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by jbucm

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霊枢・百病始生第六十六⑧

【原文】黄帝曰:其生於陰者、奈何①?岐伯曰:憂思傷心、重寒傷肺、忿怒傷肝②;醉以入房、汗出當風傷脾③;用力過度、若入房汗出浴、則傷腎④;此内外三部之所生病者也。黄帝曰:善。治之奈何?岐伯答曰:察其所痛、以知其應、有餘不足、當補則補、當瀉則瀉、毋逆天時、是謂至治⑤。

【注釈】①其生於陰者、奈何?:病気がどうして内臓に発生するのか?

②憂思傷心、重寒傷肺、忿怒傷肝:憂愁思慮過度では心臓が損傷される、外感重い寒邪を感受すると肺臓が損傷される、怒ると肝臓が損傷される。

③醉以入房、汗出當風傷脾:酒酔っているまま房事する時に汗が出て、風に当たると脾臓が損傷される。

④用力過度、若入房汗出浴、則傷腎:力使い過ぎ、或は房事で汗が出たらすぐに入浴すると、腎臓が損傷される。

⑤此内外三部之所生病者也:これらは内外三部に発生する疾病の一般的な情況である。

⑥察其所痛、以知其應、有餘不足、當補則補、當瀉則瀉、毋逆天時、是謂至治:その疼痛の部位を審査し、病変の部位を知る。証候の虚実を根拠にして補虚瀉実の方法で治療する。同時に、四時気候の規律を反してはいけない、これは最善な治療原則である。

【説明】本段は五臓病の常見病因及び診療法則を論述している。原文の例によると、五臓の発病に、多くは内外両方の原因が兼ねる。『霊枢・邪気蔵府病形』に「憂愁恐惧則傷心、形寒寒飲則傷肺、以其両寒相感、中外皆傷、故気逆而上行……」、『素問・本病論』に「憂愁思慮即傷心」、「飲食勞倦即傷脾」、「久坐湿地、強力入水即傷腎」、「或恚怒、気逆上而不下、即傷肝」など同じような記載があり、合わせて勉強すると良いでしょう。五臓病の常見病因に、精神情志の失調は心肝を、寒邪の侵入は肺を、飲食の不節制は脾を、房労過度と勞倦は腎を損傷するという観点を提示し、後世の臓腑弁証に根拠を提供している。

本段は疾病の治療原則を提示している。定性、定位の弁証施治、及び自然に従うという整体治療の理論的根拠となっている。

まとめ:本篇は、外感と内傷病の発病原因と機理、部位病邪伝変について論述し、疾病発生の過程に人体の正気の重要性を強調した。養生や疾病の予防と早期治療に理論的根拠を提供している。なお、『内経』の素朴的弁証法思想を体現している。

本篇中「積証」についての論述は、臨床実践に一定な指導的意義があり、特に現代の腫瘍の発病機理及び治療方法の研究に啓発している。例えば、子宮筋腫、肝硬変、脾臓の腫れ、腹腔の腫瘍などを「積病」で弁証論治している。

次回からは『霊枢・賊風』を勉強しましょう。

(李)
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by jbucm | 2016-03-03 09:46 | 中医学 | Comments(0)

縁起がよい文旦(柚子)

こんにちは、周です。今回は文旦(柚子)話です。
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柚子は、柑橘類の一種であります。古人は文蛋(現在は文旦と書きます)と呼びます。原産は東南アジア・中国南部・台湾で、中国南方の広西省、福建省で多く栽培します。中国の広西省容県の「沙田柚」が良質とされています。性味は甘酸・寒で、脾・肝経に帰経します。消食化痰・理気平喘作用があります。消化不良、咳嗽、気喘、酒酔に用いられます。

≪日華子本草≫に、こう記載してあります:治妊婦人食少並口淡、去胃中悪気、消食、去腸胃気、解酒毒、治飲酒人口気。

沙田柚は古く(約2000年前)から栽培されています。沙田柚の名は、清の乾隆皇帝に付けられたというエビソートがあります(沙田県出身の朝廷官吏が柚を乾隆皇帝に献上しました)。その後、沙田柚は朝廷に朝貢するようになり、世界に知られるようになりました、需要も増え、1930年より容県以外の臨桂県・陽朔県も栽培し始めました(臨桂県・陽朔県の土壌の性質は容県と類すから)。今は臨桂県・陽朔県産の柚も容県産の柚と同じように「沙田柚」と称します。

沙田柚は広西省伝統的な輸出品として名が知られ渡っています。唐の詩人である張彤は、柚子を詠む詩を残りました:
樹樹籠煙疑帯火
山山照日似懸金

柚子の外形は真ん丸で、団圓与美満(団聚する、再会する、幸せで円満である)を象徴しますので、縁起が良いものとして南方の人々に喜愛されています。私の故郷(広州)では、中秋節や春節の時に柚子を食べます。結婚する家庭に柚子を飾ります(特に新郎新婦の寝室に欠かせない飾りものとなっています。広州語の柚子を「有子」(柚子=有子に因んで)と発音しますから、結婚した後に早く子供が生まれるという願望を表します。

柚子果肉は果汁が少ないが独特の甘みと風味を持ちます。果肉を生食する他に、皮も用いて加工品原材料として砂糖漬けなどを作ります。柚子皮を主原料にして作られた広東省東莞市石龍鎮の特産品―「麦芽糖柚皮」は有名です。また柚子皮も野菜として食べられます。
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現代営養学観点から見ますと、柚子は高い栄養価が有します。豊富なビタミン・タンパク質・ナトリウム・カリウム・カルシウム・磷等を含んでいます。
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by jbucm | 2016-02-29 09:30 | 中医学 | Comments(0)
霊枢・百病始生第六十六⑦

【原文】黄帝曰:積之始生、至其已成、奈何①?岐伯曰:積之始生、得寒乃生、厥乃成積也②。黄帝曰:其成積奈何?岐伯曰:厥気生足悗、悗生脛寒、脛寒則血脈凝澀、血脈凝澀、則寒気上入于腸胃③;入於腸胃、則 * 脹、*(月へんに真)脹則腸外之汁沫迫聚不得散、日以成積④。卒然多食飮則腸滿、起居不節、用力過度則絡脈傷、陽絡傷則血外溢、血外溢則衄血;陰絡傷則血内溢、血内溢則後血⑤。腸胃之絡傷、則血溢於腸外、腸外有寒、汁沫與血相搏、則并合凝聚不得散、而積成矣⑥。卒然外中於寒、若内傷於憂怒、則気上逆、気上逆則六輸不通、温気不行、凝結蘊裹而不散、津液澀滲、著而不去、而積皆成矣⑦。

【注釈】①積之始生、至其已成、奈何?:積病の発生し始めから形成するまでの病理過程は何?

②積之始生、得寒乃生、厥乃成積也:積病の発生は、寒邪を受けたためである。寒邪が逆上すると積となる。

③厥気生足悗、悗生脛寒、脛寒則血脈凝澀、血脈凝澀、則寒気上入于腸胃:厥逆の気による病症では、最初は足の疼痛不利が発生する、足の疼痛からふくらはぎが冷える、足脛部の寒涼で血脈が凝澀する、血脈の凝澀不通で寒気が腸胃まで上がる。

④入於腸胃、則 *(月へんに真)脹、*脹則腸外之汁沫迫聚不得散、日以成積:腸胃が寒気を受けると脹満する、脹満では胃腸の回りにある津液が溜って消散できなくなり、日日が経つと積になる。

⑤卒然多食飮則腸滿、起居不節、用力過度則絡脈傷、陽絡傷則血外溢、血外溢則衄血;陰絡傷則血内溢、血内溢則後血:突然の暴飲暴食で腸胃が充満する、または、無規律な生活や力使い過ぎで絡脈が損傷される、陽絡が損傷されると血液が外溢し衄血が発生する;陰絡が損傷されると血液が内溢し、便血が発生する。「陽絡」と「陰絡」について、『霊枢集注・巻八』は「上行の絡脈は陽絡、下行の絡脈は陰絡である」と注釈している。臨床では、陽絡は体の上部又は表にある絡脈で、陰絡は体の下部又は裏にある絡脈であると認識している。

⑥腸胃之絡傷、則血溢於腸外、腸外有寒、汁沫與血相搏、則并合凝聚不得散、而積成矣:腸外の絡が損傷すると、血液が腸外に漏れる、もし腸外に寒があったら、腸外の津液と血液が混合して消散できず、積になる。「腸胃」は「腸外」の誤りである。

⑦卒然外中於寒、若内傷於憂怒、則気上逆、気上逆則六輸不通、温気不行、凝結蘊裹而不散、津液澀滲、著而不去、而積皆成矣:突然外感寒邪の同時に憂怒の情緒に内傷されると、気機が上逆する、気機が上逆すると六経の気血が運行不暢になる、陽気の温煦作用が失い、血液が凝結し経絡に蘊結して消散できず、津液も乾澀し組織に浸透しない、局部に溜まり、積になる。「六輸」は三陰と三陽の輸穴を指す。「温気」とは「陽気」のことである。

【説明】本節は「積」の病因病機を論述している。積を形成する原因が多い、例えば、外感寒邪、飲食の不節制、労力過度、生活リズムの乱れ、七情の失調などがある。積が形成する病機は大きく寒凝、気滞、血瘀、津停の四つであり、且つ四者は相互影響し合う。特に気滞、血瘀、津停は互いに因果関係となっている。この四つの素因を把握していれば、弁証と施治の方向が違いない。

積の形成は慢性的な過程である。一旦形成したら、頑固で治癒し難い。治療の際、体質が強い或は初期段階の場合は、活血化瘀、行気消積を主として、化痰養血を兼ねる;体質が弱い或は後期段階の場合は、養血活血を主として、攻補兼施をする。これらに関連する論述は、王清任氏の『医林改錯』と唐容川氏の『血証論』に多くあり、方剤も挙げてあるので、積病の治療に新しい道を開拓してくれた。


(李)
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by jbucm | 2016-02-25 10:16 | 中医学 | Comments(0)

温病学説とジカ熱

こんにちは、周です。今回は温病学説を紹介します。

清代には温病と総称される急性伝染病が明代に引き続き猛威を振い、正確な統計は残されていませんが、初清(1644年)から同治11年(1860年)までの214年間に84回を超える疾病が発生・蔓延したことが知られています。その中には傷寒(腸チフス)・霍乱(コレラ)・痢疾(赤痢)・マラリア・天花(天然痘)・猩紅熱・麻疹・白喉(ジフテリア)という伝染病が含まれていました。特に江南地域(長江下流以南)の気候は温暖湿潤で、人の往来も激しく人口稠密のため、最も頻繁に温病が流行しました。温病の流行を如何に抑え、発病した際に如何に治療するかが、医家達の課題となりました。

このような背景に、温病を研究した歴代が居ました。明・清代の呉有性・喩嘉言・戴天章・楊栗山・劉松峰・余師愚らは温病に対する病機、弁証の要点、有効な方剤について論述しました。清代に至って新たな一つの温病学学派を誕生しました。この温病学学派を代表するのは葉天士・薛雪・呉鞠通の医家です。葉天士は「温熱論」を著わし、温病の発生・進行パターンを明示するとともに、温病が衛気営血を侵入する4段階で弁証論治を提唱し、温病学説の理論体系を形成する重要な基礎となりました。薛雪の「湿熱条弁」・呉鞠通「温病条弁」は温病に対する三焦弁証を展開し、葉天士の学説を発展させました。このことによって「衛気営血」と「三焦」による弁証論治の体系が確立され、温病学説は大きな成熟期を迎えることになります。

中医学に温病学説の貢献は、以下の4つです。
1、熱性病に対する認識と治法が新たに創り出され、しかも温病学説は、その理論から弁証・用薬に至るまで経典と仰がれている「傷寒論」と同一でないことを世に示しました。
2、傑出な医家(温病学者)を輩出させました。
3、温病の治療に新たな治療法が持たされることによって、人の生命と健康を守る大きな後ろ盾となっていました。
4、温病学説は温病以外の学科疾患の治療に刺激を与え、新しい治療法を提供することとなりました。例えば、外科の疔瘡走黄(ちょうそうそうこう、病証名。疔毒が血分までに入り、危篤な状態である)の治療に応用されます。

以上から見ると、今中南米を中心にジカウイルス危惧されているジカ熱は、温病学説を用いて治療法が見付かるかもしれないと思います。
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by jbucm | 2016-02-22 09:30 | 中医学 | Comments(0)
霊枢・百病始生第六十六⑥

【原文】黄帝曰:願尽聞其所由然。岐伯曰:其著孫絡之脈而成積者、其積往來上下、臂手孫絡之居也、浮而緩、不能句積而止之、故往來移行①;腸胃之間、水湊滲注灌、濯濯有音、有寒則* *(月へんに真)滿雷引、故時切痛②。其著於陽明之経、則挾臍而居、飽食則益大、飢則益小③。其著於緩筋也、似陽明之積、飽食則痛、飢則安④。其著於腸胃之募原也、痛而外連於緩筋、飽食則安、飢則痛⑤。其著於伏衝之脈者、揣之應手而動、発手則熱気下於両股、如湯沃之状⑥。其著於膂筋、在腸後者、飢則積見、飽則積不見、按之不得⑦。其著於輸之脈者、閉塞不通、津液不下、孔竅乾壅、此邪気之從外入内、從上下也⑧。

【注釈】①其著孫絡之脈而成積者、其積往來上下、臂手孫絡之居也、浮而緩、不能句積而止之、故往來移行:邪気が孫絡に停留してから形成した積は、上下に往来できる。これは、孫絡が浅い部位にあり、しかも緩んでいて、積を固定できないから、積が往来移行できるわけである。『甲乙経・巻八・第二』によると、「臂手」は「擘乎」の誤り、「辟」と通じる。「句」とは「拘」であり、制限するという意味である。

②腸胃之間、水湊滲注灌、濯濯有音、有寒則 * *(月へんに真)滿雷引、故時切痛:腸胃の間に、水が滲出されたら、「濯(たく)濯」という音を発し、寒があれば、腹脹腸鳴がして、腸が牽引されるから、時々激痛する。「* *(月へんに真)滿」について、『甲乙経・巻八・第二』は「腹*(月へんに真)滿」の誤りで、腹部の脹満という意味と注釈している。「雷」は腸鳴、「引」は収引で、「切痛」は激痛である。

③其著於陽明之経、則挾臍而居、飽食則益大、飢則益小:邪気が陽明経に停留してから形成した積は、臍の両側に定着し、満腹の時に大きくなり、空腹の時に小さくなる。

④其著於緩筋也、似陽明之積、飽食則痛、飢則安:緩筋に形成した積は、その形態と表現は陽明経の積に似ていて、満腹の時に痛くなり、空腹の時は痛くない。「緩筋」は筋肉の間にあるため、満腹の時圧迫されるから、痛くなる。

⑤其著於腸胃之募原也、痛而外連於緩筋、飽食則安、飢則痛:腸胃の募原に形成した積は、疼痛の時に外側の緩筋に繋ぐため、満腹の時は痛くないが、空腹の時に痛くなる。

⑥其著於伏衝之脈者、揣之應手而動、発手則熱気下於両股、如湯沃之状:伏衝の脈に停留形成した積は、手で当てると搏動を感じる、手を離すと熱い気流が両太股の間まで下行し、熱湯に浴びられたように感じる。

⑦其著於膂筋、在腸後者、飢則積見、飽則積不見、按之不得:膂筋に形成した積は、胃腸の後方にあり、空腹時に積の形が見える、満腹の時は見えないし、手で触っても積を感じない。

⑧其著於輸之脈者、閉塞不通、津液不下、孔竅乾壅:輸脈に形成した積は、脈道の中を塞ぎ、津液が上下流動できず、毛孔が乾渋で壅塞される。

⑨此邪気之從外入内、從上下也:これらは、邪気が外部より侵入してから内部まで入り、身体の上部から下部まで伝変する臨床表現である。

【説明】本節は、多種の積証の病機と病証を紹介し、中医の弁証論治に根拠を提供している。

邪気がいろんな部位に停留することによって、各種の積証が形成すし、その臨床表現は異なる。これらを弁別できれば、適切な治療方法を採用できる。例えば、活血化瘀、理気化痰、温中散寒などである。

なお、『内経』の中に「積」を論述した篇が多くあり、例えば、『素問・五蔵生成篇』、『平人気象論』、『腹中論』、『四時刺逆従論』、『奇病論』、『霊枢・水脹』、『刺節真邪』などがある。合わせて勉強することを薦めます。

(李)
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by jbucm | 2016-02-18 11:08 | 中医学 | Comments(0)
霊枢・百病始生第六十六⑤

【説明】本段(全回の分)は外感病の一般的な伝変規律及びその機理を論述し、そして、早期治療が内伝予防の重要手段であると提示している。外邪が人体へ侵入する際、一般的に皮膚→絡脈→経→輸→伏衝の脈→腸胃→腸胃の外、募原の間、血脈の中という順である。外邪が段々深く入る機理は、正気が邪気に勝たず、邪気が停留し、除去できない。

 『内経』に疾病の伝変に関しては、本篇の他に『素問・皮部論』、『素問・繆刺論』、『霊枢・刺節真邪』なども論述している。合わせて勉強すると良いでしょう。但し、注意しなければならないのは2つある。その一は、上記の論述は、皆外感病の一般的な伝変過程であり、このほかに六経伝変や内傷雑病の五行生克伝変、表裏の臓腑伝変、組織の病変が関連する臓腑へ影響するなどがある。その二は、外感病伝変の一般的規律のほかに、特殊な伝変もある。疾病の発生と変化は病因、病性、病位、時間、気候、体質、そして治療情況など多種の素因に係わり、固定不変のモードはない。これに関して『素問・玉機真蔵論』に論述があり、なお『傷寒論』や『温病学』などにも記述している。これらは、『内経』の病伝理論を発展させたものである。
 
なお、本段では虚邪が人体の異なる部位に侵入した場合の病証及びその機理についても例を挙げて説明した。次のように纏めておきます。

病邪が表から裏へ、浅い部分から深い部分へ伝変する。
部位     病証         機理
皮毛    悪寒戦慄       衛外不固
      皮膚疼痛       気血凝滞
絡脈    肌肉疼痛       絡脈阻滞
      時痛時息       邪が絡から経へ
経     洒淅悪寒       邪猶在表(表にあると同じ)、衛陽受損
      時時驚恐       経気が臓と繋がり、神気が擾乱される
輸     肢節疼痛       六経の気が阻まれ、四肢末端へ届かず
      腰脊強硬       足太陽経の経気不利
伏衝の脈  体が重く、身痛    邪居血海、身体を養えず
腸胃    腹脹腸鳴(気滞水停) 
       腸鳴飧泄、食不化   寒湿内停
        熱瀉痢疾        湿熱下注
腸胃の外  
(募原の間、   積       邪着脈中、気滞血瘀が互結
血脈の中)


(李)
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by jbucm | 2016-02-04 10:18 | 中医学 | Comments(0)
こんにちは、周です。今回は中医名言―「精神内守、病安従来」を紹介します。

出典:《素問・上古天真論》
精神は、人の正気のことです。この言葉は、養生の道理を言っています。
身体の正気を養え、風寒の侵入を慎重して、元気を順調・調和させ、精神(正気)が内守して消耗されなければ疾病は罹りません。正邪(正気と邪気)戦い時、内因(正気)と外因(外邪)の関係を説明していますー内因が根本であり、外因が条件であり、外因は内因に作用しなければ発病しません。
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by jbucm | 2016-02-01 09:30 | 中医学 | Comments(0)
霊枢・百病始生第六十六④

【原文】是故虚邪之中人也、始於皮膚、皮膚緩則腠理開、開則邪從毛髮入、入則抵深、深則毛髮立、毛髮立則淅然、故皮膚痛①;留而不去、則伝舍於絡脈、在絡之時、痛於肌肉、其痛之時息、大経乃代②;留而不去、伝舍於経、在経之時、洒淅喜驚③;留而不去、伝舍於輸、在輸之時、六経不通四肢、則肢節痛、腰脊乃強④;留而不去、伝舍於伏衝之脈、在伏衝之時、體重身痛⑤;留而不去、伝舍於腸胃、在腸胃之時、賁響腹脹、多寒則腸鳴飧泄、食不化、多熱則溏出麋⑥;留而不去、伝舍於腸胃之外、募原之間、留著於脈、稽留而不去、息而成積⑦。或著孫脈、或著絡脈、或著経脈、或著輸脈、或著於伏衝之脈、或著於膂筋、或著於腸胃之募原、上連於緩筋、邪気淫泆、不可勝論⑧。

【注釈】①虚邪之中人也、始於皮膚、皮膚緩則腠理開、開則邪從毛髮入、入則抵深、深則毛髮立、毛髮立則淅然、故皮膚痛:虚邪賊風が人体に侵入する場合は、先ず皮膚を侵す、これは、皮膚が弛緩して腠理が開いているから、邪気が毛孔から深い所まで侵入してしまう。この時は毛髮が立ち、寒がって身体が震える、皮膚が痛む。

②留而不去、則伝舍於絡脈、在絡之時、痛於肌肉、其痛之時息、大経乃代:邪気が溜って除去されなければ、段々絡脈まで入り、この時は筋肉が痛む、もしこの痛みが止んだりすれば、邪気が経脈へ伝入する徴候である。

③留而不去、伝舍於経、在経之時、洒淅喜驚:邪気が(絡脈に)溜って除去されなければ、経脈に入り、この時は寒々として悪寒や、びくびくとする症状が出る。

④留而不去、伝舍於輸、在輸之時、六経不通四肢、則肢節痛、腰脊乃強:邪気が(経脈に)溜って除去されなければ、輸脈に入り、この時は、六経の気が邪気に阻まれ、四肢に到達できず、故に四肢関節が痛む、腰や背骨が凝る。「輸」について、『類経・疾病類・二』、『注証発微』では輸穴であると指摘し、『霊枢集注・巻八』では気血の輸送する経脈であると指摘しているが、皆明確ではない。楊上善氏では、輸脈であり、ここは足の太陽経を指すと認識し、「輸脈は足太陽脈で、五臓の府の輸を司る」と言っている。足太陽経は頭部から下り、脊を挟んで腰中に入る、六経の兪穴が皆太陽経にあるため、故に「六経不通四肢、則肢節痛、腰脊乃強」となる。

⑤留而不去、伝舍於伏衝之脈、在伏衝之時、體重身痛:邪気が(輸脈に)溜って除去されなければ、脊中の衝脈に入り、この時は身体が重たく痛むなどの症状が出る。「伏衝之脈」は衝脈の脊中の部分を指す、衝脈の他の部分より深い。

⑥留而不去、伝舍於腸胃、在腸胃之時、賁響腹脹、多寒則腸鳴飧(そん)泄、食不化、多熱則溏出麋:邪気が溜って除去されなければ、さらに腸胃に入って伏せる、この時は、腸鳴腹脹がする、寒邪が多い場合は、腸鳴し、不消化のものを瀉下すし、食べたものが消化しない、熱邪が多い場合は、瀉痢などが発生する。

⑦留而不去、伝舍於腸胃之外、募原之間、留著於脈、稽留而不去、息而成積:邪気が(腸胃に)溜って除去されなければ、腸胃の外にある膜原の間に入り、血脈に滞留し、除去できなければ、気血と相互凝結し、積となる。

⑧或著孫脈、或著絡脈、或著経脈、或著輸脈、或著於伏衝之脈、或著於膂筋、或著於腸胃之募原、上連於緩筋、邪気淫泆、不可勝論:纏めると、邪気が人体へ侵入した後、孫脈、絡脈、経脈、輸脈、伏衝の脈、筋肉、腸胃の募原、緩筋などに溜まったりする。邪気が浸淫氾濫し、言い尽くせない。「緩筋」は足陽明経の筋のことである。

(続く)

(李)
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by jbucm | 2016-01-28 10:54 | 中医学 | Comments(0)
こんにちは、周です。今回は中医名言―「虚邪賊風、避之有時」を紹介します。

出典:《素問・上古天真論》
虚邪賊風とは、異常な気候変化や人体に有害する外来(外)からの致病因子を指します。避之有時は、直ちにその「虚邪賊風」を避ければ、発病しません。
「虚邪賊風、避之有時」は、致病因子が発病する重要な条件の一つだと認識し(病因病機)、養生すれば・致病因子を避ければ、疾病が予防できると主張します。
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by jbucm | 2016-01-18 09:30 | 中医学 | Comments(0)
霊枢・百病始生第六十六③

【原文】黄帝曰:余固不能數、故問先師、願卒聞其道①。岐伯曰:風雨寒熱、不得虚、邪不能獨傷人。卒然逢疾風暴雨而不病者、蓋無虚、故邪不能獨傷人②。此必因虚邪之風、與其身形、両虚相得、乃客其形。両実相逢、衆人肉堅③。其中於虚邪也、因於天時、與其身形、参以虚実、大病乃成④。気有定舍、因処爲名、上下中外、分爲三員⑤。

【注釈】①余固不能數、故問先師、願卒聞其道:複雑多端な病変を全部解明できないから、先生に聞きたい、その道理を全て教えて欲しい。

②風雨寒熱、不得虚、邪不能獨傷人。卒然逢疾風暴雨而不病者、蓋無虚、故邪不能獨傷人:正常の場合、風雨寒熱は致病の邪気ではない、人体を損傷することがなく、病気にならない。突然疾風暴雨に遭遇しても病気にならないのは、その人の身体が頑丈で正気が虚弱してないため、邪気も人体を損傷することができない。

③此必因虚邪之風、與其身形、両虚相得、乃客其形。両実相逢、衆人肉堅:疾病の発生は、必ず身体が虚弱している上に賊風邪気を受け、両虚が相合するから疾病が発生する。もし身体が頑丈で四時の気候も正常であれば、みんなの肌肉が堅実であり発病しない。「両虚」とは、全て致病する異常な気候を虚邪に称し、また正気(気血、津液、精気)の虚弱と正気の不和を含んで、正虚と言う。「両実」とは、人の実気(生気が充実)と天の実風(正常な気候)のことである。

④其中於虚邪也、因於天時、與其身形、参以虚実、大病乃成:故に凡そ疾病発生の決定的な要因は、四時の気候が正常であるかどうか、及び身体が丈夫であるかどうかである。正虚邪実であれば、疾病が発生する。

⑤気有定舍、因処爲名、上下中外、分爲三員:邪気はそれぞれ持つ性質によって人体の一定的な部位から侵入する。侵入の部位によって命名される。概ね、縦では上、中、下の三部で、横では表、裏と半表半裏の三部に分けられる。

【説明】本節は、「卒然逢疾風暴雨」後、疾病が発生すると発生しないことを対照しながら、「両虚相得」は外感発病の機理であることを説明した。人体の正気の強弱は発病するかどうかの決め手であり、正気が発病に主導的な作用を発揮していることを強調した。『素問遺篇・刺法論』に「正気内存、邪不可干」、『素問・評熱病論』に「邪之所凑、其気必虚」と言っている。『内経』の発病観では、一般的に、正気の盛衰は発病の根拠で、致病の素因(外感六淫、七情の失常、飲食の不節制、勞倦過度など)は発病の条件である。これは疾病の治療と予防に指導的な意義がある。

「気有定舍、因処爲名」の論述は、『内経』に病証を命名する根拠の一つである。例えば、『素問・熱論』に「邪客於表」の場合は太陽病、陽明病、少陽病を、「邪入於裏」の場合は太陰病、少陰病、厥陰病を命名している。これは、邪気が定舍している経脈によって命名したのである。

(李)
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by jbucm | 2016-01-14 10:45 | 中医学 | Comments(0)