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日本中医学院ブログ


中医基礎理論用語ーー「蔵象」⑦

宣発と粛降(せんぱつとしゅくこう): 「宣発」とは、発散の意味で、肺気が上へ上がることと気体や津液を外へ発散することを指します;「粛降」とは、清粛の意味で、肺気が下降(清気や津液を全身へ散布)することと気道を清潔に保つことを指します。「宣発」と「粛降」は「呼」と「吸」と同じように、協調し合ってそれらの機能を果たせます。病理上でも、互いに影響し合います。

通調水道(つうちょうすいどう): 「通」とは疏通の意味で、「調」とは調節の意味です。「水道」とは、水液の運行及び排泄の通路です。人体の水液代謝は脾の運化・腎の気化機能の他に、肺気の宣発と粛降機能(前条を参考)にも密接な関係があります。なので、「肺主行水」、「肺は水の上源」という言い方もあります。

肺朝百脈(はいちょうひゃくみゃく): 「朝」とは向かう、集まる意味で、「百脈」とは全身の血管のことです。全身の血液が血管を経由して肺に集まり、肺の呼吸でガス交換を行ってから、また心臓に経由して全身へ分散することです。

肺主治節(はいしゅちせつ): 肺の機能の概括です。「治」とは、管理の意味で、「節」とは調節の意味です。肺の「治節」機能は、四つの方面から表します:其の一は、呼吸運動を調節する;其の二は、呼吸運動に随って全身の気機を調節する(肺主一身の気);其の三は、心臓を補助して血液運動を推動と調節する;其の四は、肺の宣発と粛降機能の表しの一つで、津液の輸布・運行及び排泄を調節することです。

肺腎相生(はいじんそうせい): 「金水相生(きんすいそうせい)」とも言い、肺は金に属し、腎は水に属すからです。五行理論によりますと、肺金と腎水は母子関係です。生理上では、肺と腎は相互配合して生理活動を果たせますが、病理上では、肺気虚損すれば、腎気衰弱になり易い、この場合は、「母病及子」といい、一方、腎気衰弱すると、肺虚になり、「子病及母」と言います。

(李)
# by jbucm | 2010-01-08 09:59 | 中医学


新年のご挨拶

新年のご挨拶をさせて頂きます。

皆様が今年も健康であり、楽しい一年になりますようお祈りいたします。そして、仕事が順調でありますように願っております。

最近話題になったのは、「亜健康状態」というのです。WHOの統計によりますと、世界中健康状態(体と心理両方健康であること)に保っている人は10%、疾病に罹っている人は15%です。というのは、75%の人は「亜健康状態」となっています。

 「亜健康状態」とは、病気と健康の間の“半健康状態”のことです。日常的な体の悩みなどを抱えているが、病院での検査では異常な指数がないという状態で、現代医学では、それに対して治療方法がないとうことです。

 人が健康から病気になるまでは、次第に進展する過程があります。この過程におかれている人は「亜健康状態」な人です。こういう時は、体を一定的な調理、調整すれば、健康状態へ戻れますが、一方、もし時機に適って調理、調整しないと、病気までに発展するはずです。

 しかし、いかに調理、調整するでしょうか。実は、方法が沢山あります。例えば、薬膳、食養、気功、推拿、運動等々。その中、飲食の調整は最も重要なことです。人は、毎日食事しなければならないからです。というのは、日頃いかに科学的、合理的な食事を摂るのが焦点です。当校の「中医薬膳科」コースは、皆にこの方法を教えています。国民の健康と長寿の為、より多くの方々が食養、食療、薬膳を勉強されるように、心より期待しております。

 なお、気功・推拿・運動などにご興味がある方には、当校の「医学気功整体専科」をお薦めです。実は、自分の健康について関心をするから、みんなの健康へ繋がりがあります。医学気功整体専科では、気功実技を通して、まずは、ご自分の健康の維持・増進が図れています。気功の基本動作の練習で、形や動作を覚え、そこから、他人を健康にしてあげられます。土曜日の動功(身体を動かす気功)から始まる医学気功学の授業は、最近、大変人気な授業になっています。

 また、当校の「中医中薬専攻科」は三年コースで、中国の伝統医学を学ぶだけではなく、中国の歴史や文化を理解する事もできます。講義は、北京本校から直接派遣された長年の臨床経験を持つ教授が行われますので、教科書では得られない知識も多く得る事が出来ます。

 日本にいながら、北京本校の本科生と同じく、伝統的な中医学の基礎から、色んな病気の予防や治療する臨床学科まで、本格的、系統的な中医学の授業を受けるのが、当校の特徴の一つです。北京本校の教授の講義を受講できる日本での勉強をする事は、中医学専門家への早道だと言えますでしょう。

 それでは、本年も宜しくお願い申し上げます。

(日本校職員一同)
# by jbucm | 2010-01-05 10:00 | 中医学


年末年始休業のご案内

        年末年始休業のご案内
 
 北京中医薬大学日本校年末年始休業を下記の通り案内させて頂きます:

 12月29日(火)〜1月4日(月)は冬期休暇とさせていただきます。

 1月5日(火)からは、通常通りの業務を始めさせて頂きます。ブログも1月5日(火)から再開いたします。

 北京中医薬大学日本校のブログは、2009年も多くの方にご訪問とご支援をいただき、ありがとうございました。来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 皆様が、2010年も素晴らしい一年になりますよう、日本校の職員一同、心よりお祈り申し上げます。
# by jbucm | 2009-12-28 10:30 | 学校行事・お知らせ


中薬対聯

こんにちは、今回は「中薬対聯」の話です(対聯にいついては、2008年12月28日のブログご参照ください)。

中国民間では、中薬名を用いて書いた「対聯」=「薬聯」が語り伝えられています。例えば:「郁李仁行百歩与紅花重楼相会、山木通別雲母同菊花海南成親」「稚子牵牛耕熟地、将軍打馬過常山」「鼓架鼓架、陳皮不能敲半下(夏)」「紅娘子生天仙子、一副生化湯」「女貞子産劉寄奴、二包止迷散」。今回はそのエピソードを紹介します。

清の時代詩人・袁牧氏は、外遊先で、寺の和尚(お坊さん)から、ある「対聯」の「下聯」を求められました。その「対聯」は民族英雄・岳飛の率いた軍隊で使われた「堂鼓」に関するものでした。「堂鼓」は迫害された岳飛を偲ぶ為、和尚の恩師が収蔵したもので、年月を経て、暴風雨の被害が受けられ、「堂鼓」を保管していた「鼓楼」が崩壊し、「堂鼓」が壊されました(鼓架が折れ、堂鼓が土の中に半埋め状態となった)。恩師が「堂鼓」を見ながら、寂しそうな、{「鼓架鼓架、陳皮不能敲半下(夏)」、必ず「下聯」を書ける人が見つけ、鼓楼を修復し、堂鼓を掘り出し復元して}との遺言を残してなくなりました。和尚が恩師の遺志を継ぐようと、千方百計(あらゆる方法)で「下聯」が書ける人を探しました。

袁牧は和尚の話を聞きながら、不思議な「対聯」の「上聯」だなぁと思い、「下聯」が暫く出て来ませんでした。その時、ちょうど家の使用人や衙門役(役所の小使)達が「灯籠」を持ち(「灯籠」は「ちょうちん」で、照明用具です)、主人の袁牧を探しに来ました。すると、袁牧が閃きました、「灯籠灯籠、紙(枳)殻原来只防風」、「下聯」を言いました。

上聯:鼓架鼓架、陳皮不能敲半下(夏)
下聯:灯籠灯籠、紙(枳)殻原来只防風
「対聯」は22文字から構成され、工整準確、琅琅上口(工整正確、朗々口ずさみ易い)だけではなく、陳皮・半夏・枳殻・防風という4味中薬を嵌入しました。まさに世間の人に伝唱される佳作でした。

堂鼓=唐鼓とも書く、現在は中国の演劇、主に武劇で用いる太鼓の一つ、日本の櫓太鼓に似たもので、4本足の台上に上向きに据え、2本のばちで打つ。
中薬対聯_f0138875_16245791.jpg

同じく、清の時代名医・傅青主氏とある老中医の「対聯」を紹介します。
ある老中医が傅青主の「医文」を確かめるため、傅青主の所に訪れました。
老中医:紅娘子生天仙子、一副生化湯
傅青主:女貞子産劉寄奴、二包止迷散
老中医:白頭翁騎海馬、赴常山揮大戟、怒戦草蔲百合、不愧将軍国老
傅青主:何首烏架河豚、入大海操仙茅、逼殺木賊千年、堪称長卿仙人
以上の「対聯」を交わした後、老中医は傅青主が「名不虚伝」(評判に違わない)であることを確信しました。お別れの言葉も、やはり「中医対聯」でした。
傅青主:生地変熟地望常合歓
老中医:望月乗月明定来夜交

それでは、皆さん、よいお年を。

(周)
# by jbucm | 2009-12-28 09:30 | 中医学


中医基礎理論用語ーー「蔵象」⑥

相傅之官(そうふのかん): 『素問・霊蘭秘典論』からの出典で、肺のことです。「相傅」とは、(「君主」を)補助する意味で、こちらは、肺は心の機能を補助する重要な器官で、心肺の(血液を運行する)機能の協調性もとても大事だと示しています。

華蓋(かがい): 肺のことです。「華蓋」とは、もともと帝王の車の上につけた絹がさを指します。『霊枢・九針論』に「肺は、五臓六腑の蓋也」と指摘し、また『難経集注・三十二難』では「肺は華蓋、胸膈に位置する」と注釈してあります。体腔の臓腑の中では、肺が最も高い位置にあり、諸臓を覆い外邪から保護する作用もあるから、華蓋と称されています。

嬌臓(きょうぞう): 肺のことです。「嬌」とはひ弱の意味です。肺は皮毛に外合し、気管支・気管などで外界に通じているので、邪気を感受し易い。なお、肺は、熱にも寒にも弱く、ただの感冒でも咳が出てしまいますので、嬌臓と称されます。

肺気(はいき): 肺の機能活動を指しますが、呼吸の気体も含まれます。

肺陰(はいいん): 肺臓を養う津液のことで、「肺津(はいしん)」とも称します。肺陰は水穀の精気から化生されたもので、肺気と互いに助け合い、肺の正常な機能を維持するのに欠かせないものです。臨床で、肺陰不足の場合は空咳がよく見られます、舌苔も薄白で乾燥する。肺陰がさらに損傷されると、肺燥火盛の証候が現れます。

(李)
# by jbucm | 2009-12-24 10:00 | 中医学

    

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