こんにちは、周です。今回は料理の話です。
中国人の人生観は、料理や食生活を抜きにして語ることはできません。それは中国語にも体現されています。中国人の「こんにちは」は、「吃飯了麼?(お食事はまだですか)」でもあります。
「大吃大喝(大いに食べ、大いに飲む)」の宴会では、料理の骨や落花生の殻などが、テーブルから床まで散らかります(都会のレストランでは、衛生面は良く改善され、今はこの風景があまり見られません)。中国人の食事は、皆と楽しみ、友情を育む役目を果たすものです。家族の団欒はもちろん、商いの交渉も、政治の話し合い、恋人同士のデートにも、一切は食事の準備ができてからです。
中国料理の味は、地方によって違います。北京料理はこってりした油っこい、四川料理は唐辛子を沢山使う辛い、上海料理は醤油を使うので、日本と似ている、広東料理はさっぱりする味です。味つけだけではなく、料理の材料も個性的です。日本でも、よく知られている魚鰭(フカヒレ)や燕窩(ツバメの巣)、猪脳・魚頭(豚や魚の脳みそ)が健康食の材料の代表であります。ちなみに、日本で入手しやすい魚頭を使って作るスープは、私の大好物です、安くて、しかも営養満点で、作り方も簡単です。今度紹介します。
中薬(漢方薬)がそうであるように、料理法も天然の材料を十分に使いこなすことにコツがあります。
「脳花湯(豚の脳スープ)」「焼麻雀(雀の丸焼き)」「焼乳鳩(若鳩の丸焼き)」「焼乳猪(子豚の丸焼き)」「豆腐魚頭湯(豆腐と魚の頭スープ)」と呼ばれ、昔から家庭料理として作られています。
薬補不如食補、千補万補不如食補(薬をあびるほどに飲んだとしても、良い食事に及ばない)というこの諺が、まさに中国人の「料理哲学」を示すであります。中国と中国人をよく理解しようと思ったら、まず食卓を囲む、食事をすることから始めたほうが良いかもしれません。