国立北京中医薬大学日本校が運営するブログです

by jbucm


こんにちは、今日は、膀胱の生理機能及び、腎と膀胱の関係を紹介します。
膀胱の生理機能:
1.尿を貯蔵する:人体津液の代謝の時、水液は肺・脾・腎の作用によって、全身に拡散され、人体を潤います。また、人体に利用されて、津液の余りを腎に送らせ、腎の気化作用により清い部分が体内に再利用し、濁る部分(廃棄物質)は尿となり、膀胱に送られます。「津液の余りは小便になり」、「小便とは 、水液の余りである」と『諸病源候論』に書かれています。

2.尿を排泄する:尿は膀胱に貯蔵され、一定の量に達しますと、体外に排泄されます。
 膀胱の貯蔵と排泄の機能は、腎の気化機能に頼っており、所謂「膀胱の気化」とは、実は腎の蒸騰気化作用に属しているものです。

腎と膀胱の関係
 腎は「水臓」で、膀胱は「水腑」と称され、共に五行の水に属します。両者は密接に関係し、経絡によりも互いに絡み、臓腑表裏の関係にもなっています。

 腎は開閉を主り、水を主る臓器で、膀胱は尿を貯蔵と排泄し、水腑です。膀胱の機能は腎気の盛衰により左右されます。腎気は膀胱の気化機能を促進し、開閉を主り、尿の排泄をコントロールしています。腎気が充足すれば、尿が正常に生成され、膀胱に注ぎ、貯蔵されます。膀胱の開閉も適度で、尿が正常に貯蔵され、排泄されます。腎と膀胱の密接な合作により体内の水液代謝が維持されるわけです。

では、今回はここまで簡単に紹介しました。次回よりは、腎と膀胱の病証を紹介したいと思います。

(李)


  
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by jbucm | 2009-04-09 09:47 | 中医学 | Comments(0)

こんにちは。今日は、腎の生理特徴及び腎と五志・五液・肢体・五官などの関係を紹介致します。

腎の生理特徴:
1.腎は貯蔵を主る:これは腎の重要な生理特徴です。腎は先天の本で、生命の本であり、真陰と元陽を貯蔵しています。

2.腎気は冬の気と対応する:腎は冬・北・寒・水・咸味と内在の関係があるので、人体の腎気は冬に変化が激しいです。なお、冬に腎の病気と関節炎が多くなります。

腎と肢体・五官・竅の関係:
1.腎は骨を主る:
 骨格の生理機能は腎精と密接に関係する。腎が精を貯蔵し、精が髄を生み、髄によって骨が滋養されます。また、髄は骨の中にあり、骨髄と呼ばれます。故に、腎精が盛んになれば、骨髄も充分になり、骨格は骨髄の滋養を受けて、強くなります。という訳で、腎は骨を主ると言います。

 なお、歯は骨の余りで、骨と同じ源でありますので、歯も腎精によって滋養されます。

2.腎の華は髪にある:
 髪の栄養は血から来ているので、「髪は血の余り」と言われています。しかし髪をいきいきさせる源は腎です。理由は、「精血同源」ですし、腎は精を貯蔵し、精が血に化し、精血が盛んになれば髪に潤いがあって、つやつやになります。

3.腎は耳と二陰に開竅する:
 耳の聴覚、前陰(生殖器など)の尿の排泄・生殖機能、後陰(肛門)の排泄機能は腎と密接に関係します。

(1)腎は耳に開竅する:
 耳は聴覚を有する器官で、その聴覚の機能は腎精の滋養に頼っていますので、耳は腎に従属されています。腎が精を貯蔵し、精から髄が生まれ、髄が脳に集まり、精と髄が充分するこそ脳が滋養され、聴覚が鋭くなれます。

(2)腎は二陰に開竅する:
 腎と前陰:前陰は尿道と生殖器を含み、尿の排泄と生殖の器官です。尿液の排泄は腎の気化機能に頼りますので、頻尿・遺尿・尿失禁などは皆腎気虚弱に関係します。生殖機能についても前に話しました。なお、臓象学説では大腸の機能は脾の運化に帰属されるが、脾の運化は腎の滋養と温める作用に頼っているため、大便の排泄は腎の機能にも関係しています。

腎と五志・五液の関係:
1.恐と驚は腎の志である:
 恐と驚は人の外界に対する恐れの反応です。恐は恐れる、怯えることで、驚は突然の驚くことです。両方とも身体の気機運行に不良の反応を起し、「恐則気下、驚則気乱」と言います。あまり恐れると尿が漏れるケースが少なくない。

2.唾は腎の液である:
 唾は涎(えん)と同じく口の津液であり、粘り強いのは唾、薄いのは涎です。脾の液は涎で、腎の液は唾だと「難経・三十四難」に書かれています。この津液は食べ物を潤い、溶解する作用以外に口を清く保護する作用と、腎精を滋養する作用もあります。唾は腎髄から生まれるので、唾が多すぎる腎精を損なうことになります。唾を飲み込み、腎精を養うように心がけましょう。


(李)




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by jbucm | 2009-04-02 10:32 | 中医学 | Comments(0)

こんにちは、先々週と先週、二回に渡って腎の蔵精(精を貯蔵する)の生理機能を紹介致しました。今日は続けて、腎の他の生理機能を紹介しましょう。

2.腎は水液を主る:
 腎臓は全身の水液の代謝を主り、その平衡を調節する作用があります。この作用は腎陽の水液に対する蒸騰気化(じょうとうきか、気の働きの一つで、ある物質を別の物質に変化させる事です)によって実現します。そのため腎臓の水液を代謝する作用は腎の「気化作用」と呼ばれます。

 人体の水液代謝の作用は二つあって、一つは水穀精微の中から臓器を滋養する作用のある津液を全身に送ることです。もう一つは各臓器組織が代謝した後の廃棄液を体外に排泄することです。この二つの作用は皆腎の蒸騰気化作用によって完成されます。

 臓腑に利用された後の水液は三焦を通って腎に帰して、腎の蒸騰気化作用によって「清」と「濁」の部分に分けられ、「清」は三焦を通って再び肺に帰り、全身に拡散し、「濁」は尿になって、膀胱へ行き、体外に排泄されます。このようにして循環往復に、人体の水液代謝のバランスを保って行きます。

 3.腎は納気(のうき)を主る(気を受け止める):
 納とは、固摂・受納の意味です。腎は肺の取り入れた空気を受け止め、呼吸を調節する作用があります。納気はそれを指しています。人体の呼吸運動は肺によって主られるが、吸い込んだ気は必ず腎に帰して、腎のこの納気作用によって呼吸は順調に行われます。腎の納気作用が弱まると、呼吸が浅くなったり、吸気性呼吸困難などの現象が現れます。

(李)
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by jbucm | 2009-03-26 10:42 | 中医学 | Comments(0)

  こんにちは。
  
  今日は、腎精・腎気・腎陰・腎陽の関係について話しましょう。

  腎精・腎気・腎陰・腎陽の関係:ご存知のように、五臓にも皆陰陽があり、物質的なものが陰に属し、機能的なものが陽に属します。

  腎の中の精気(腎精と腎気)は、人体生命活動の本で、人体の色々な生理活動にとても重要な役割を果しており、また腎臓の生理機能の物質的基礎でもあります。理論上では、腎の精気を、概括して、腎陰と腎陽に分けられますが、イコール腎陰と腎陽ではありません。

  腎精: 腎陰に属すが、腎陰の中最も重要な部分で、体の生長発育、生殖機能などに関わるものであると理解しても良いです。

  腎気: 腎臓の生理機能を指します。精から気に(転)化するので、腎気は腎精から生まれたものです。腎精と腎気の関係は即ち物質と機能の関係です。腎精と腎気は互いに助け合うため、二者を腎の精気と併せて呼んでいます。

 なお、腎気は腎陽の一部であると考えでも良いです。

 腎陰: 「元陰、真陰」とも呼ばれ、人体の陰液の本で、各臓腑組織に滋養、潤いの作用があります。

 腎陽: 「元陽、真陽」とも呼ばれ、人体の陽気の本で、各臓腑組織に推進、温める作用があります。

  腎陰と腎陽も互いに制約し、依存し、人体各臓腑組織の生理の動的平衡を保っています。

  腎陰と腎陽は、どちらも腎中の精気を物質的な基盤としているので、腎中精気の不足が腎陰虚や腎陽虚として現れているとも言えます。しかし、腎中の精気が虧損(きそん、損なうこと)されていても、陰陽の失調がはっきりしない場合もあり、それを腎精不足或は腎気虚などを呼んでいます。それぞれに特徴的な症状がありますので、腎の病証の紹介の際、説明いたします。

 では、次回続きましょう。

   (李)
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by jbucm | 2009-03-19 09:39 | 中医学 | Comments(0)

こんにちは、今回から、腎と膀胱の話を致します。

中医から見ると、腎は人体臓腑陰陽の根本で、生命の源であることで、とても大事な臓です。なので、「先天の本」と呼ばれます。腎は、五行の水に属し、膀胱・骨髄・脳・髪・耳・二陰(外生殖器、尿道外口の総称)などと腎系統を構成しています。

腎の解剖形態:腎は腹腔の後壁、腹膜の外側、脊柱両側にあって、左右一つずつあります。 

腎の生理機能:
1.腎は精を貯蔵する:
 腎は精を貯蔵する作用があります。精とは生命の本であり、とても大事なものです。ここで精について詳しく話しましょう。

(1)精の概念:精は中医学の精気学説の基本概念で、気の精華と言われています。精はまた精気と呼ばれ、宇宙及び人体を構成する源です。精気は物質であり、無限の生命力を持っています。人間の生命はまさに人体を構成する精気の生命力の表現だと言えます。精は先天の腎精と後天の水穀の精が結合して生化したもので、人体を構成する基本物質であり、人体発育及び各種の生理活動の基礎でもあります。狭い意味の精は腎に納める生殖能力のある物質で、即ち生殖の精のことになります。私の理解ですが、精とは、現代医学でいう身体の生理活動に欠かせないホルモンや各種の微量元素、電解質などにあてはまります。

(2)中医における精の分類及び相互関係:腎に貯蔵された精には先天の精と後天の精があります。

 先天の精:腎の精とも呼ばれます。父母から受け取って、生れつき、生育繁殖の基本物質です。また「生殖の精」とも呼ばれます。

 後天の精:五臓六腑の精とも呼ばれます。水穀精微から生まれたものです。臓腑の精が十分の時、人体の生理活動の需要に供給する以外に余ったものを腎に貯蔵し、余分の需要な時に備えます。五臓六腑がこの精微物質を必要とする時、腎が五臓六腑に新たに送り出すわけです。

 先天の精と後天の精は源が違うが、同じく腎に帰していて、互いに依存し、助け合う。

(3)精の生理機能:腎の精気は人体の成長、発育と繁殖を促進するだけでなく、血液の生成にも関与し、人体の病気に対する抵抗力を向上させる機能もあります。

 ①生殖を促進する:腎の精は胚胎(はいたい)発育の基本物質であり、生殖機能の成熟を促進する。

 ②成長発育を促進する:人体の生まれ・成長・発育・老い・死に至るまで、腎の精の盛衰と密接に関係しています。人は幼い時から腎の精が盛んになり、歯が生え代わり、髪も生えて来ます。青・中年になると腎の精がもっと盛んになり、頂点に達し、人体の発育も頂点に上り永久歯も生え、体も丈夫になり、筋肉も強くなります。中年以後、老年になると、腎の精は衰え、体も縮み、筋肉の動きも鈍くなり、歯が揺るぎ、髪が脱落してしまう。ここから、腎の精は人体の成長発育に決定的な役割を果していて、まさに人体成長の根本であることを理解できると思います。

 ③血液の生成に関与する:腎の精は血を化することができ、血液の生成に関与しています。だから、「血液の源は腎にあり」という説があります、なお、「精血同源」、「肝腎同源」という説もあります。

 ④外邪を防御する:腎の精は外邪に抵抗し、病気から人体を守る作用があります。精が充分であれば生命力が強く、適応力も強く、邪気が侵入し難くなります。

腎精・腎気・腎陰・腎陽の関係について少し分かり易く説明させて頂きたくて、長くなりますので、次回にしましょう。
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by jbucm | 2009-03-12 09:30 | 中医学 | Comments(0)

こんにちは、先々週に続いて肝病の弁証を話しましょう。今回は肝陽上亢証と肝風内動証の四つのタイプを紹介したいと思います。ちょっと長いが、纏めたものなので、習った証の復習には役に立てると思います。

肝陽上亢証:肝陽が亢盛して現れる上盛下虚、陰虧陽亢の証候です。多くは肝腎陰虚で、肝陽が相対的に亢進するによるものです。或は長期間の情志のいらいらか酒やタバコの刺激により、気火が内鬱し、陰液を消耗し過ぎ、陰が陽を抑制できず、陽が頭面に亢擾することを指します。

【臨床表現】:めまい、耳鳴り、頭目脹痛、頭重脚軽、面赤口苦、いらいらして怒りやすい、不眠多夢、腰膝のだるさ、舌紅、脈が弦細或は弦で有力です。

【証因分析】:本証の弁証要点は、上に肝の陽気が亢進し、下に腎陰虧が見えることです。肝は剛臓で、体陰用陽(肝の本体は陰であるが、機能は陽)、情志が損なわれると、陰陽が失調となるので肝陽は妄動しやすく、疏泄過多を招いて、血は肝に帰蔵せず、気に従って上昇し、気血が上に並走するので、面赤舌紅、頭目脹痛、めまい耳鳴りがする。陽気が神志を上擾し、神魂が安寧しないので、いらいら怒りやすく、不眠多夢となります。陰虧と陽亢が互いに因果関係となり、肝陽過亢すれば肝腎の陰を消耗します、逆に、腎陰が虧損すれば、肝陽が亢進となります。故に頭重足軽、腰膝のだるさなどの腎陰虧の症状を見ます。

本証は、前回紹介しました肝火上炎証と同じ症状が多いので、区別しなければならない、そのポイントは、本証は本虚標実(上盛下虚)で、肝火上炎証は実証であることです。

肝風内動証:肝風内動は多種の原因によって招致されるもので、眩暈、抽搐、震顫など「動揺」を特徴とする証候です。「風」が揺れるという特徴があり、また、「風」が肝に関連が深いから、これら一連の「動風」の証を「肝風内動」と纏めたわけです。臨床でよく見られるのは肝陽化風、熱極生風、陰虚動風、血虚生風の四種があります。

①肝陽化風証:肝陽が亢進による眩暈、震顫から「卒中」までの動風の証候です。現代医学の高血圧症や脳卒中に当てはまります。

【臨床表現】:めまいして倒れそう、頭の脹痛、耳鳴り、いらいらして怒りやすい、顔が赤い、舌赤、脈弦です。或は、項がこわばり、肢体が痺れ、振るえる、或は言語不自由、うまく歩けない。もし突然卒倒し、人事不省となり、ロや眼がゆがみ、半身不随となり、舌がこわばり、のどに痰嗚があるなどが現れたら、「中風」(脳卒中)となります。

【証因分析】:普段肝陽上亢の症状がよくあり、肝陽亢盛が長く、陰液を損傷しているため、標実本虚、上盛下虚の病理変化を形成します。陽亢陰虧、水不涵木(腎陰虚で肝木を養うことができず)なので、「動風」の病理が潜在されます。従って『臨証指南』には「内風とは身中陽気の変動なり」と書かれてあります。

 陽が上に亢し、陰が下に虧すので、風が内から生まれ、脈絡をつき抜け、頭頂に達します。故に面紅目赤、煩燥易怒、めまい、肢体の麻痺、手足の震顫等動風の象を併発します。上盛下虚に故に、歩幅が不正で、走行が浮付く。風陽が盛んなので、灼液して痰となります。風陽が痰に挟まって上擾し、喉中の痰鳴を見る、これは急の「卒中」となります。風痰が経をつきぬければ、経気不利となり、口や眼のゆがみ、半身不随、言葉のもつれを見ます。

②熱極生風証:熱邪亢盛によりひきつけを起こす動風の証候です。高熱が伴う急性病によくみられます。現代医学の急性脳炎や子供のひきつけなどに当てはまります。

【臨床表現】:高熱煩渇、躁動不寧、手足のひきつけ、頸項の強直、両目が怒った目のように丸くなり、後弓反張、歯牙の強張る、神志昏迷。舌は真赤で、苔は黄、脈は弦数。

【証因分析】:多く外感温熱病に見られ、熱邪亢盛、経絡筋脈を灼熱、心神を熱閉して肝風内動を引起こす。熱盛傷津などで高熱口渇、邪熱が心竅を塞ぐので神昏人事不省となります。火熱が心神を擾乱するので躁動して安寧しない。邪熱熾盛、肝経の筋脈失養の故に抽搐項強、弓なり緊張等動風が現れます。

③血虚生風証:肝血虚で、めまい、肢体麻痺を主症とするのは血虚生風です。具体的な証候は肝血虚証を参照してください。本証の多くは慢性的な出血や他の慢性病を持ち、血虚を招き、内風を生じることです。日本に最近多く見られる「むずむず足症候群」という病は、こちらに似ていますので、肝血虚証を参考にして、治療すると良いでしょう。

④陰虚動風証:肝陰虚内熱で、手足の蠕動、めまい、耳鳴りを主症とするのは陰虚動風です。具体的な証候は内傷の場合は肝陰虚証、外感熱病の後期の場合は営気営血弁証を参照してください。

(李)
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by jbucm | 2009-02-26 10:30 | 中医学 | Comments(0)

肝火上炎証:肝火が熾盛(しせい)して上炎する実熱の証候です。胆火も熾盛する場合は肝胆火盛証と言います。情志不遂、肝鬱化火、外感火熱の邪、酒毒鬱熱などにより、肝胆の火が上逆を招きます。

【臨床表現】:頭暈脹痛、面紅目赤、口苦、口が渇く、いらいらして怒りやすい、不眠か夢にうなされる、脇肋灼痛、耳鳴が潮の如し、耳聾、或は吐血衄血(じっけつ、出血のこと)、便秘尿赤、舌紅苔黄、脈弦数。

【証因分析】:火熱の邪が内擾肝胆するので、脇肋灼痛となり、火の性質が上炎し、火熱が肝胆経脈に沿って頭目を上擾するので、頭痛、めまい、面紅目赤、耳襲耳鳴、口苦などが見られ、いらいら怒りやすく、夢にうなされたり不眠とも見られます。火傷血絡、迫血妄行なので、吐血、出血を見ます。火灼津傷なので口が渇く、便秘、尿赤を見ます。舌紅苔黄、脈弦数は肝経実火熾盛の徴候です。

肝血虚証:肝血虧虚により濡養を失った虚弱証候です。多くは生血不足或いは長期の病気で肝血の消耗し尽くしによって起こります。

【臨床表現】:めまい耳鳴り、顔や爪につやがない、多夢、視界がぼんやりか夜盲、肢体麻痺、関節拘急(こうきゅう、自由に屈伸できないこと)、手足の振顫、筋肉の自発的跳躍する。女性は月経量が少なく色が薄いか無月経、舌質淡で、脈弦細。

【証因分析】: 肝血不足で、頭面に上栄できないため、顔につやがなく、めまい、舌淡などが見る。肝血不足で、血が目を濡らさないので、眼花、視物模糊、夜盲となります。肝主筋で、その華は爪にあり、肝血虧虚、筋経が営血の濡養を失うので、爪甲が栄えず、虚風内動して肢体の麻痺、振顫、ひきつけを見る。肝は女子の先天であり、女子は血を以て本となし、肝血不足、血海空虚だと、月経量が少ないか無月経となります。血虚不足で安魂定志(落ち着く)できないので、多夢となります。血少なければ脈は充満を失うので、脈は細。

肝陰虚証:肝陰不足、虚熱内擾の証候です。多くは情志不遂、肝鬱化火、或は肝病で陽亢日久か温熱病後により、陰液が損傷されるか腎陰虧虚、水不涵木により、肝陰不足を招きます。

【臨床表現】:めまい、耳鳴、両目乾渋、視物模糊、脇肋灼痛、五心煩熱、潮熱盗汗、咽乾口燥或いは手足の蠕動、舌紅少津、脈弦細数。

【証因分析】:本証の弁証要点は、肝病の症状と陰虚証の症状がともに見えることです。目は肝の竅であり、肝陰虧少すると目に上濡できないので、両目乾渋、眼花、視物模糊となります。陰虧液少、筋脈を養わないので手足の蠕動等の症状を見る。陰虚で内熱を生み、虚熱内擾なので脇肋灼痛があり、五心煩熱、潮熱盗汗、咽乾、舌紅少津、脈細にして数一連の陰虚内熱症が現れます。

肝陰虚証と肝火上炎証は皆熱の症状がありますが、肝陰虚証の熱は虚熱に属し、肝火上炎証の熱は実熱に属しますので、区別しなければなりません。

(李)
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by jbucm | 2009-02-12 15:20 | 中医学 | Comments(0)

こんにちは、今日からは、肝と胆病の弁証を紹介したいです。先ず、肝胆の生理機能を復習しましょう:

肝は右脇に位置し、胆は肝に付いて、二者の経脈は相互に絡属し、肝と胆は表裏関係しています。肝は筋を主り、その華は爪にあり、目に開竅する。肝は血を蔵し、疏泄を主る。その気は昇発して、条達を好み、抑鬱を嫌う。胆は「中精の府」で胆汁を受盛、排泄して消化を助け、情志の活動にも関係します。

肝の病変範囲はかなり広く、脇肋少腹に張り、脹痛、情緒不安定、めまい、ひきつけ、震顫、目疾、月経不調、陰部疾患等が肝に関係があります。肝の病証には虚実があり、その病理はかなり複雑で、主に肝失疏泄、肝気鬱絡、肝火熾盛、肝不蔵血、陰血虧虚、風陽妄動、肝経(胆)湿熱、寒滞肝脈等。胆の病変は主に胆汁疏泄異常と胆鬱痰擾等として表れます。ここで、幾つ常見する証を紹介致します。

肝気鬱結証:多く情志不遂により肝失疏泄、気機鬱滞を招く証です。

【臨床表現】:情志抑鬱、胸悶で太息をよくする、脇か少腹の脹痛、痛みが移転する、舌苔簿白、脈は弦です。女性には胸の張り、月経困難、生理の周期が乱れ、場合によっては無月経が見られます。或いは咽喉に異物があって、呑み下せず、吐こうとしても出ない(梅核気と称す)。頸部癭瘤(えいりゅう、甲状腺腫)、脇下痞塊等も見られます。

【証因分析】:多くは情志不快、鬱怒傷肝或いは他原因に肝気の疏泄、条達異常を引起こされる。肝鬱気滞で気機不調、経脈不利なので胸脇や少腹の脹悶、或いは痛みがある。肝鬱して条達を失い、情志を調整できないので、情緒抑鬱して太息をする。女性は血を本とし、肝は女子の先天であるので、肝鬱気滞、疏泄できず、気血失和、衛任失調、月経困難、乳房の張りを常見する。

 肝気が鬱結しているので、全身の気機が失調し、気が鬱してその他病理性の変化を生む。長く続くと痰が生じ、気鬱化火などを招く。痰と気が搏結で、咽喉に溜まることを「梅核気」と呼びます。痰気が頸部に積集すると、癭瘤が形成されます。気滞で血瘀が発生して、痞塊が形成され、脇下にたまることもあります。

時間の関係で、今日は一つだけ紹介します。

(李)
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by jbucm | 2009-02-05 10:18 | 中医学 | Comments(0)

こんにちは、今日は胆の生理機能、肝と胆の関係を紹介致します。 

胆は、肝に連なり肝の下に附き、肝と相互絡属し、表里関係を持っています。

胆の生理機能:
1.胆汁を貯蔵、排泄する:胆汁は肝臓から分泌されます。肝臓で分泌され、胆に貯蔵、濃縮されます。胆管を通して小腸に排泄します。

2.決断を主る:胆は精神意識活動の際、物事を判断し、決断する能力を持っています。精神刺激(例えば極度の驚き、恐ろしいこと)の和らげに作用があり、気血の運行を助け、各臓器の間の協調関係に重要な役割を果たします。

肝と胆の関係: 
肝と胆の生理上の関係は、主に消化機能と精神活動に現れてきます。

1.消化機能:肝は疏泄を主り、胆汁を分泌する。胆は肝に付属し、胆汁を貯蔵、排泄する。共同作業によって胆汁を腸に送り、脾・胃の消化を助けることができます。肝の疏泄機能が正常であれば、胆は胆汁を貯蔵、排泄することができます。胆汁の排泄が塞ぐことなく行われてこそ、肝の機能も正常に発揮されます。

2.精神活動:肝は思慮を主り、精神を調節する。胆は決断を主り、人の勇敢、臆病に関係します。肝・胆両者は互いに協力し合い、人の精神意識、情志活動は正常に行われるわけです。

次回からは、肝と胆の病機病証を紹介致します。


(李)
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by jbucm | 2009-01-29 10:30 | 中医学 | Comments(0)

こんにちは。
さて、今日は、肝の生理特徴及び肝と五志・五液・肢体・五官などの関係を紹介致します。

肝の生理特徴:
1.暢達(のびのびとする)を好み、鬱積を嫌う:
 肝気は上昇する特性を持っているので、暢達することによってその特性が正常に維持されます。

2.肝は「剛臓」で、その気は亢進しやすいし、逆動しやすい:
 剛とは強い、気短の意味です。肝の気は激しく動き、「将軍の器官」と呼ばれています。その気は上昇と動き易く、亢進もし易い。

 「体陰用陽」:体とは、本体のことで、用とは、機能のことです。意味は、肝の本体は陰であるが、機能は陽です。
 肝の本体は陰の意味:一つは肝が陰の臓器に属すこと、もう一つは肝が貯蔵する血も陰に属するからです。肝の正常な機能は陰血の滋養に頼っているが、その調暢気機の機能が陽性です。

3.肝気は春気に対応する:
 肝は東、風、木、春季、青色、酸味などと内在の関係があります。

肝と五志・五液・肢体・五官などの関係:
1.怒りは肝の志:
 怒りは人の情緒変化が激しい時の反応で、不良な刺激となります。怒りによって、「気機」は乱れ、陽気が上昇し、気血が逆上する。肝は疏泄を主るため、なお、陽気を上昇することが肝の機能であるので、怒りは肝の志というわけです。あまり怒ると肝を傷付け、肝の陽気の上昇が過度になり、血も気と一緒に逆上し、血を吐くや、昏迷することになります。「気厥(きけつ)」ともいいます。

逆に肝の陰血が不足し、相対的に肝の陽気が上昇し過ぎると、少しの刺激でも怒り易しくなります。臨床では、「怒りを治めるのは難しい、肝を治めれば怒りも治まる」と応用しています。

2.涙は肝の液:
 肝は目に開竅する、涙は目から出るため、涙が肝の液と言われます。涙は目を潤い、保護する作用があります。若し、肝の陰血が不足すれば、目が乾燥して渋く感じます。

3.肝は筋を主る:
 筋、つまり筋膜です。骨に付着し、関節と筋肉をつなげる組織です。筋と筋肉の収縮、拡張によって、肢体・関節を動かせるわけです。「肝は筋を主る」というのは、主に筋膜が肝血からの滋養されることを指す。なので、肝血不足すると、筋膜に営養を与えられず、四肢関節の動きが敏捷でなくなるばかりではなく、手足の震え、痺れなどの症状も見られます。《素問・至真要大論》に、「諸風(震え、痙攣など)掉(振るうこと)眩(目が回ること)、皆属于肝」といっています。

4.肝の華は爪にある:
 爪は指の爪と足指の爪を指している。筋の延長といわれるので、「爪は筋の余り」ともいいます。爪は目で見えるもので、爪の栄養は筋と同じく肝血から貰い、その具合(厚み、艶、裂など)で肝血の状況を反映できるので、「肝の華は爪にある」といいます。

5.肝は目に開竅する:
 目はまた「精明」とも呼ばれ、主な機能は視覚です。正常な場合は、ものをはきり見、色、大きさも判別できます。目もきらきらと光ります。
 肝は血を貯蔵し、また肝の経脉は「目系」(眼系ともいう)とつながっていますし、目の視力が肝気の疏泄や肝血の営養にも依頼しますから、肝は目に開竅するといいます。

(李)
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by jbucm | 2009-01-22 09:38 | 中医学 | Comments(0)