こんにちは、今週から、よくみられる臓腑兼病の弁証を紹介致します。
陰陽五行説を学んだ時、人体各臓腑の間深い関係をもっていると分かり、臓と臓、腑と腑の間には協調し合う関係が存在し、臓と腑の間には表裏の関係があると理解できていると思います。従って発病時は、特に慢性化にたら、一つの臓腑が孤立したものでなく、相互に影響し合っています。臓病が他臓に及ぶ、臓病が腑に及ぶ、腑病が他の腑に及ぶ、腑病が臓に及ぶ、凡そ二つ或いは二つ以上の臓器が相次いでまたは同時に発病するのが臓腑兼病です。
一般的に、臓腑兼病は二つ或いは二つ以上の臓器証候を兼ねたものです。従って臓器に現れる証候の特長を把握さえすれば、臓腑兼病に対する弁証はそう難しくはない。しかしながら、臓腑兼病は、実際に二つの臓器以上の証候の単純な合計というものではなく、病理上で一定の内在的な法則をもっています。例えば、表裏関係を有した臓腑間には兼病が常見されます。臓と臓の間の病変には生克乗侮の兼併関係があります。従って弁証時には臓腑兼病の間を弁証分析することに注意しなければならない。つまり前後、主次、因果、生克等の関係があるかどうか、このようにしてはじめて病理のメカニズムが明確にし、正しく弁証と治療するべきです。
臓腑兼病は、臨床上で広く存在するもので、その証候もきわめて複雑です。すでに述べた表裏関係を有する臓腑間の兼病(例:小腸実熱証、肝胆湿熱証)や、腎不納気証等の証以外に、臨床で最も常見される兼証について、心腎不交証、心腎陽虚証、心脾両虚証、心肺気虚証、心肝血虚証、脾肺気虚証、脾腎陽虚証、肺腎陰虚証、肝脾不調証、肝胃不和証、肝腎陰虚証、肝火犯肺証などがあります。次回からは、これらの証を二つずつ討論しましょう。
(李)