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日本中医学院ブログ


不入虎穴、焉得虎子

こんにちは、周です。今回は成語故事―不入虎穴、焉得虎子(bu ru hu xue, yan de hu zi)を紹介します。

東漢の時代、漢明皇帝は、新疆ウイグル自治区・鄯善王との親交のために、班超を鄯善へ派遣しました。

班超は何人の部下を率いて、ありとあらゆる辛苦を乗り越え、千里はるばる、新疆ウイグル自治区・鄯善に着きました。鄯善王は自ら班超を出向かい、上客としてもてなしました。王様は班超の訪問意図を説明され、大喜びました。

ところが、匈奴も使者を鄯善に送り込んで来まして、鄯善王の前で東漢の悪口を言いました。王様は匈奴使者の話を聞かれた後、心情が落ち込み悲しみ、班超に接する態度が変わりました。翌日、班超に接見しませんでした、しかも班超を監視するように命令しました。班超が部下と対策を検討し、「匈奴使者を取り除ければ、鄯善王の疑いが吹き飛ばせ、両国の友好関係が築きことができます」と言いました、但し、匈奴側は兵強馬壮(兵が強く、馬が丈夫だ、強い軍隊の形容)、守衛が厳密でしたので、強攻は無理だと思われました。
その時、班超は「不入虎穴、焉得虎子」と言いました。その日の深夜、班超は部下と共に、匈奴使者の駐屯地を奇襲し、勝利が収まりました。その後、鄯善王は真相をわかり、班超と仲直りしました。
鄯善=新疆ウイグル自治区にある地名。
匈奴=東アジアの古代民族の一つ。戦国時代、燕・趙・秦などの国以北で遊牧生活をし、秦から漢の時代にかけて、度々漢民族の国家と対立した。

「不入虎穴、焉得虎子」(虎穴に入らずんば虎児(子)を得ず)とは、「危険を冒さなければ大きなことを成し遂げることはできない」という意味です。

焉= どうして~(疑問) 焉得(どうして得ることができようか)

人生の駆け引きみたいな時がありますよね。理屈をいくら並べても前には進めないです。危険と分かっていても進まなければならない時があります。そんな時にこの言葉を思い出してね。
# by jbucm | 2009-12-21 09:30 | 中国の話


中医基礎理論用語ーー「蔵象」⑤


心血(しんけつ):人体の血液循環の主な内容物です。全身の各組織に営養を与え、心の神志活動にも基礎的な物質を提供するものです。故に心血虚になると、一般的な血虚の症状に加えて、心悸・健忘・不眠・多夢なども見られます。

心陰(しんいん):心臓の陰液で、営血の主な組成部分になります。その生理と病理は、心血と密接な関係があります。なお、肺陰、腎陰などの消長にも関連します。臨床では、多くの陰虚内熱の病証が心・肺・腎などの陰液虧損に関連します。

心腎相交(しんじんそうこう):心が上焦に位置し、火に属すことに対して、腎が下焦に位置し、水に属します。心陽が下降し、腎陽を温暖することがありますが、腎陰が上昇し、心陰を涵養します。正常な場合は、心火と腎水は相互昇降し協調しあい、相対的な平衡を保っています。これが「心腎相交」、又は「水火既済」の表現です。もし腎陰虧虚、或は心火熾盛になると、腎水と心火の間の平衡関係がなくなり、「相済」できなくなるので、心煩・怔忡不安・不眠などの症状が現れ、臨床では「心腎不交証(しんじんふこうしょう)」と呼びます。

受盛之官(じゅせいのかん):『素問・霊蘭秘典論』からの出典で、小腸のことです。小腸が胃から飲食物を受けるから、受盛之官と呼ばれています。

泌別清濁(ひっべつせいだく):小腸の機能です。小腸が胃から飲食物を受けたら、それを消化し、「清」(飲食精微、つまり、営養成分)を吸収し、脾に経由して全身へ運び出す;一方、「濁」(糟粕成分)を大腸又は膀胱へ注ぎ、大小便として体外へ排出します。この過程は、泌別清濁と称します。

(李)
# by jbucm | 2009-12-17 13:35 | 中医学


冬季のスープーその⑤

こんにちは、今回は冬季のスープーその⑤を紹介します。

⑤熟地烏鶏湯(熟地と烏骨鶏のスープ)

功効:填精添髄、補臓益智
材料:烏骨鶏1羽(約500g) 熟地150g 
調味料:紅糖(黒砂糖)150g
作り方:
①烏骨鶏はきれい洗い、内臓などを抜き取っておく
②熟地は縦に切って、黒砂糖とよくかき混ぜた後、烏骨鶏のお腹の中に詰める
③大きい目の炖盅に、②を入れて(烏骨鶏は仰向けの状態)、適量の水を加え、武火(強火)で沸騰させた後、文火(弱火)で2時間炖する
このスープは記憶力の減退(低下)、神疲気短の者に最適です。

紅糖の薬膳作用を紹介します。
性味帰経:甘、温。帰肝・脾、胃経
効能:補脾緩肝、活血散瘀
主治:産後悪露不行(産後の回復)・月経痛・崩漏、脾胃虚弱、風寒感冒
冬季のスープーその⑤_f0138875_15185142.jpg

# by jbucm | 2009-12-14 09:30 | 中国の薬膳


中医基礎理論用語ーー「蔵象」④

君主之官(くんしゅのかん):出典は、『素問・霊蘭秘典論』で、心のことです。「君」とは古代国家の元首のことです。心は五臓の中で最も重要な臓であり、神明を主り、人体生命活動の主宰であるから、君主之官を呼ばれています。

神明(しんめい):高級中枢神経の機能活動である、人の精神・意識・思惟活動を指します。

心包絡(しんぽうらく):心包ともいい、心の外膜であり、絡脈が附随し、気血が流れる通路でもあります。心包は心を保護する作用があり、外邪が心に侵犯する際、心包が先に感受する。例えば、急性病の高熱による神昏・譫語・狂いなどを「熱入心包」と称します。この場合の治療は、「清心」を主とします。弁証の角度から見ると、心包と心は一致であるが、病情の深さと重さが違うだけだと理解しても宜しいでしょう。

心気(しんき):①広義的な心気とは、心の全ての機能活動を指します。主に心臓拍動の強弱、頻度、リズム、心臓の伝導、気血の循環などの状況が含まれ、これらの機能は「心陽」と切り離すことができない。なお、心の神志活動も心気に関連します。②狭義的な心気とは、心臓の血液を推動する機能を指します。

心陽(しんよう):上記の心血管系について心気の機能活動の他に、衛外の陽気を宣通することができます。

(李)
# by jbucm | 2009-12-10 10:19 | 中医学


南轅北轍

こんにちは、周です。今回は寓言故事―南轅北轍(nan yuan bei zhe)を紹介します。

昔、ある人は魏国から楚国へ行こうとしました。彼が沢山お金(旅費)を持ち、馬車・駿馬と技術精湛的車夫(馬車を操る堪能な人)を雇い、目的地へ出発しました。ところが、楚国が魏国の南に位置してあるのに、彼は方向を確認せず、車夫に北へ行かせました。

行く途中で、知り合いの人に「どこへ行きますか」と聞かれ、彼は大声で「楚国へ行きます」と返事しました。「方向が違っていますよ、楚国へ行くなら、北ではなく、南ですよ」を教えられましたが、彼はまったく聞く耳がなく、「大丈夫です、私の馬が優れて、速いですから」と言い返しました。皆が心配しているのに、彼は平気な顔していて、「心配はいりません、私はたっぷり金を持っています」「そんなに難しくないですよ、私の車夫は馬車を操るのが巧みで完璧です」と言いながら、皆の再三の忠告を聞かず、彼はそのままの方向に向かって馬車を北に走らせました。
南轅北轍_f0138875_14135131.jpg


「轅」とは馬車の梶棒のことで、「轍」とは車輪の残した跡のことであります。「南轅北轍」は、轅を南に向けながら、車を北に走らせ、行動と目的が一致しないことを意味します。
中国では、人々よくこの熟語を使って、実際の行動と予定の目標とが正反対になっている状況をたとえます。
# by jbucm | 2009-12-07 09:30 | 中国の話

    

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