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国際中医師標準試験『復習大綱』の質問への答え①『中医基礎理論』

 2017年国際中医師標準試験に向けて、いよいよ本格的に練習問題をし始めなければなりません。過去問(『復習大綱』)についての質問への答えをまとめましたので、2年前と同じく『中医基礎理論』、『中医診断学』、『中薬学』、『方剤学』、『中医臨床学科』、『中医辨証論治』というかたちで、6回に分けてブログに載せます。どうぞ、ご参考下さい。
2月13日に内容を補充しました。

(答えにあります「」は『中医基礎理論』中国語テキストの略称です。

No.10 臓腑陰陽属性の理論について教えてください。

Ans 陰と陽は限りなく分けることができます。臓と腑で見れば、臓は陰で腑は陽です。五臓を陰と陽に分ける場合は、胸部にある心と肺は陽で、腹部にある肝、脾、腎は陰とされます。さらに心肺を陰陽に分けるなら、心が「陽中の陽」、肺が「陽中の陰」となり、肝脾腎の場合は、肝が「陰中の陽」、腎が「陰中の陰」、脾が「陰中の至陰」となります。


No.12 正解はDではないでしょうか?教えてください。

Ans Dの「陰液不足で陽気が相対的に亢進し虚熱を発する」は間違いではないです。ただし、出題の本意では「陽気」に対して「陰気」のことを求められています。なので、Eの「陰気不足で陽気が相対的に亢進し虚熱を発する」のほうが最も適切な答えとなります。

なお、「陰気」とは「陽気」と相対する言い方です。例えば、機能と物質で言うと、機能が陽気で、物質が陰気です;臓腑で言うと、五臓の気が陰気、六腑の気が陽気です;営衛の気で言うと、営気が陰気で衛気が陽気です;気血で言うと気が陽気で、血が陽気です……


No.15「益火の源、以て陰翳を消す」(陰翳:インエイと読むのでしょうか?)はどのような意味でしょうか?

Ans陰翳(インエイ)とは陰影意味で陰の病証を指します「益火の源、以て陰翳を消す」真陽不足による陰寒の病証に適応される治療法です。「火の源」は真陽で、腎陽のことです。


No.16「陰病は陽を治す」の病理基礎はどれか?陰病が陽を治すとはどういうことでしょうか?また、答えの陽虚になる意味を教えてください。

Ans八綱では、全ての病証を「陰病」と「陽病」に分けることができます。寒性の病証は「陰病」に属します。また、寒性の病証には、大きく陰盛(実証で、邪気によるもの)と陽虚(虚証で、陽気虚弱によるもの)2種類が含まれます。

本題の「陰病は陽を治す」というのは、実は、上記のNo.15と同じ意味で、陽虚の場合に適しています。見た目は陰病ですが、本質が陽虚(例えば、脾胃虚寒証)のため、「陽を治す」とします。


No.20 骨疼痛、頭髪脱落は腎のトラブルで、甘味を取り過ぎたために…は脾と「相乗」関係になったと理解すべきですか?

Ansそうです。P23上から7行目に「気有余、則制己所勝…」との記載があります。甘味を取り過ぎると、脾気が旺盛になり、腎を相乗すると理解してください。


No.77 気の主は肺、気の根は腎、気の本は脾でOKですか?

Ans「気の主は肺、気の根」はOKですが、「気の本は脾」という言い方はありません。


No.80 胃の関とはどういう意味ですか?腎と胃の関係を詳しく述べている箇所は教科書ではどこにありますか?

Ans「腎は胃の関」の意味について、「関」は「せき」のことで関所意味です。胃が受納した水液が主に腎を経由して体外に排出されることを指します。教P41の上から6行目に記載があります。


No.99 中精の府とはどこですか?

AnsP44中段に記載があります。『黄帝内経』では「胆」を「中精之府」と称しています。胆は六腑の一つですが、奇恒之腑でもあります。他の腑と違って、水穀を伝化するではなく、精汁(胆汁)を貯蔵及び疏泄するので、故に「中精之府」と称されます。『霊枢注証発微・巻一』に「他の腑に受けるものは濁の物だが、胆だけ五臓の精汁を受ける」と書いてあります。『甲乙経・巻一・第三』は胆を「清浄の腑」と称しています。


No.102 五体とは何ですか?

Ans形体」のことで、筋、脈、肉、皮毛、骨のことです。


No.108「精血互生」を反映する、の意味を教えてください。

AnsP51「肝と腎の関係」の部分をご参照ください。


No.125 人体の体温を恒常的に維持するのは気の温煦作用なのは分かりますが、涼潤との関係は何ですか?

Ans教科書には書いてないが、ここの質問は主に「人体の体温を恒常的に維持する」に対して、体温の調節に気の温煦作用の他にも身体のいろんな機能が作用していることを説明しています。「温煦」の反対作用なので、「涼潤」といいます。

No.129 水穀の清気と水穀の悍気の違いは何ですか?

Ansどちらも水穀から化生されるものですが、水穀の清気はおもに身体を養う「営気」になり、水穀の悍気はおもに身体を守る「衛気」になります。「悍(かん)」は強い意味です。

No.136「散精」の精は水穀の精微のことでしょうか?

Ansそうですね、「散精」とは脾が水穀精微を全身へ輸布することを指します。

No.187「継発性の病因」の意味は?

Ans日本語では、「続発性」と言います。病理産物(病気によって体内に溜まったもの)が致病の素因となることと理解してください。

No.189 最も心神を蒙蔽しやすい病邪とは?

Ans心神を妨げる病邪のことです。「痰迷心窮」や「痰火擾心」などの証から考えた方が分かりやすいです。これらの証は、「痰」による精神的病証です。P101の下から3~2行目に記載があります。

No.199200 どこを見れば良いか教えて下さい

Ansとても単純で基本的な用語です。教科書に明記してないが、P132の上にあります標本に関する記載に新病や継発病(日本語では「続発病」と言います)のことについて書いてあります。なお、「合病」に関しては、六経病の伝変関係をご参考下さい。『中医診断学』中国語教科書P136の一番下~P137の部分をご確認下さい。

No.203 どこを見れば良いか教えて下さい

AnsP120の上から8行目に「各臓の陰陽失調、久必及腎」と記載があります。

No.205 疾病の基本病機、西洋医学的な考えだと「臓腑の機能失調」を選びたくなりますが、機能が失調する前に陰陽のアンバランスがあるとの考え方なのでしょうか?

Ansそうです、教P108上から25行目のところをご参照ください。

No.216 肝は不臓血が出血に至るのはなぜですか?

AnsP37の下から13行目に「肝の蔵血は、出血を防止する重要な作用である」と記載があります。本来血液が肝臓に戻るのに、戻らなかったら、溢れたりしたら、出血が起こります(例えば、月経過多)。

No.218「気虚血熱」は「気虚発熱」と同じですか?

Ansいいえ、「血熱」は熱証による出血などの症状を指しますが、発熱しないときもあります。なお、「気虚血熱」という言い方はないです。「気虚発熱」は気虚による発熱のことです。

No.229 問題の意味がよく理解できません。五志とは、喜()、怒()、思()、憂()、恐()で、六気とは風、寒、暑、湿、燥、火の正常な状態ですよね?

Ans五志と六気についての理解はOKです。情緒(五志)の過激、六淫などの邪気が体内に籠ると皆「化火」します。教P118 上から6行目に「邪鬱化火」、同じページ上から10行目に「五志過極化火」についての説明があります。

No.230 どのように考えればよろしいのでしょうか?

Ans熱陥心包とは、熱(火)邪が心包に入ることを指します。外邪なので、内火に属さない。

No.232 どこを見ればよろしいのでしょうか?

Ansこの問題の内容についても基礎理論の教科書に明記してないが、基礎理論の「病因・六淫、診断学の「八綱辨証表裏や、内科学で習った各外感病証に、表裏伝変の話がありますので、それらをご参考下さい。

No.263 用熱遠熱、用寒遠寒を教えて下さい

Ans 因時制宜の内容で、教P136の上から3行目~。「用熱遠熱」とは、熱い時期(夏)に寒邪を受けたとしても、辛温発散のものを使い過ぎではいけない、気陰を損傷しないためです。「用寒遠寒」寒い時期(秋冬)に熱邪を受けたとしても、寒涼のものを使い過ぎではいけない、陽気を損傷しないためです。

No.264 どの症状から腎と関わりがあるのか教えて下さい

Ans:「動くと気急(呼吸促迫)及び喘促(喘ぐ)が発作する」などは、腎不納気の症状です。教P126の下から13行目をご参考下さい。

No.266「厥冷不仁」とは?

Ans「不仁」は痺れたり感覚を失ったりすることで、「厥冷」は冷え過ぎることです。ですから「厥冷不仁」は、四肢がとても冷えていて感覚がない状態のことです。

No.271 教えて下さい

Ansこの問題は『診断学』or『小児科』の問題です。『中医診断学』中国語教科書P52下から7行目をご参考下さい。なお、昔では回虫が小児によく見られる寄生虫であり、『中医小児科』の講義で詳しく説明があります。

No.272273 「陰盛格陽、陽盛格陰」、「陰損及陽、陽損及陰の違いを教えて下さい

Ans「陰盛格陽、陽盛格陰」とは、身体の中に陰(陽)の邪気が盛んになり、身体の陽気(陰気)を中に入ることを阻み、表面では陽盛(陰盛)の症状が現れることを指します。「格」とは拒否、阻むという意味です。

「陰損及陽、陽損及陰」とは、身体の陰(陽)の正気が損なわれ、陽(陰)に影響を及ぼし、陰陽両虚の状態になることを指します。

No.276 血不生気の意味は血は気を生むことができないという意味ですか?

Ansそうです、血は気の担体(キャリア)であり、又は気に充分な栄養を与えること(つまり、物質がエネルギーに化生すること)となっています。教P62の上から15行目~「血為気之母」の部分をご参考下さい。

No.286 脾虚肝乗と肝気乗脾の違いは? 「肝気犯胃」とは

Ans「脾虚肝乗」とは、先に脾虚があって、肝気に「乗」されることです。「肝気乗脾」とは、先に肝気旺盛し、横逆して脾の機能を影響し、脾の症状が現れることです。相乗関係に二つのパターンがあります(P22 下から62行目をご参考下さい)

なお、「肝気犯胃」とは、肝気旺盛し、横逆して胃の機能を影響し、胃病の症状が現れることです。症状については、『中医診断学』P128の「肝脾不和証」と「肝胃不和証」をご参考下さい。

No.292 面色萎黄の単語に反応して「脾虚」を思い浮かべましたが、脾虚による血虚→血虚の症状の中でも心悸、失眠多夢など心の症状があるので正解は「心血不足」になるのですね?

Ansそうです。この症例は顔色以外の症状は全て「心血不足」の症状です。確かに「心血不足」の顔は「蒼白・無華」ですが、実際の情況は様々あります(例えば、患者が心血不足の同時に脾虚も兼ねる、なお、患者本来の肌の色や、カルテを記入する医者の視覚差などもあります)。

No.293 何を根拠に帯脈を選べばよろしいのでしょうか?

Ansこの問題は『経絡』に関する問題す。基礎理論の講義であまり話してないですが、奇經八脉の機能で選びます。『中医婦人科』の講義で詳しく話します。

No.308 壮水の主、以て陽光を制すとはどういう意味ですか?

Ans この言葉はNo.15「益火之源、以消陰翳」(扶陽益火で虚寒証を治す)の治療法の反対の方法であり、滋陰壮水で虚熱証を治す方法です。教P17下から9行目~をご参考下さい

No.340 体は陰にして、用は陽とはどういう意味ですか?

Ans肝臓の話です。「体」とは機体で「用」とは功用(機能)のことです。肝臓自体は(腑に対して)陰に属すが、その機能は陽性です。教科書に記載してないが、韓先生と金先生の講義では、この話をしております(よく試験問題にでる内容です)。

No.368 同源とはどういう意味ですか?

Ans肝腎同源のことです。古代では、十干〔甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸〕を五臓六腑と次のように配属しています:甲(胆)乙(肝)、丙(小腸)、丁(心)、戊(胃)、己(脾)、庚(大腸)、辛(肺)、壬(膀胱)、癸(腎)。よって、肝のとこを「乙」、腎のことを「癸」と称しています。

No.377378 教えて下さい。宇宙の本源の気とは?

Ans気の運動の形式について、人体に対して宇宙は大きな空間であり、内と外は存在しないので、そこで気の動きは「出入」と言わずで、「聚散」と言います。「宇宙の本源の気」とは「天地の気」を指します(P54下から1512行目をご参考下さい)


No.406 教えて下さい

Ans奇經八脉の作用です。教P79下から6行目をご参考下さい。


No.422 記載されている場所がありましたら教えて下さい

Ans No293の答えをご参考下さい。


No.430 甘寒涼潤とはどのような治療方ですか。冷すのに甘を使う意味は何ですか?

Ans甘味で寒涼性の生薬を使い、陽盛の証を治療する方法(正治法)です。特に甘味を選ぶではなく「甘寒」を強調しているということです。


No.431432 一気一病、症状が相似するとの意味がよくわかりません。

Ansこれは癘気(れいき)の発病特徴です。教科書に「一気一病」という言葉はありませんが、意味は「症状は似ているが、一種の癘気に一つ病名を付ける」ことを指します。癘気に関しては、教P97~98で確認してください。「病邪が相兼して病となる」とは、六淫が病気を起こす特徴です。意味は、2種類以上の邪気が同時に人体に侵入することで、風寒、暑湿などがあります。


No.459460 どこを見ればよろしいのでしょうか?

Ansとても単純な問題ですが、それほど重要な問題と思わないでください。教科書に明記してないが、教P107邪盛正衰と疾病転帰の部分及び 教P99飲食不節の部分をご参考下さい。


No.461 どこかに記載ありますでしょうか?邪正相搏」、「正虚邪恋の意味を教えて下さい

AnsP107 下より5行目~をご参考下さい。「邪正相搏」邪気と正気が互いに戦うことです。「正虚邪恋」正気が虚弱し、邪気が(虚弱している身体に)附着することです。


No.473 脱液の定義は何ですか?載っている場所があれば教えて下さい。

Ans「脱液」とは陰液枯涸とも言います。教P114津液不足の部分をご確認ください。


No.485486 教えて下さい。

Ans恬淡虚無(てんたんきょむ)」とは、静かで、落ち着いている状態を保つこと、あっさりしていて無欲であることです。精神状態を調養することです。教P130下より14行目に記載があります。

「春夏養陽、秋冬養陰」は『黄帝内経素問・四気調神大論』にある言葉です。春夏に陽気が上昇し、秋冬に陰気が増えることは自然のことですので、人の生活もそれに順応すれば、病気を防ぐことができます。


No.489.490 の解答ですが、どちらもA熱因熱用になってますが、それであってますか?

Ans「反治法」と「従治法」は同じことですので、答えはどちらもA熱因熱用となります。

普通の方法と反対する治療法なので、「反治法」と言います。なお、病状の性質と同じ性質のものを使うため、「従治法」という言い方もあります。

ちなみに、「熱因熱用」の意味は、熱の証に温熱のものを用いて治療するということで、「反治法」(「従治法」)に属します。なお、「正治法」は「逆治法」とも言います。教P132をご確認下さい。


No.495 教えて下さい。

Ans併補は、同時に補うという意味です。陰陽併補は陰陽両方虚弱している時の治療法です。


(教務担当:李)


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by jbucm | 2017-01-21 19:18 | 質問の回答 | Comments(0)

薬浴


こんにちは、周です。今回は薬浴を紹介します。

薬浴とは、(入浴する際)お湯に薬物(中薬)の煎じ液・浸け液を入れ、或いは直接中薬の蒸気が全身を浴びる・患部を熏洗する方法であります。薬浴は温熱作用の以外に、主に薬物(薬効)作用があります。有効成分は体表や呼吸道粘膜を通して体内に進入して、舒通経絡(経絡をスムーズに流れる)・活血化瘀・祛風散寒・清熱解毒・袪湿止痒作用を発揮します。現代薬理では、人体の免疫力を向上させる効果があることを証明します。

中国では古くから薬浴を使われています。周の時代から香湯浴(佩蘭の煎じ液を使って体を潔)、宋の時代では芳香浴を流行っていました。季節・時期によって中薬が異なります、例えば春節は「五香湯」(蘭香、荊芥頭、零陵香、白檀香、木香)、春季(2月2日)は「枸杞煎湯」(枸杞煎じ液)、夏季は「五枝湯」(桂枝、槐枝、桃枝、柳枝、麻枝)。清の時代では、薬浴は健身益寿(身体を鍛えて健康で長生きする)の手段だけではなく、疾病の治療や康復(リハビリ)にも広く使われています。

常用される薬浴は浸浴・熏蒸・燙敷があります。養生としては浸浴をよく使われています。浸浴・熏蒸・燙敷を紹介します。
浸浴:中薬(使用する薬材)をガーゼで包む、10倍の水を足して、20分浸泡してから、30分煎じる。浴水(入浴するお湯)に煎じ液を入れて、全身浴或いは半身浴・局部浸ける。1剤は2~3回使用することができ、毎回20分。
 熏蒸:中薬(使用する薬材)をガーゼで包む、大きい目の容器(鍋)に入れて煎じる。煎じる際に出た蒸気を局部に浴びる。蒸気室で全身浴もできる。
 燙敷:中薬(使用する薬材)をガーゼで包む(2つに分ける)、蒸し器或いは蒸籠で蒸して(加熱)、2つを交替して局部(患部)に燙貼する(患部に温められた中薬を貼る)。毎回20分、1日2~3回、2~3週は1クールである。治療や康復(リハビリ)に用いる。

薬浴方を紹介します。
護肌美容方:緑豆・百合・氷片 各10g、滑石・白附子・白芷・白檀香・松香各30g。上記のものを研磨して入浴剤として使う。
食酢熏蒸方:酢と部屋の広さは3~5ml/㎡の計算で、2~3倍の水を薄めて加熱・蒸発させる(蒸発を部屋中へ充満させる)。1日1回、3~5日を連続する。インフルエンザを予防することができる。
葱白燙方:葱白500g、麝香2.5g。葱白は千切りする。上記のものを2等分にしてガーゼ袋に入れて、臍に置きアイロンで当てる。袋は30分後交替する。癃閉に有効する。
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by jbucm | 2017-01-16 09:30 | 中医養生 | Comments(0)

新年明けましておめでとうございます!

 明けましておめでとうございます!

 皆様が今年も健康で、楽しい一年になりますようお祈りいたします。そして、仕事が順調でありますように願っております。

 北京中医薬大学は本日より通常業務が始まりますので、ご質問などがございましたら、お気軽にどうぞ。

 なお、当校の特徴は、日本校で北京本校の本科生と同じように伝統的な中医学を基礎から臨床まで勉強できます。色んな病気の予防や治療する臨床学科を系統的、かつ本格的な授業を受けられます。来る2月4日(土)の午後2時より、今年春期生の募集説明会を開催致しますので、是非ご参加下さい。 

それでは、本年もどうぞ、宜しくお願い申し上げます。

(日本校職員一同)
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by jbucm | 2017-01-05 10:08 | 中医学 | Comments(0)

北京中医薬大学日本校年末年始休業のお知らせ



  北京中医薬大学日本校年末年始休業は下記通りです。

  12月29日(木)〜1月4日(水)は冬期休暇とさせていただきます。

  1月5日(木)からは、通常通りの業務を始めさせて頂きます。ブログは1月5日(木)から再開いたします。

  いつも北京中医薬大学日本校のブログ記事をお読み頂き、ありがとうございます。来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

  では、新しい年が皆様にとってよい年でありますようお祈り申し上げます。

  Merry Christmas And Happy New Year!


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by jbucm | 2016-12-26 10:00 | 学校行事・お知らせ | Comments(0)

『黄帝内経』筆記 病因病機学説(三十四)

素問・至真要大論篇第七十四(選び出す)⑤

【原文】帝曰:勝復之変、早晏何如①?岐伯曰:夫所勝者、勝至已病、病已慍慍、而復已萌也。夫所復者、勝尽而起、得位而甚、勝有微甚、復有少多、勝和而和、勝虚而虚、天之常也②。

帝曰:勝復之作、動不当位、或後時而至、其故何也③?岐伯曰:夫気之生、与其化、衰盛異也④。寒暑温涼盛衰之用、其在四維⑤。故陽之動、始於温、盛於暑;陰之動、始於清、盛於寒。春夏秋冬、各差其分⑥。

故『大要』曰:彼春之暖、為夏之暑、彼秋之忿、為冬之怒⑦。謹按四維、斥候皆帰、其終可見、其始可知⑧。此之謂也。帝曰:差有數乎?岐伯曰:又凡三十度也⑨。帝曰:其脈応皆何如?岐伯曰:差同正法、待時而去也⑩。

『脈要』曰:春不沈、夏不弦、冬不澀、秋不數、是謂四塞⑪。沈甚曰病、弦甚曰病、澀甚曰病、數甚曰病、參見曰病、復見曰病、未去而去曰病、去而不去曰病、反者死⑫。故曰:気之相守司也、如権衡之不得相失也。夫陰陽之気、清靜則生化治、動則苛疾起⑬、此之謂也。

【注釈】①勝復之変、早晏何如:勝気と復気の変化に、発生する時間との関係は如何?「早晏」とは時分の意味である。

②夫所勝者、勝至已病、病已慍慍、而復已萌也。夫所復者、勝尽而起、得位而甚、勝有微甚、復有少多、勝和而和、勝虚而虚、天之常也:所勝の気について、勝気が到来すると発病し、病気が慍積(慍慍:溜まる)すると、復気が萌え始まる。一方、復気は勝気が終了する時に起こり、復気の時期になったら甚だしくなる。勝気に微甚(酷さ)があり、復気にも少多(多さ)がある。勝気が緩和であれば復気も緩和になり、勝気が虚であれば復気も虚になる、これは自然変化の規律である。

③勝復之作、動不当位、或後時而至、其故何也:勝気と復気の発生及び冴える時期に不適切や、遅れる場合もある、それは何故?

④夫気之生、与其化、衰盛異也:気の発生と変化は、その盛衰状況によって異なる。

⑤寒暑温涼盛衰之用、其在四維:寒暑温涼の盛衰作用は、その四維にて現す。「四維」は、四肢または東南・東北・西南・西北の四方で四隅ともいうが、ここの「四維」は「辰・戌・丑・未」と言う四季の最後の月(つまり3・6・9・12月で季節の変わり目)を指す。

⑥故陽之動、始於温、盛於暑;陰之動、始於清、盛於寒。春夏秋冬、各差其分:故に陽気の発動は、温(3月)に始まり暑(6月)に盛んになる、陰気の発動は、清(9月)に始まり、寒(12月)に盛んになる。春夏秋冬四季の間、一定な時差がある。

⑦故『大要』曰:彼春之暖、為夏之暑、彼秋之忿、為冬之怒:故に『大要』が曰く:春の温暖が夏の暑熱になり、秋の厳しさが冬の凛冽になる。

⑧謹按四維、斥候皆帰、其終可見、其始可知:慎重に四季の変化を察知し、気候の回帰を待ちながら、(季節の)終りが見え、その始めも知ることができる。

⑨帝曰:差有數乎?岐伯曰:又凡三十度也。帝曰:四時の差に常數があるか?岐伯曰:多くは三十日である。

⑩帝曰:其脈応皆何如?岐伯曰:差同正法、待時而去也:帝曰:その変化に脈象の反応は如何?岐伯曰:その差は正常時と同じで、時期が過ぎたらその脈もなくなる。

⑪『脈要』曰:春不沈、夏不弦、冬不澀、秋不數、是謂四塞:『脈要』が曰く:春に沈脈、夏に弦脈、冬に澀脈、秋に數脈が無いことを「四塞」と謂う。「塞」とは、塞ぐ、不通の意味である。「四塞」とは、四時の気が交通しないことを指す。『素問経注節解・巻五』の説明:人体の経脈は、四時に応じて、春弦・夏数・秋澀・冬沈という違いがある。しかし、その気が常に上下前後で流通している。そのため、春脈は弦であるが、その気が冬の気から受け継ぎ、また夏の気まで流れ込む。正常の場合、春脈は弦のなかに沈、夏脈は数のなかに弦、秋脈は澀のなかに数、冬脈は沈の中に澀を兼ねるが宜しいである。これは上下の気が相通と謂う。そうでなければ、「四塞」となる。本段は『四気調神大論』を参照するべきである。

⑫沈甚曰病、弦甚曰病、澀甚曰病、數甚曰病、參見曰病、復見曰病、未去而去曰病、去而不去曰病、反者死。故曰:気之相守司也、如権衡之不得相失也:沈脈・弦脈・澀脈・数脈それぞれが過ぎたものは病脈である。また、まちまちの(四時の気に従わない)脈・(四時の気が)去っているがその脈がまた来るもの・(四時の気が)未だ去ってない(脈が)先に去るもの・(気が)先に去って(脈が)去らないものなど、これらは病脈である。脈が気と逆になるものは死脈である。故に(脈は四時の)気に従ってある。これは権と衡の器のように間違ってはいけない。

⑬夫陰陽之気、清靜則生化治、動則苛疾起:陰陽の気が清靜ならその生化が正常である、騒動なら疾病が起きる。

(続く)

(李)
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by jbucm | 2016-12-19 09:30 | 中医学 | Comments(0)

宮廷謀殺案と附子

こんにちは、周です。今回は宮廷謀殺案と附子の話です。

≪漢書≫によりますと、漢宣帝(紀元前73~49年)の時期、大将軍・藿光の妻は娘が皇后をさせるため、当時の皇后・許氏を謀殺しようと思っていました。藿光の妻は御医(侍医)を命令して、附子を混入した湯剤を分娩後の許皇后に飲ませました。その湯剤を服用した許皇后は昏迷し、死亡しました。                                           

附子はキンポウゲ科Ranunculaceaeのカラトリカブトの子根で、大辛・大熱・有毒(劇毒)です。生用すると作用が激烈で回陽救逆に働き、亡陽虚脱に短期間のみ使用します。一般には炮制したものを用います。炮制した附子は毒性があまりなく、回陽救逆・補火助陽・散寒止痛作用があります、臨床上では、他の中薬を配伍して幅広く使われています。
例えば四逆湯(附子、炙甘草、乾姜)、右帰丸(熟地黄、山薬、枸杞子、阿膠、兎絲子、杜仲、山茱萸、当帰各、肉桂、附子)、八味地黄丸(腎気丸:乾地黄、山茱萸、山薬、沢瀉、茯苓、牡丹皮、桂枝、附子)、真武湯(茯苓、芍薬、白朮、附子)、麻黄附子細辛湯(麻黄、附子、細辛)。
久煎(煎じる時間は長くする、約1時間)すると、毒性を減少することができます。

医聖と称されている張仲景は附子を操っていました。彼が著した≪傷寒論≫に附子を使うものは20方、37条があります、≪金匱要略≫には11方、16条があります。

≪本草正義≫に附子について、こう記載されています:其性善走、故為通行十二経純陽之要薬、外則達皮毛而除表寒、裏則達下元而温痼冷、徹内徹外、凡三焦経絡、諸臓諸腑、果有真寒、無不可治。

現代医学は附子の薬理を研究しました。合成率が低下しているDNAがアップさせる(合成促進作用)、性ホルモンを調整する、新陳代謝促進、強心作用、血管拡張、全身の血管循環促進、抵抗力を増強する、神経を調整する、祛寒作用(寒冷を取り除く)。

中国では、心不全を治療する熟附子の注射液(筋肉注射用)も開発しました。

最後に附子を使う薬膳料理を紹介します。
附子炖羊肉:虚寒証(特に老人)に有効です。
作り方:500g羊肉は水で洗い、食べやすいサイズに切り、土鍋に入れて適量の水を加える。30g附子、適量の小茴香・大茴香・桂皮・甘草・生姜などの佐料を足して、武火(強火)で沸騰したら文火(弱火)で2~3時間炖する。
補充説明:2~3時間を弱火で加熱したら、毒性(アルカロイド)を減滅することができます。この薬膳料理は冬季に身体が虚弱老人、咳嗽気喘、体温低下、畏寒、肢冷(手足の冷たい)者に適用します。
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by jbucm | 2016-12-12 09:31 | 中医学 | Comments(0)

『黄帝内経』筆記 病因病機学説(三十三)

素問・至真要大論篇第七十四(選び出す)④

【説明】本段は、標本中気の従化及び疾病との相反関係を述べている。「標本中気」は運気学説の内容の一つで、注釈①に説明したように「標」は三陰三陽(少陽・太陽・陽明・少陰・太陰・厥陰)を指し、「本」は六気(風・寒・暑・湿・燥・火)を指す。そこで、本の下、標の上にあって、標本と表裏関係を持つ気を「中気」とされる。標本の気はそれぞれ陰陽寒熱の性質を持つ。人は行き交う天地の気の中に存在している、そして天地の気が四方八方に動き千変万化しているから、人と自然界と間に密接な関係が形成する。通常では、人体は天地四時陰陽の変化に適応し、発病しない。だが、天地に非常な変化があったら、邪気を受けて発病する可能性がある。六気に標本があるため、その従化関係も幾つがある:本に従う、標本に従う、標本に従わない、標本に従わなく中気に従う等々ある。下記は例である:
  本に従う病証:
①少陽:本は火、標は陽、中気は厥陰(風木)である。口苦、頭痛、耳聾(難聴)、眩暈などの症状は、火の本気から生じたものである。
②太陰:本は湿、標は陰、中気は陽明(燥金)である。腹脹泄瀉、浮腫などの症状は、湿の本気から生じたものである。
上記の①②とも標と本が同気に属するから、(症状を)「従本化」とする、中気も本気に従うとなる。

本と標に従う病証:
③太陽:本は寒、標は陽、中気は少陰(君火)である。
④少陰:本は熱、標は陰、中気は太陽(寒水)である。
上記の③④は標と本が異なる気に属するから、症状は「従本化寒(熱)」と「従標化熱(寒)」両方みられる。故に太陽と少陰の傷寒はどちらも寒化証と熱化証がある。

中気に従う病証:
⑤陽明:本は燥、標は陽、中気は太陰(湿土)である。陽明は陽の極めであり、「陽極則ち陰が生まれる」、故に、燥より湿の症状が現れてくる。
⑥厥陰:本は風、標は陰、中気は少陽(相火)である。厥陰は陰の極めであり、「陰極則ち陽が生まれる」、故に、木より火の症状が現れてくる。
上記の⑤⑥の病証は標にも本にも従わず、中気の太陰又は少陽に従う。

なお、六気の変化には、勝、復、太過及び不及などがある。故に、六淫より引き起こす病証も、本によるもの、標によるもの、中気によるものなどがある。

要するに、標本中気と陰陽六気の理論は人体(形)が自然界(気)への感応規律を説明し、疾病の病因病機に対する認識や、治療法への導きとなる。

標本中気逆従の治法に関して、次のように説明している:病が本によるものは、その本を治療する;病が標によるものは、その標を治療する;病が中気によるものは、その中気を治療する;病が本と標によるものは、標本兼治する。所謂「逆従治則」は、逆治法と従治法が含まれる。逆治法とは、寒を以て熱を治す、熱を以て寒を治すなどがある、それは薬性が疾病の徴候が逆であるから「逆治法」と言う、これを「正治法」とも称する。一方、従治法とは、寒を以て寒を治す、熱を以て熱を治すなどがある、それは薬性が疾病の一部の徴候(仮相)が同じであるから「従治法」と言う、これを「反治法」とも称する。「従治法」は真寒假熱や真熱假寒など複雑な病証の治療に使われる。

本段は、六気が勝の時の脈象変化(例)もあげている。一年中六気の変化は当然人体の臓腑気血を影響する。六気が勝(主気)の時が三陰三陽に反映する脈象は次の通り:厥陰の気は風木で、臓は肝であるから、其の脈は弦である;少陰の気は君火で、臓は心であるから、其の脈が鈎となるなどなど。これらは疾病の診断や予後の判断の参考となる。なお、「脈至而従、按之不鼓、諸陽皆然。諸陰脈至而従、按之鼓甚而盛也」との説は、脈と証が一致しない「真寒假熱証」と「真熱仮寒証」の診断に理論的依拠を提供している。



(李)
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by jbucm | 2016-12-05 09:53 | 中医学 | Comments(0)

孫思邈与蘆照鄰

こんにちは、周です。医家・孫思邈逸話を紹介します。

第四話:孫思邈与蘆照鄰

唐高宗咸亨4年(670年)に、高齢(90歳)の孫思邈は光徳坊で30歳位の蘆照鄰を接待しました、蘆照鄰は初唐文壇四傑の一人で、字は昇之、号は幽優子と言い、本籍は幽州范陽(今の北京大興)、四川新都県尉(官位)に就いていました。用事があるので上京し、光徳坊に泊まり、そして偶然に会うことができました。
蘆照鄰は、「蒼生太医」の孫思邈の医術と博学を敬服して、「道合今古、学有数術……推歩甲子、度量乾坤、飛錬石之奇、洗腸胃之妙」称し、一度会えたらいいなぁと思いました。彼は全身に痒みを自覚し、数多くの診察を受けましたが、好転しませんでした。孫思邈に診察を求めました。
孫思邈:確かに悪疾を患っていますね。
蘆照鄰:どんな病?
孫思邈:癩病(ハンセイ病)です。
癩病が不治な病気だと彼は知っていました。
蘆照鄰:先生は治せますか?
孫思邈:ご安心下さい。私は全力尽くして治療してみますので、暫くここに住んでいて、そうしたら私は随時診察でき、面倒も見られます。
そして彼は先生の好意に甘えて光徳坊に住みました。

ある日、二人は閑談しました。
蘆照鄰:私の運命は庭に病気がある梨の木と似ています(冤罪で収監されたことがあった、今は悪疾を患っている)。2・3日前に今の心境を表し≪病梨樹賦≫を書きました、先生のご指導下さい。
孫思邈:「形体有可癒之疾、天地有可消之災」、あなたは疾病に対する悲観を持ってはいけません。私は累計600人の癩病患者を診療しました、1/10位は健康に回復しました。貞観の年、私は重症の患者を太白山に連れて行って、100日間を治療し(薬を飲ませて、規則正しい生活をさせ)ましたら、その患者は新しい眉毛・鬚が生えてきました。あなたも確かに重症ですが、私の診療を受けたら、治る希望がないわけではないですよ。
孫思邈は、懸命に彼の病気と闘う自信を与えています。

残念ですが、訳があって二人は離れなければなりません、孫思邈の治療を継続することができなくなりました。約5年後、蘆照鄰は退官して孫思邈が言った太白山に行きましたが、病情が更に悪化していました。また、悪道士に惑わされ「仙丹」(仙人の薬、喩:効能顕著な薬。仙丹の成分は人体に有毒な金属=水銀・砒素・鉛である)を飲み続けて、返って症状が加重させ、苦痛で耐えられないのです。そんな状況での≪五悲≫≪釋疾文≫など作品を書きました。永淳元年の恩師孫思邈の死も打撃を受け、悲観的な考えるようになり自殺しました。
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by jbucm | 2016-11-28 09:55 | 中医学 | Comments(0)

『黄帝内経』筆記 病因病機学説(三十二)

素問・至真要大論篇第七十四(選び出す)③

【原文】帝曰:善。病生於本①、余知之矣。生於標者①、治之奈何?岐伯曰:病反其本、得標之病、治反其本、得標之方②。帝曰:善。六気之勝、何以候之?岐伯曰:乘其至也③。
清気大来、燥之勝也、風木受邪、肝病生焉。
熱気大来、火之勝也、金燥受邪、肺病生焉。
寒気大来、水之勝也、火熱受邪、心病生焉。
湿気大来、土之勝也、寒水受邪、腎病生焉。
風気大来、木之勝也、土湿受邪、脾病生焉。
所謂感邪而生病也。

乘年之虚、則邪甚也。失時之和、亦邪甚也。遇月之空、亦邪甚也④。重感於邪、則病危矣。有勝之気、其必来復⑤也。

帝曰:其脉至何如?岐伯曰:厥陰之至其脉弦;少陰之至其脉鈎;太陰之至其脉沈;少陽之至大而浮;陽明之至短而澀;太陽之至大而長。至而和則平、至而甚則病、至而反者病、至而不至者病、未至而至者病、陰陽易者危。

帝曰:六気標本、所従不同、奈何?岐伯曰:気有従本者、有従標本者、有不従標本者也。帝曰:願卒聞之。岐伯曰:少陽太陰従本、少陰太陽従本従標、陽明厥陰不従標本、従乎中也。故従本者、化生於本;従標本者有標本之化;従中者以中気為化也。

帝曰:脉従而病反者、其診何如?岐伯曰:脉至而従、按之不鼓、諸陽皆然。帝曰:諸陰之反、其脉何如?岐伯曰:脉至而従、按之鼓甚而盛也。

是故百病之起、有生於本者、有生於標者、有生於中気者。有取本而得者、有取標而得者、有取中気而得者、有取標本而得者、有逆取而得者、有従取而得者。逆、正順也;若順、逆也。故曰:知標与本、用之不殆、明知逆順、正行無問。此之謂也。不知是者、不足以言診、足以乱経。故『大要』曰:粗工嘻嘻、以為可知、言熱未已、寒病復始、同気異形、迷診乱経。此之謂也。夫標本之道、要而薄、小而大、可以言一而知百病之害。言標与本、易而勿損、察本与標、気可令調、明知勝復、為萬民式、天之道畢矣。

【注釈】①病生於本、生於標者:標本は相対的な概念であり、文章の中で出る場所によって違う意義がある。ここの「標本」の意味に対しては幾つの注釈があるが、本篇の内容によって「五運六気」の標本を指しているはずだから、『素問集注・巻八』に従う。風・熱・湿・暑・燥・寒という六気は気候変化で「本」であり、三陰三陽は六気の標的な表しである。太陽は諸陽の始めその本は寒水である;少陰は陰の中の太陰でその本は君火である;陽明は陽盛の気でその本は清粛である;厥陰は陰極を主りその本は風木の陽である。

②病反其本、得標之病、治反其本、得標之方:六気標本の治法を言っている。病は本にあれば、その「本」を治療する;病は標にあれば、その「標」を治療するべき。即ち「証」を根拠にして治療する。例えば太陽の本は寒水であり、標は陽熱である。太陽傷寒を治療の際、もし本である「寒水」を治療せず、標である「陽熱」を治療したら、これが「病反其本」であり、結果は「得標之病」となる。温熱のものを用い「本寒」を治療せず、寒涼のものを使って「標熱」を治療することは、「治反其本、得標之方」と謂う。ここで指摘しなければならないのは、これは「標本治法」のすべての内容ではない。後文に詳しい紹介がある。

③六気之勝、何以候之?乘其至也:六気の勝気をどうやって察する?(勝気が)到来の時に察する。これは岐伯が皇帝の質問に対する回答である。ただし、「乘其至也」に対して『素問釈義』は、「乘其虚也」の誤りだと書いてある。後文にある「虚」に乗って至るという意味としている。この解釈では、勝気を察することではなく、勝気が至るタイミングを説明している。

④乘年之虚、則邪甚也。失時之和、亦邪甚也。遇月之空、亦邪甚也:「乘年之虚、失時之和、遇月之空」とは『霊枢・歳露論』でいう「三虚」のことである。それぞれの意味は次の通りです:
「乘年之虚」は、歳(年)の主気が不及(弱い)で、その「所不勝」(それを剋す)気が乗じることを指す。例えば、木運が不及の場合、清気(金)がそれを勝つ;火運が不及の場合、寒気(水)がそれを勝つ;土運が不及の場合、風気(木)がそれを勝つ;金運が不及の場合、熱気(火)がそれを勝つ;水運が不及の場合、湿気(土)がそれを勝つ。

「失時之和」は、四時の主気が失和のことを指す。例えば、春は温となるべきだが涼となったり、夏は熱となるべきだが寒となったり、冬は寒となるべきだが、燥となったりすること。『素問集注・巻八』の注釈:「失時之和とは、四時の気が衰えることである。春気不足なら、秋気がそれを勝つ;夏気不足なら、冬気がそれを勝つ;長夏の気不足なら、春気がそれを勝つ;秋気不足なら、夏気がそれを勝つ;冬気不足なら、長夏の気がそれを勝つ」。
「遇月之空」は、月が欠けている時期(新月の前後で、上弦月の前と下弦月の後)を指す。

⑤有勝之気、其必来復:歳運不及による発病の規律は、上文の勝気の他に「復気」(本運の子気)がある。例えば、木運不及の年に、その勝気(燥金の気)が風木を剋し、肝病が発生;その後、復気(火気)が金を犯し、肺病が発生する。だから、歳運不及の年は、本気(本運の気)や勝気(己所不勝の気)、復気(本運の子気)など関係があり、発病は本臓のほかに、その所勝、所不勝や所生の臓にも影響を及ぼす。

(続く)

(李)
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by jbucm | 2016-11-21 10:00 | 中医学 | Comments(0)

『黄帝内経』筆記 病因病機学説(三十一)

素問・至真要大論篇第七十四(選び出す)②

【原文】帝曰:気有多少、病有盛衰、治有緩急、方有大小、願聞其約、奈何?岐伯曰:気有高下、病有遠近、証有中外、治有軽重、適其至所為故也①。『大要』曰:君一臣二、奇之制也;君二臣四、偶之制也;君二臣三、奇之制也;君二臣六、偶之制也②。
故曰:近者奇之、遠者偶之;汗者不以奇、下者不以偶③;補上治上、制以緩;補下治下、制以急;急則気味厚、緩則気味薄。適其至所、此之謂也④。病所遠而中道気味之者、食而過之、無越其制度也⑤。是故平気之道、近而奇偶、制小其服⑥也。遠而奇偶、制大其服⑥也。大則數少、小則數多。多則九之、少則二之⑦。奇之不去則偶之、是謂重方。偶之不去、則反佐以取之⑧、所謂寒熱温涼、反従其病也。

【注釈】①気有高下、病有遠近、証有中外、治有軽重、適其至所為故也:『素問呉注・巻二十二』の注釈では「病気に上下があり、病位に遠近があり、証候には内外がある。薬を使う際に軽重がある。要するには、薬気が適切に病所に達すことが原則である」。
「病有遠近」とは、病位のことを指す。心肺が近、肝腎が遠、脾胃が中とされる。また、体の上部が近で下部が遠とされる。

②『大要』曰:君一臣二、奇之制也;君二臣四、偶之制也;君二臣三、奇之制也;君二臣六、偶之制也:『大要』が言う:君薬を一、臣薬を二にするのは、奇方の制度である;君薬を二、臣薬を四にするのは偶方の制度である;君薬を二、臣薬を三にするのは、奇方の制度である;君薬を二、臣薬を六にするのは偶方の制度である。

③近者奇之、遠者偶之;汗者不以奇、下者不以偶:病が近のもの者は奇方を使い、病が遠のものは偶方を使う;発汗に奇方を使わず、攻下には偶方を使わない。この4つの言葉に対する注釈が幾つあって、『素問呉注・巻二十二』では、「近者奇之、遠者偶之」は虚証に対する補の治療法で、「汗者不以奇、下者不以偶」は実証に対する瀉の治療法である。この注釈に従う。なお、周学海氏は「奇、偶」について、ただの数字の奇偶ではなく、方薬の作用の単一と複雑であることと理解したほうが良いと主張している。

④補上治上、制以緩;補下治下、制以急;急則気味厚、緩則気味薄。適其至所、此之謂也:身体の上部を補益及び治療する方剤は緩(緩和するもの)が宜しい;身体の下部を補益及び治療する方剤は急(強いもの)が宜しい;急即ち気味が濃厚で、緩即ち気味が薄いものである。「適其至所」とはこれを謂う。

⑤病所遠而中道気味之者、食而過之、無越其制度也:『素問集注・巻九』の注釈は、病所が遠で薬の気味が中道のものは、食事と服薬の順序を調整(病が上にある場合は、食事の後に服薬し、病が下にある場合は、食事の前に服薬)する。この制度を反してはいけない。

⑥小其服、大其服:『素問集注・巻八』に次のように説明している:大服と小服とは、分量の軽重を謂い、大方と小方のことである。大方は生薬の数が少なく用量が重い、気味が単独で遠くまでたどり着く(作用が強く、病が深く重い者を治す);小方は生薬の数が多く用量が軽い、気味が多く力が弱いので、遠くまで行かない(作用が弱く、病が浅く軽い者を治す)。

⑦多則九之、少則二之:薬味が多いものは九に至り、少ないものは二味である。

⑧奇之不去則偶之、是謂重方。偶之不去、則反佐以取之:奇方で病が治らなかったら、偶方にする、これは重方と謂う。偶方でも病が治らなかったら、相反する薬味を使い反佐して、治療の目的を果たす。

⑨所謂寒熱温涼、反従其病也:所謂反佐とは、佐薬の性味で、病情の寒熱温涼と同じ性質であるものである。

【説明】本節は制方の原則、形式及び薬の服用方法を紹介した。まず、方剤の組成原則とその意義にについて、薬味の多少、用量の軽重、作用の強弱によって異なる名称を付けた、例えば、「大、小、緩、急、奇、偶、重、反佐」などである。それらの組方原則は方剤学の発展に土台を定めた。

反佐法の内容は二つある。その一は薬物の反佐(治法反佐と謂う)である、例えば、以寒治熱の時に少量な熱性の薬(生姜汁など)を加える;逆に、以熱治寒の時に少量な寒性の薬を加える(例えば、『傷寒論』315条に、白通と豚の胆汁で少陰下利が止まらなく、脈微厥逆、干嘔心煩の症を治療する)。その二は服用法の反佐である、例えば、寒薬で熱病を治療の時に、温服が良い;逆に熱薬で寒病を治療の時に、涼服が良いということである。後世に「承気熱服、姜附寒飲」という言い方がある。『素問・五常政大論』にはこう謂っている:「治熱以寒、温而行之;治寒以熱、涼而行之」。

(最近、『黄帝内経』の勉強をかなりさぼっています。これからは、少しずつ続けたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。なお、『素問・至真要大論篇』の内容はとても多くて、選び出したのは重要な部分ですので、これらの内容を是非ご一緒に勉強しましょう。)

(李)
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by jbucm | 2016-10-31 09:56 | 中医学 | Comments(0)