汝佳は父親の遺志を継いで、医術(医学)に専攻し、数年後、現地に少々有名な医者になりました。長年の苦労で、先天不足も加え、不到40歳就未老先衰(40歳未満なのに、老け込んで、歳のわりに老けた容姿)、須髮早白(ヒゲ・髪の毛が白い)、頭目昏花(眩暈)、腰酸背痛(腰・背中が痛い)、渾身無力(全身がだるくて無力)。

ある日、生薬を採るため、弟子を連れて山へ行った汪汝佳は、泊った寺院の老僧と出会いました。その老僧は百歳で、耳聡目明(耳もよく聞こえ目もよく見える、頭がさえていることを形容する)、須髮烏黒(ヒゲ・髪の毛が黒い)、歩履矯健如飛(飛ぶように歩く、足が速い)、元気な姿でした。汪汝佳は老僧の「養生之道」を聞きました。老僧が寺院に植えていた女貞子の樹を指して、こう答えました:「取女貞子蜜酒拌蒸食即可」(女貞子の煎じる汁を濃縮し、蜜丸にし、飲めば良い)。その後、汪汝は老僧が言われた通り、女貞子を飲み続けて、尚且つ、自分が考えて、旱蓮草を配伍し(旱蓮草の煎じる汁を濃縮し、女貞子を蒸熟した後粉末にし、両者を混合して蜜丸にし、朝晩に飲みました)、薬効を増強させました、謂わば「二至丸」を完成しました。飲み続けて半年後、身体が回復し健康となり、精力も付けてきました。

4年間の歳月をかけて、4冊の著書があります。「二至丸」という方剤を≪医方集解≫に編集しました。
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by jbucm | 2011-01-17 15:53 | 中医学 | Comments(0)
 生薬では、同じ植物の違う部位を使うと、薬効が違います。

 枸杞子(くこし)、地骨皮(じこっぴ):枸杞子は枸杞の成熟した果実を乾燥したもので、地骨皮はその根皮です。枸杞子は味甘性平で、滋補肝腎・益精明目の効用を持っています。地骨皮は味甘淡性寒で、清熱涼血の作用があり、特に退虚熱に優れで、陰虚内熱に使われます。
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 檳榔子(びんろうし)、大腹皮(だいふくひ):檳榔子は、成熟した種子で、大腹皮はその果皮です。檳榔子は味苦辛、性温で、効用は殺虫・消積・利気・行水です。大腹皮は味辛、性温で、効用は下気行水です。

 川楝子(せんれんし)、苦楝皮(くれんぴ):川楝の木の乾燥した成熟果実と樹皮です。二者の性味は皆寒・苦ですが、川楝子の効用は舒肝止痛と殺虫で、苦楝皮は毒あり、駆虫薬として使われますが、外用で頭癬や疥瘡の治療もできます。

 柏子仁(はくしにん)、側柏葉(そくはくよう):植物側柏の乾燥した成熟果実と枝葉です。柏子仁は柏実とも言い、味甘・辛、性平で、養心安神・潤腸通便の効用があります。側柏葉は味苦渋、性微寒で、涼血止血・祛痰止咳薬として使われます。なお、外用で脂溢性皮膚炎や抜け毛の治療もできます。

 益母草(やくもそう)、茺蔚子(じゅういし):植物益母草の乾燥した全草と果実です。益母草は味苦・辛、性微寒で、活血祛瘀・利尿消腫の効用をもち、月経不順などの婦人病によく使われます。茺蔚子は味甘、性微寒で、活血調経の効用を持つほかに、涼肝明目の効用もあるので、肝熱頭痛や目赤腫痛に適用されます。

(李)
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by jbucm | 2011-01-13 11:16 | 中医学 | Comments(0)

補腎壮陽スープ②

こんにちは、周です。今回は補腎壮陽スープ②を紹介します。

②毛豆痩肉湯(枝豆と豚もも肉スープ)

功効:補腎益気、健脾利湿
材料:枝豆(皮を剥いたもの)100 豚もも肉300 生姜15 (単位 g)
調味料:塩 味の素 胡椒 八角 適量
作り方:
①豚肉は大きめのサイズに切り、湯通をして、水できれいに洗い流す。生姜はスライスにする。
②枝豆・八角を水で軽く洗い流す
③①②を鍋に入れ、1000cc水を加え、武火(強火)で沸騰させた後、文火(弱火)で40分位(肉が柔らかくなるまで)煮る
④塩・味の素・胡椒で味を調える

消化し難いですので(腹脹になりやすい)、胃気弱の者は食べ過ぎないようにしてください。

枝豆(大豆)の薬膳作用を紹介します。
性味帰経:甘・平。帰脾、大腸経
効能:健脾寛中・利水・消腫、解毒
主治:食積瀉痢、脾虚水腫、妊娠水腫、腹脹食滯、瘡瘍腫毒
注意事項:脾胃虚寒の者は要注意です。
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注:未熟な大豆を枝ごと切り取って収穫したものが枝豆です。効能は大豆とほぼ変わらないです。また、ビタミンA、B1、B2、Cは、大豆より枝豆のほうが多く含まれていると言われています。
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by jbucm | 2011-01-10 09:30 | 中国の薬膳 | Comments(0)

新年のご挨拶

  明けましておめでとうございます!

 皆様が今年も健康であり、楽しい一年になりますようお祈りいたします。そして、仕事が順調でありますように願っております。

 当校は昨年、三年コースの「中医中薬専攻科」、一年コースの「中医薬膳専科」と「医学気功整体専科」から合計136名の方が卒業されました。卒業生の皆様が色んな分野で中医学の知識を生かされ、活躍されています。現在、200名あまりの在校生は引き続き、本場の中医学を頑張って勉強していらっしゃいます。

 当校の特徴の一つは、北京本校から直接派遣された長年の臨床経験を持つ教授が講義をしておりますので、教科書では得られない臨床の知識も多く得る事が出来ます。なお、中国の伝統医学を学ぶだけではなく、中国の歴史や文化を学ぶ事もできます。

 中医学にご興味がある方は、是非、日本校で北京本校の本科生と同じく、伝統的な中医学の基礎から、色んな病気の予防や治療する臨床学科まで、本格的、系統的な中医学の授業を受けてみて下さい。なお、来る1月29日(土)の午後2時より、今年春期生の募集説明会を開催致しますので、是非ご参加下さい。 

 それでは、本年も宜しくお願い申し上げます。


(日本校職員一同)
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by jbucm | 2011-01-05 10:00 | 学校行事・お知らせ | Comments(0)