五行の相生・相克法則について
五行学説は静止的、孤立的に事物を五行に帰属させるのではなく、五行の間にある
相生・相克の関係から事物の関係、協調的平衡の整体性と統一性を探索、解明すること、また、五行の間の
相乗・相侮を以て事物の協調平衡が破壊された後の互いの影響を探索、解明することにあり、それが五行の「
生克乗侮(せいこくじょうぶ)」の本来の意義である。
* 相生(そうせい):相生とは一つの事物が別の事物に対する促進と資生の作用をいう。
* 相克(そうこく):相克とは一つの事物が別の事物に対する制約と抑制の作用をいう。
五行学説では、相生・相克は自然界の正常な現象だと考え、また人体に対しても正常な生理現象だと考えている。事物の間に相生相克の関係があるからこそ、自然界がバランスをとり、人体が生理平衡を保っている。故に「制あり生長あり」といっている。
* 制化(せいか):制とは克制で、制約のことである。化とは化生で、生長のことである。制化とは、生克の相互配合することを言う。意味は、事物では生の中に克があり、克の中に生もある。だから、相対的な平衡を維持できる。例えば、木は土を克し、土は金を生む、また、金が木を克す。こういう調節があるこそ、木が土を克し過ぎないようになる。
(李)