先週の土日(22日・23日)に品川きゅりあんで、夏期講習(中医薬膳専科の調理実習)が行われました。「調理の基礎・夏と梅雨の薬膳料理・薬膳に使える中薬」のテーマに沿って、食養学会の中村きよみ先生・村岡奈弥先生からはじめ、辻クッキングスクール元校長・料理研究家の黒野清江先生が丁寧にご指導して下さいました。
最初の一時間は、黒野清江先生に、
調理の基本に関する講義をして頂きました。
だし汁の取り方や、くらげ・干し貝柱の戻り方、魚のおろし方など、日常の料理によく使う最も基本的なことでも、いろんなコツやテクニックがあって、びっくりしました。先生はさすか料理の専門家ですね。
2時間目は、よく雑誌やテレビ番組で目にかかります、村岡奈弥先生が、夏・梅雨の薬膳料理方法を解説しながら、演じして下さいました。今回のメニューは、①はと麦・緑豆・山芋入り炊き込みご飯、②冬瓜と豆腐団子のお椀、③苦瓜としらす干しの小鉢 でした。その後、参加者の皆さんが、6-7名を一組で、皆で実習しまして、自分の手で作った料理で会食しました。
ここでは、「苦瓜としらす干しの小鉢」を抜粋して詳く紹介しましょう。
材料(6人分)
にがうり:250g セロリ:1本 しらす干し:50g 糸がつお:適量 青じそ:5枚 《かけ汁》だし汁:大5 しょうゆ:大3 みりん:大2 削り節:5g
作り方
①にがうりは半分に切り、種を取って薄切りにする、セロリも筋を取って薄切り。両方を軽く湯がき、ザルにあげ、冷水に冷やす。
②青じそは千切りにして水にさらす。
③しらす干しはザルに入れて熱湯をかけて塩抜きする。
④だし汁・しょうゆ・みりんに削り節を入れて煮立たせ、こして冷ます。
⑤ ③のだし汁で水を切ったにがうり・セロリ・しらす・糸がつおを和え青じそをのせる。
主な材料の薬膳作用を紹介します。
苦瓜:
「性味・帰経」苦寒 帰心・脾・肺経
「効能」 祛暑、明目、解毒
「主治」 暑熱煩渇、消渇、痢疾、目赤腫痛、瘡瘍腫毒
セロリ:
「性味・帰経」甘辛 微苦涼 帰肝・胃・肺経
「効能」 平肝、清熱、利水、止血、解毒
「主治」肝陽眩暈、咳嗽、黄疸、小便淋痛、血尿、崩漏、帯下(おりもの)、瘡瘍腫毒
しそ:
「性味・帰経」辛温 帰肺・脾・胃経
「効能」 散寒解表、宣肺化痰、行気和中、安胎、解魚蟹毒
「主治」 風寒表証の咳嗽痰多、胸脘脹満、悪心嘔吐、腹瀉、胎動不安、魚蟹中毒
午後の講義は、日本中医食養学会の副会長の中村きよみ先生が、
本題の「夏・長夏の薬膳」、「触れる・味わう 薬膳に使える中薬」を入る前の授業―からだのしくみ、消化器について、特に面白かったです、如何に「食」が大切なことを分からせてくださいました。「夏の薬茶」―金銀菊茶を、飲みながら、最後に方剤組成の「君・臣・佐・使」の意を紹介され(薬膳の「君・臣・佐・使」に応用する)、今年の薬膳専科夏期特別講座を終了いたしました。
少し疲れたかな~と思いますが、6時間で、豊富な内容の勉強ができて、普段、日本校の校舎でできない薬膳実習に参加できて、皆さんが満足な笑顔を見せてくれました。
いつもご協力下さいました、日本中医食養学会の先生方、大変お疲れ様でした。本当に有難うございました。