* 陰陽(いんよう):陰陽学説は、中国古代の哲学理論である。古人が自然界の万物の性質及びその変化の規律についての素観察と素朴なまとめである。その内容は、自然界で互いに関連する物事や現象を対立する二つ側面で存在するということになり、この二つの面はそれぞれ陰と陽に属する。たとえば、緩和・静止・内向・下降・寒冷・暗いは陰に属し、激烈・運動・外向・上昇・温熱・明るいは陽に属する。
* 陰陽学説(いんようがくせつ):中医学の陰陽学説は、古代の弁証的な思想法と医学の経験を結合した産物である。即ち、陰陽の対立と統一、消長と転化の観点から、人と自然の関係を説明し、医学分野の問題を解決することも概括してある。例えば、生理上では、臓と腑・血と気・筋骨と皮毛・裏と表などを、それぞれ陰と陽にとして対置している。なお、陰は貯蔵される物質で、陽気であるエネルギーの源であり、陽は機能活動で身体と陰精を固守(こしゅ、守る)することを果たせる。病理上では、病理変化の基本規律を闡明している。治療方面では、損其有余、補其不足など調整陰陽のバランス(7月30日のブログを参照)という原則を確立してある。なお、薬物の性能や、針灸の手法なども陰陽の属性がある。つまり、陰陽は、基礎理論の重要な組成部分であるが、臨床でも幅広く応用されている。
* 陽中之陽(ようのなかのよう):一つの物事は無限に陰陽を分けることができる。例えば、陽の分属される事物の中、さらに陰陽を分ける場合、その陽に属す方面を陽中之陽と言う。同じく、
陽中之陰(ようのなかのいん)、陰中之陽(いんのなかのよう)、陰中之陰(いんのなかのいん)もある。例えば、人体の中、臓腑を陰陽で分けると、臓が陰に、腑が陽に属されるが、五臓だけまた陰陽で分けられる、この場合は、胸部にある心と肺は陽で、腹部にある肝と脾と腎は陰に属される。なお、胸部にある心と肺を陰陽で分ける場合は、心は陽に属し、陽中之陽と言い、肺は陰に属し、陽中之陰と言う。さらに、各臓腑にも陰と陽があり、例えば、心陽、心陰などがある。
(李)