名老中医の養生談⑪
――呑津調気、聚精斂神之一
李昌源先生、男性、1916年生まれ。 貴陽中医薬大学の教授です。
李先生は幼い頃から、叔父に就いて中医学を学び続き、その後、成都国医学院にて造詣を深めた。多くの医書及び儒・釈・道各家の学説を熟読し、医師として50年以上従事しています。養生と防病には、『内経』に従うと主張しています。先生の養生経験は「食過ぎない、服を着過ぎない、労働し過ぎない、行楽するが迷わせない、逆順や成敗は自然に任せる」など一般的な方法の他に、二つ独特な方法があります:一つは
晨起吐故納新咽津法(早朝、体内にある古い廃棄物を吐き出し、外から新鮮な空気を吸入し、口から出た津液を呑込む方法)である。もう一つは
夜臥調気聚精斂神法(夜、横になってからの呼吸練習法)です。
一 晨起吐故納新咽津法
朝起床し、顔や手を綺麗に洗い、大小便を済ませてから、空気が清新なところで練習する。顔を、春が東、夏が南、秋が西、冬が北に向かう。両足を肩と同じ広さで並び立ち、左手のひらを臍に当てて、右手のひらを左手の上に合わせる。全身をリラックスし、心を安静して呼吸をする。腹式の呼吸法をし、鼻で「吸」し、口で「呼」をする。具体的な方法は、ゆっくりと腹までいっぱい空気を吸い、「he、hu、su、xu、xi、chui」とう口形(発声しない)で呼気をする。一呼一吸で一回として、24回練習する。『
これは、前回紹介しました『六字訣』です、he(呵)はカタカナの「ヘ」、hu(呼)はカタカナの「フ」、su(口へんに四)はカタカナの「ス」、xu(嘘)はカタカナの「シュ」、xi(嘻)はカタカナの「シ」、chui(吹)はカタカナの「チュイ」をいうようにすればいいです――李の説明』
時令に当たる字は7回、[春は肝を「嘘」(xuシュ)する、夏は心を「呵」(heヘ)する、秋は肺を「su」(ス)する、冬は腎を「吹」(chuiチュイ)する。「呼」(huフ)は脾に属すので、いつも5回、時令でない字は3回練習。終わったら、歯を24回叩く。
最後に、咽津法(唾液を呑込む方法)を説明します:舌体を唇と歯茎の間左から右へ、右から左へ上下各三回ずつ回す、それで津液(唾液)がでる。その唾液で口を三回漱いでから、目を閉じたままゆっくり呑込む。下丹田へ届くように意念する。片時静かにしたら、最初の姿勢に戻り、両手を合わて、を臍のところに置き、左右三回ずつ廻して、練功を終わらせる(「収功」と言います)。
二 夜臥調気聚精斂神法
(次回へ続き)
(李)